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それって……
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5分程歩いてパーキングに着くと月見さんは停めてあった白いメルセデス・ベンツへと向かって歩いていく。
「乗って」
「…っ!お邪魔します」
月見さんとこの車の組み合わせが凄く様になっていて思わず見惚れていると月見さんに声をかけられて慌てて車の中へ乗り込んだ。
「最近はどう。やっぱり連勤続きなの?」
「相変わらずですね。月見さんもいつも仕事はこのくらいの時間に終わるんですか?」
腕時計を確認すると既に0時前になっていて仕事終わりにしては遅い時間だった。
「上司が無茶する人で、それに付き合ってるとつい遅い時間になっちゃうんだよ」
月見さんはその上司を思い出したのか眉を八の字にして困ったように笑った。その表情がその人と月見さんが親しい間柄だっていうのを物語っていて会ったこともないその上司を思い浮かべてモヤっとした。
「仲良いんですね」
つい出た言葉にハッとして口を噤む。
これじゃまるで嫉妬してるって言ってるような物で案の定月見さんが俺の言葉に笑みを浮かべた。
「ヤキモチ?」
「…ち、違いますよ」
俺の言葉に更に笑みを深める月見さんは相澤さんと居た時みたいに冷たくはなくて、なぜだかそれに酷く安心している自分がいる。
「ずっと連絡しなくてごめんね」
笑っていたと思ったら月見さんが突然謝ってきて俺はじっと月見さんを見つめた。
彼の顔からはなにを考えているのかは上手く読み取れなくて俺は何となく彼からまた視線を逸らした。
「俺こそなかなか連絡とか出来なかったからお互い様ですよ」
月見さんは俺の言葉に俺の方を見てから特に何言うでもなく前に視線を戻した。
「…そろそろ着くよ」
外を見るともう俺の家が見えてきていて、もう離れないといけないのかって悲しくなった。
月見さんが駐車場に車を停めてエンジンを切る。
まるでそれがこの時間の終わりの様にも感じて寂しさを感じた。
「…ありがとうございました」
なんでか震える唇を動かしてお礼を言うとシートベルトを外して扉の取っ手に手をかける。
「悟くん」
そうしたら俺のその動きを止めるように月見さんが俺の名前を呼んできて俺は動きを止めて月見さんを見た。
ゆっくりと月見さんの細くて綺麗な手が俺の方に伸びてきて思わずその手を目で追う。
俺の頬に手を添えた月見さんは真剣な顔をして俺の事を見つめてくる。
「俺、ずっと悟くんに会いたいって思ってたんだけど悟くんは会いたくなかった?」
そういった月見さんは駐車場のぼんやりとした光に照らされて不思議な魅力を放っていて、俺はその問いに俺もって答えるのが精一杯だった。
「乗って」
「…っ!お邪魔します」
月見さんとこの車の組み合わせが凄く様になっていて思わず見惚れていると月見さんに声をかけられて慌てて車の中へ乗り込んだ。
「最近はどう。やっぱり連勤続きなの?」
「相変わらずですね。月見さんもいつも仕事はこのくらいの時間に終わるんですか?」
腕時計を確認すると既に0時前になっていて仕事終わりにしては遅い時間だった。
「上司が無茶する人で、それに付き合ってるとつい遅い時間になっちゃうんだよ」
月見さんはその上司を思い出したのか眉を八の字にして困ったように笑った。その表情がその人と月見さんが親しい間柄だっていうのを物語っていて会ったこともないその上司を思い浮かべてモヤっとした。
「仲良いんですね」
つい出た言葉にハッとして口を噤む。
これじゃまるで嫉妬してるって言ってるような物で案の定月見さんが俺の言葉に笑みを浮かべた。
「ヤキモチ?」
「…ち、違いますよ」
俺の言葉に更に笑みを深める月見さんは相澤さんと居た時みたいに冷たくはなくて、なぜだかそれに酷く安心している自分がいる。
「ずっと連絡しなくてごめんね」
笑っていたと思ったら月見さんが突然謝ってきて俺はじっと月見さんを見つめた。
彼の顔からはなにを考えているのかは上手く読み取れなくて俺は何となく彼からまた視線を逸らした。
「俺こそなかなか連絡とか出来なかったからお互い様ですよ」
月見さんは俺の言葉に俺の方を見てから特に何言うでもなく前に視線を戻した。
「…そろそろ着くよ」
外を見るともう俺の家が見えてきていて、もう離れないといけないのかって悲しくなった。
月見さんが駐車場に車を停めてエンジンを切る。
まるでそれがこの時間の終わりの様にも感じて寂しさを感じた。
「…ありがとうございました」
なんでか震える唇を動かしてお礼を言うとシートベルトを外して扉の取っ手に手をかける。
「悟くん」
そうしたら俺のその動きを止めるように月見さんが俺の名前を呼んできて俺は動きを止めて月見さんを見た。
ゆっくりと月見さんの細くて綺麗な手が俺の方に伸びてきて思わずその手を目で追う。
俺の頬に手を添えた月見さんは真剣な顔をして俺の事を見つめてくる。
「俺、ずっと悟くんに会いたいって思ってたんだけど悟くんは会いたくなかった?」
そういった月見さんは駐車場のぼんやりとした光に照らされて不思議な魅力を放っていて、俺はその問いに俺もって答えるのが精一杯だった。
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