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第六章「モンスターハントもスローライフの一環?」

24.化け物退治は楽じゃ無い

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 魔道書を持ち、ショコラと共に外に出たハルはその壮観な光景を見る。空は鳥のモンスターで覆われ、森の方はまだざわざわと騒がしい。
ショコラは真剣な顔つきになったが、ハルは寧ろ楽しそうだった。


 「はぁ……やれやれ、何でこんなことになってんだが」
 「でも、コイツらと戦ったらお肉落ちてきますよね」
 「まぁ、残るかどうかは知らんが……行くぞ!」
 「はい!」
二人は威勢よくかけ出し、魔法を唱える。火が、水が、風が、雷が、氷が、空に飛び出していき、モンスターを一網打尽にする。しかし、それでも落とせたのは約半数であり、まだ元気に空を飛ぶモンスターもいた。


 「マズいな……いくら強力で落とせるといっても、二人じゃ少し分が悪いな」
 「リディルの町にも来るのですか!?」
 「そうなる前に何とかしたいが……」
二人が魔法を唱え続けてるが、それでもモンスターは増え、何体かはリディルの方面へと向かってくる。リディルの町にも結界は張っているが、それでも破れるのは時間の問題だ。
しかし、その時、二つの影がショコラ達を助けた。


 「おらよっと! ちょいと邪魔するぜショコラ!」
 「チッ……しぶとい鳥どもが」
そこには剣を抜き、既に何体か切り落としたクレセとナイフを構え戦闘態勢になったセレネが来た。
 クレセは剣を構えると大きく飛び、モンスターたちの注目を引きつける。モンスターがクレセの方を襲う瞬間、モンスターは一刀両断された。
 セレネの方は屋根の方に飛び乗り、たくさんのナイフを空めがけて投げる。一体、また一体とナイフが急所にあたったものは倒れ、また急所を外しても毒が塗ってあったのかすぐに倒れていった。


 「大分片付きましたね」
 「クレセもセレネもやるな。クレセはもとより、セレネもそんな能力あったなんて」
 「お嬢様を守るために身につけたようなものですから……」
ショコラはセレネを褒めるがセレネは謙遜するように口元を隠した。


 「しっかし、クレセってばいつの間に腕上げたのね、びっくりしたわ」
 「そりゃあ、お前を倒すためだからな!」
 「まーだ諦めてなかったんかい……」
クレセの諦めの悪さに呆れつつもどこかハルは尊敬しつつ肩を落とす。
しかし、平穏な時間もそれまでだった。


 「空の方はともかく、森の方が怖いな」
 「ええ、何でも動物や植物も暴れていると言うことですわ」
 「今はまだ封じているが……あっ!」
 「ショコラさん! 結界が!」
昨夜の内にショコラは森の方に結界を張り、被害を何とか抑えるようにしていたが、結界はそろそろ破れそうだった。
そして、パリーンと結界が割れ、ショコラ達の方に勢いよくやって来た。


 「お前ら、こっからが本番だ! クレセとハルは左を私とセレネで右を片付けるぞ!」
 「はい!」
4人は二手に分かれ、それぞれ行動した。


 「クレセ、ナイフを投げてくれ、私がそこに魔法を付与する」
 「分かりました。行きますよ!」
 右の方では暴れる動物を沈めるためにセレネがナイフを投げ、ショコラが魔法を唱える。
ショコラの魔法によって属性が付与されたナイフは協力であり、様々なモンスターを一網打尽にする。

 
 「クレセ、剣構えて。あなたが怪我しないように魔法を付与するから」
 「あいよ、あたいに任しとけ!」
 左ではハルがクレセに魔法を付与していた。クレセは彼女の魔法で強くなり、次々と現れる蔓や木をバッサバサと刈り取っていく。
そのため先程まで暴れていた木々は大分大人しくなり、森の方も大分大人しくなった。


 「これで全部か?」
 「どうでしょうか……少なくとも前の屋敷にいた植物たちは見かけましたが……」
 「さすがにこれで全部だろ、あたいはそろそろ帰るよ」
 「クレセ、危ない!」
鎮まった気配に各々帰ろうとしたが、急に何かを察知したハルは瞬時に防御魔法をかけた。他3人が見ると先ほどクレセが切った木々たちよりもかなり大きい枝が4本分伸びていたのだ。

 「マジかよ……」
 「まさか、こんなにおっきいものが最後に控えているとはね……」
ショコラ達は森の影に出てきた大柄なモンスターを見て、戦慄した。そのモンスターは先程たちの木々や植物とは比べものにならないほど大きい。周りには取り込まれた動物や植物もあり、異質なオーラが出ていた。


 「あっちゃ~……封じ込めるのはさすがにマズかったか」
 「あんな化け物が出てくるとは想定外です」
 「どんなやつでも構わないぜ! さっさと片付けようか!」
 「クレセ、無茶に突っ込めばさっきの二の舞よ」
少女たちは各々確認を取り、先程より引き締めた態度で化け物退治に向かったのだ。
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