13 / 44
12
しおりを挟む由真は桐生に、部屋の移動を言われ、住居の階下のスタジオだという部屋に入った。
「これに着替えてくれる?更衣室は無いから、そのパーテションに囲まれた場所で悪いけど」
「っ………は、はい………」
入ってきたのは、畳が敷き詰められ、布団も敷いてあるスタジオ。手渡されたのは長襦袢1枚だ。
「あ………顔出しはしないから、撮らせてくれる?」
「本当に顔出さないんですよね?」
「撮った写真は、確認して貰うから………それを取材ネタにすればいい」
「…………あ……いいですね……私がモデルなのはちょっと抵抗ありますが、顔が見られないならまだ………」
由真に渡された長襦袢は、鮮やかなピンク。その色は淫靡な色合いにする為に照明を桐生は調整していた。
「き、桐生さん………下着は………」
「ブラは取って………パンツは履いたままでいいよ」
「あ、あの………買って貰った下着ではないんですけど………」
「…………は?」
「え………」
せっかく買った下着を身に着けていない由真に、桐生は苛立ちを見せた。
「痕付いてんじゃない?ブラとパンツの」
「………あ………」
「………はぁ……まぁ、いいや………緊縛の縛り変えるから………コレに履き替えてくれる?」
「っ!………コレ、透けてますけど!」
「だから良いんだろ?チラ見せして撮る方法もあるから、とりあえず撮らせて」
一瞬の苛立ちではあるが、由真に対して怒りは続けてはぶつけられなかった。
由真は長襦袢を普通に着て、桐生の前に出て来ると、桐生は畳の上の布団に乗るように言う。
「自分で色っぽいと思うポーズ取って」
「は、はい………」
コンタクトではなく、まだ眼鏡の由真だが、桐生にはその事を言われない。
「…………え?それが色っぽい格好?」
「だ、駄目ですか?」
足を軽く折り、横座りして両手を床に付いて、身体を捻っていた由真。
「せっかく、デカイ胸あるんだから強調してくれよ………それだと胸隠れるだろ」
カメラの向きに反して座ったので、レンズ越しでは由真の胸を見られない。
「こ、こう………ですか?」
「………うん……少し胸元開ける………そのままに居て」
長襦袢の襟元をギリギリに開き、谷間が見える様にされた由真。そして、桐生はシャッターを何回も押しながら角度を付けて撮っていく。
「………どう?エロくない?」
「………こ、これ………私?」
「今撮っただろ」
客観的に見せられた写真は、卑猥な胸の谷間が見え、由真の顔は切れている。暈しや光を使った写真は、由真も桐生が今迄SNSで載せていた写真と何ら変わりなく見えた。
「今から縛るから………顔無しで肩から下と、部分写真ね」
ただ、緊縛だけで終わらないのが桐生の緊縛師の仕事。それを知る由真は写真を撮られる事も念頭に置いていた。1つのアートの様に見えるのが、桐生の人気でもあったからだ。
首に縄を掛けられ、長襦袢の袖も利用し、由真は縛られていくと、胸を強調する縛られ方と、以前に縛られた方法と違う結び方をされていく。
「っ………んっ……」
「2人しか居ない………喘いでも構わない」
少しずつ、桐生も低い声色に変化し、由真をゾクゾクと高揚させていこうとしていた。
「キツくないか?」
「だ………大丈夫……です……」
縛られていく面積が増えていく度に、感覚が研ぎ澄まされ、縄が触れる場所に神経が集中する由真。
胸が全部開けさせられた訳でもないのに、桐生の視線が痛く刺さる。
「っ………み……見ない……で………」
「見て欲しいの間違いだろ?…………乳首勃ってるの丸わかり……」
「っんっ!」
薄い長襦袢に突起物が突き出していると、桐生は縄でそれを弾く。
「もっとか?…………こう……とか……」
「あっ………ん……」
縛っている最中なのに、縄だけでの愛撫が始まると、フルフルと揺れる胸が、全部溢れてきそうになる。
「い………や……見えちゃ………」
「見せたくなったら見せろ………こっちも濡れてるんだろ?」
「っ!」
「はしたないな……触ってもいないのに………このままでいろよ………由真」
胸だけを縛って、桐生は離れていく。それが何故か寂しい由真。
「………あ……」
「………良い子で待ってろ………そうしたらご褒美やる」
由真の心の変化に、桐生は気が付いていても、由真に対する優しさはまだ見せてはくれない様だ。
由真にカメラが向けられ、胸を中心的にシャッターが押されていくと、それだけで桐生に弛緩されているのだと、音が鳴るだけで感じていた。
「もう………これだけでエロい顔してるの分かるか?由真」
「っ………」
「やらしいなぁ………突っ込んだらどんな顔見せるんだ?アンタ………」
「…………わ、分からな……」
「分からないじゃないだろ?今何を思ってる?俺に手足も縛られ、ま○こ晒して突っ込んで貰う事でも想像してるのか?」
「………っ!」
「………図星か………この淫乱……」
罵倒されているのに、桐生の言葉で犯されている様に感じ、由真の顔は益々やらしく淫靡な色気を出していった。それは、桐生が由真に対して悪意を感じないだからだろう。嫌われている様には見えない。
「………淫乱じゃ………」
「そうか…………なら身体に聞く………」
「っああぁぅ………」
由真の肌には触らない桐生は、カメラを置き長襦袢の上で縛っている縄を背中から太腿の間を通し、由真の下腹部へと持って来る。裾の長い長襦袢が縄と共に由真の肌を擦りつけ、グッっと引っ張られると、縄の感触が秘唇の入口に当たり、秘蕾を剥き出しにされた。その動きが激しくなると、由真の眼鏡が布団の上に落ち、更に隠さなくなった顔が色気を増している。
「…………これでも、淫乱じゃないって?由真………湿ってないか?」
「ああッ…………擦っちゃ………」
「答えろ、由真………自分は淫乱だ、と認めろ!」
「ッんぁ、ああっ………ご、ごめ……なさ……淫乱………で……す………」
「………くっ………」
由真が素直に謝ると、桐生は手を緩めてしまう。それは何故なのか、由真は分からなかった。
1
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる