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第5話
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「クロエ!なんで!?」
「いいから早く開けてマリアさんがいるのはわかってるから!」
その瞬間、ハリーの力が緩んでクロエの二人の付き人がドアを全開にし、部屋の中に明かりが射し込む。
「クロエ何か勘違いしてるんじゃないか?」
「何が勘違いですって!」
この期に及んで白々しい態度をとるハリーにクロエは頭ごなしに責めた。この部屋でマリアとの密会を楽しんでいたのだろうと激怒して食ってかかる。今さら言い訳が通用すると思ってるのかという気持ちだ。その証拠にハリーは夢から覚めたような顔をして驚いている。
「そんなに僕と会っている相手が知りたいのか?」
「言わなくてもわかるわ。マリアさんでしょ?」
ハリーは自信満々で余裕たっぷりに軽口を叩いてきた。急にどうしたんだろう?クロエは開き直ったような感じのハリーに一抹の不安を胸に感じた。
「どうかしたの?」
その時ハリーの後ろから男性の声が聞こえた。照れくさそうに頭をかきながら姿をみせた。その男性の顔を見てクロエは呆然となって目を見開いた。
マリアという人と逢い引きをしているのかと思って、クロエは意気込んで部屋に乗り込みましたが予想を裏切り部屋にいたのはハリーの弟であるノアだった。
「え……なんで?ノア様が……!?」
まさか兄弟で絶対に人に言えないそういう関係なのか?不測の事態にクロエの頭は混乱する。だがその考えは違ってこれからハリーにこっぴどく叱られることになる。
「クロエ一体どういうことなんだ。いきなり部屋に押し入ってきてマリアと叫んで僕を疑うなんて信じられない」
必ずマリアと密会していると確信していたのに、まさか男性が出てくるとは思わなかった。しかも彼の弟のノアだとは……。軽蔑するように眉をひそめたハリーが不機嫌な口ぶりで話し始めた。
いまだに王位継承に関して王宮内で意見がわかれているらしく、その事を話し合って相談をしていたというが、放心状態のクロエの耳には入ってこなかった。この後はハリーにさんざん嫌味を言われて冷たくあしらわれ辛い思いをした。
(悔しい。マリアとの事は口をつぐんで頑として答えてくれないくせに……私の失敗にはここぞとばかりに批判を浴びせるなんて許せない)
ハリーは不愉快そうにムッとして部屋から出て行きました。クロエは自分の早とちりを反省しながら、気まずそうに俯いていた。
マリアという女性の事を学生の頃の後輩とだけ言っただけで、オリビアが目撃した浮気現場の事は何も説明しないくせに、たった一度のクロエの過ちをハリーは鬼の首を取ったように責めた。クロエはやり場のない怒りに肩が震えていた。
「いいから早く開けてマリアさんがいるのはわかってるから!」
その瞬間、ハリーの力が緩んでクロエの二人の付き人がドアを全開にし、部屋の中に明かりが射し込む。
「クロエ何か勘違いしてるんじゃないか?」
「何が勘違いですって!」
この期に及んで白々しい態度をとるハリーにクロエは頭ごなしに責めた。この部屋でマリアとの密会を楽しんでいたのだろうと激怒して食ってかかる。今さら言い訳が通用すると思ってるのかという気持ちだ。その証拠にハリーは夢から覚めたような顔をして驚いている。
「そんなに僕と会っている相手が知りたいのか?」
「言わなくてもわかるわ。マリアさんでしょ?」
ハリーは自信満々で余裕たっぷりに軽口を叩いてきた。急にどうしたんだろう?クロエは開き直ったような感じのハリーに一抹の不安を胸に感じた。
「どうかしたの?」
その時ハリーの後ろから男性の声が聞こえた。照れくさそうに頭をかきながら姿をみせた。その男性の顔を見てクロエは呆然となって目を見開いた。
マリアという人と逢い引きをしているのかと思って、クロエは意気込んで部屋に乗り込みましたが予想を裏切り部屋にいたのはハリーの弟であるノアだった。
「え……なんで?ノア様が……!?」
まさか兄弟で絶対に人に言えないそういう関係なのか?不測の事態にクロエの頭は混乱する。だがその考えは違ってこれからハリーにこっぴどく叱られることになる。
「クロエ一体どういうことなんだ。いきなり部屋に押し入ってきてマリアと叫んで僕を疑うなんて信じられない」
必ずマリアと密会していると確信していたのに、まさか男性が出てくるとは思わなかった。しかも彼の弟のノアだとは……。軽蔑するように眉をひそめたハリーが不機嫌な口ぶりで話し始めた。
いまだに王位継承に関して王宮内で意見がわかれているらしく、その事を話し合って相談をしていたというが、放心状態のクロエの耳には入ってこなかった。この後はハリーにさんざん嫌味を言われて冷たくあしらわれ辛い思いをした。
(悔しい。マリアとの事は口をつぐんで頑として答えてくれないくせに……私の失敗にはここぞとばかりに批判を浴びせるなんて許せない)
ハリーは不愉快そうにムッとして部屋から出て行きました。クロエは自分の早とちりを反省しながら、気まずそうに俯いていた。
マリアという女性の事を学生の頃の後輩とだけ言っただけで、オリビアが目撃した浮気現場の事は何も説明しないくせに、たった一度のクロエの過ちをハリーは鬼の首を取ったように責めた。クロエはやり場のない怒りに肩が震えていた。
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