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第七章
天川の行方不明事件(6)
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《アンタレスストリート 天川河川敷》
黄道区は周りを小さな山々で囲まれており、その山を通ってる天川は、天秤池町から順に、蠍通り町、そして僕やジョージの家がある人馬町、山羊沼町、水瓶町の外側を通り、海へと流れる大きな川だ。きれいな川の水の中には魚も泳いでおり、魚を釣る人や、水遊びをする子供たちもいる。
堤防を下り河原まで行くと、年中バーベキューも楽しめる。夏休みに入るとコスモ市が毎年恒例で開催している花火大会が、この天秤池町の天川河川敷で打ち上げられ、蠍通り町にあるアンタレスストリートでは、毎年、県内外から花火を見に来るお客さんでごった返し、ものすごい賑わいを見せるんだ。
天川はすごく大きな川で、場所によっては流れが非常に激しい。とくにこの天秤池町の天川は、山から流れ込んでくる川の水と、水瓶町に向かってゆるやかに下り坂になっている地形のせいで、水難事故が起きやすい場所でもあるんだ。
お父さんが話していた事故現場から左に曲がり、広く大きめの道を選びながら天川の堤防を目指す。
やがて見えてくる堤防を上りきった道路の上には、物々しい数のパトカーが止まっていて、大勢の見物人が、堤防の上から捜索の様子を心配そうに見おろしていた。
僕は近くに自転車をとめると、天秤池町から堤防道路へと続く急な斜面をのぼっていった。堤防を上りきると、目の前には信号機のない横断歩道、そして河川敷へとおりる急な下り坂が続いている。
「河川敷一帯は、現在立ち入り禁止です! ご協力ください!」
辺りにはお巡りさんが何人も立っていて、声を張り上げていた。テープを張ったり赤いコーンを並べたりして、一般人が河原へ入れないようにしている。
見物人が遠巻きに見守るなか、川ではレスキュー隊員が水中に潜ったり、長い棒のようなもので川底を探っている。
「そこの下り坂を、ブレーキもかけずにおりていったらしいよ」
見物人の中から、そんな声が聞こえてくる。
「河原の石でバランスを崩して、自転車から放り出されてしまったんだって」
うわさか本当かわからないけど、男の子が姿を消したのは間違いないし、お父さんが言っていた事故現場からも、ここまではまっすぐ大きな道をたどってくることができた。
黄道区は周りを小さな山々で囲まれており、その山を通ってる天川は、天秤池町から順に、蠍通り町、そして僕やジョージの家がある人馬町、山羊沼町、水瓶町の外側を通り、海へと流れる大きな川だ。きれいな川の水の中には魚も泳いでおり、魚を釣る人や、水遊びをする子供たちもいる。
堤防を下り河原まで行くと、年中バーベキューも楽しめる。夏休みに入るとコスモ市が毎年恒例で開催している花火大会が、この天秤池町の天川河川敷で打ち上げられ、蠍通り町にあるアンタレスストリートでは、毎年、県内外から花火を見に来るお客さんでごった返し、ものすごい賑わいを見せるんだ。
天川はすごく大きな川で、場所によっては流れが非常に激しい。とくにこの天秤池町の天川は、山から流れ込んでくる川の水と、水瓶町に向かってゆるやかに下り坂になっている地形のせいで、水難事故が起きやすい場所でもあるんだ。
お父さんが話していた事故現場から左に曲がり、広く大きめの道を選びながら天川の堤防を目指す。
やがて見えてくる堤防を上りきった道路の上には、物々しい数のパトカーが止まっていて、大勢の見物人が、堤防の上から捜索の様子を心配そうに見おろしていた。
僕は近くに自転車をとめると、天秤池町から堤防道路へと続く急な斜面をのぼっていった。堤防を上りきると、目の前には信号機のない横断歩道、そして河川敷へとおりる急な下り坂が続いている。
「河川敷一帯は、現在立ち入り禁止です! ご協力ください!」
辺りにはお巡りさんが何人も立っていて、声を張り上げていた。テープを張ったり赤いコーンを並べたりして、一般人が河原へ入れないようにしている。
見物人が遠巻きに見守るなか、川ではレスキュー隊員が水中に潜ったり、長い棒のようなもので川底を探っている。
「そこの下り坂を、ブレーキもかけずにおりていったらしいよ」
見物人の中から、そんな声が聞こえてくる。
「河原の石でバランスを崩して、自転車から放り出されてしまったんだって」
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