イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。

文字の大きさ
14 / 40

告白。

しおりを挟む
どくどくと心臓が嫌な音が立てる。

その音は俺の気持ちを・・・教えてくれてる。



千秋(あそこにいた男と・・・かざねが・・・?)




『男』と一緒にいるかざねなんて見たくない。

ましてや誰かと唇を重ねたりとか・・・誰かの腕の中で啼く姿とか・・・。



想像するだけで嫉妬にかられた。




千秋(・・・かざねは・・誰にも渡さない。)




俺は仕事をさっさと終わらせ、かざねを探しに車を走らせた。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






かざねside・・・





ピアノを弾き終わった私は、ユウトさんのもとに行った。



作曲者も時代もバラバラに弾いた曲たち。

指揮者さんからみたら怒られそうな演奏だ。




かざね「あの・・・ユウトさん・・?」

ユウト「いや、ほんとすごいね。」




思ってた言葉じゃない言葉が来た。




かざね「え・・・?」

ユウト「楽しそうでよかったよ。」

かざね「・・・怒らないんですか?」

ユウト「怒る?まさか。『自由に』弾いていいんだからさ。」

かざね「ありがとうございます・・・。」




怒られなかったことにびっくりしてる中、ユウトさんは歩き始めた。

私も一緒に歩き出す。





かざね「あ、ピアノのこと、教えてくださってありがとうございました。」

ユウト「・・・どういたしまして。」




笑顔で話しかける私とは違って・・・どこか浮かない表情のユウトさん。




かざね(やっぱりあの演奏はマズかったかな・・・。)



楽譜がないとちゃんと弾けない私。

暗譜もしてあるけど、似たような曲調のときに違う曲にすり替わってしまうことが多いから、ちゃんと弾けないのだ。





かざね「あの・・・・。」





とりあえず謝ろうと思って声をかける。

でも私が悩んでたことと全く違うことをユウトさんは考えていた。





ユウト「ピアノのこともあるんだけどさ、かざねちゃんに・・聞いて欲しい話があって・・・呼び出したんだよ。」

かざね「私に?・・話?」

ユウト「ずっと・・・気になってた。かざねちゃんのこと。」




その意味は・・・私でもわかる。



ユウト「最初はかわいい子が入団してきたなー・・くらいにしか思ってなかったんだけど、小さい身体なのに・・・迫力のある演奏。その『音』に一気に引き込まれた。」

かざね「そんな・・・。」

ユウト「今、特定の誰かがいないなら・・・俺と付き合ってくれないかな。」




す・・・っと手を差し出してきたユウトさん。

この手を取れば、付き合うことになる。





かざね(ユウトさんとはもう1年、一緒に活動をしてる。)





優しいユウトさん。

音楽団のみんなに優しい話し方で接してるのを知ってる。

怒ってるところなんて見たことない。

プライベートは知らないけど、きっとこのままの姿の人だって簡単に想像はついた。

でも・・・




かざね(私が好きなのは・・・ちーちゃんだ。)



ちーちゃんは怒る。

怒るけど、それは私を思って怒ってくれてる。

優しいことも知ってる。

でも実らない想いだ。




かざね(この手を取れば・・・ちーちゃんを忘れられる・・?)



誰かと結婚していくちーちゃんを見なくて済む。

私がユウトさんを愛しさえすれば。




そう思って私は手を伸ばした。





その時・・・




ユウトさんの手に触れる直前、私の後ろから手が伸びてきて、体が後ろに引かれた。



かざね「うわっ・・・・!」

ユウト「!?」




身を捻って後ろを向くと、そこにはちーちゃんの姿があった。




かざね「・・・ちー・・ちゃん・・?」

千秋「ダメだ。・・・かざねはやらない。」



寒空の中、コートも着てないちーちゃんが私を抱きしめてる。




ユウト「・・・あなたは?」



ユウトさんが怪訝な顔でちーちゃんに聞いた。



千秋「幼馴染だ。」

ユウト「幼馴染には関係ないんじゃ?」

千秋「関係ある。」





ちーちゃんは私の身体をくるっと回して両肩を持った。

体をかがめて私と目線を合わせる。



千秋「かざねが好きだ。」

かざね「・・・・・え?」




ちーちゃんの口から思ってもない言葉が出てきた。

望んでないようで望んでいた言葉。

その言葉は私の中でとどまることを知らないように通り抜けて行ってしまった。




かざね「な・・んて・・・?」

千秋「10年前・・・別れた時にはもう好きだった。」




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...