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教会の孤児院
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「もー!あんまり遠くへ行かないのよー!」
「「「キャハハハ-!ハーイ!」」」
私はフィリア。15歳。
国の端にあるマンティス教会でお世話になっている。
私が1歳の頃に、預けられたらしい。預けた人の事は分からないと言われた。私の両親は私を捨てたのかなぁ。
だけど、首にはペンダントが掛かっていたらしい。
銀色の紐に、胸の少し上あたりに私の瞳と同じ青色の親指ほどの大きさの石がついている。形は、三日月の形みたいに見える。きっとこれだけは、両親が私へと託してくれたんだと思っているわ。
それに、ここの生活はとっても楽しいの!だから、孤児院ではクヨクヨしている子もいるけれど、笑って過ごせるになるべく声を掛けるようにしているのよ。なぜかお節介って言われる事もあるけれど。
この国ラッセルブラウン国は、何らかの事情で孤児になったり、貧しくて育てられなかったりする事も良くある。その場合は、地区毎にある教会に孤児院が併設されている所もあり、預けられる。そこが生活の場となるのだ。
本当は、孤児院は13歳になったら職や住む場所を見つけて出て行かないといけない。でも私は、孤児院を手伝うという理由で未だに置かせてもらっている。
預けられる子どもは一旦入ると減らないので13歳で出て行く事は仕方ないと思う。たまに養子となって引き取られたりしているけれど、そんな事は滅多にないからだ。
ならばと、13歳で独り立ち出来るように手に職を付ける子がほとんど。
私も、置かせてもらってるのだからと皆が独り立ち出来るように、できる限りの事を一緒にしたり、家事を教えたりしている。
それだけでは難しかったが、この教会に良く遊びに来て下さるおじさまが、読み書きや計算の仕方、男の子へは剣術も基本を教えてくれるのでその人のおかげでとても助かっている。
今は、食べ物を取りに教会近くの森に来ていた。あまり奥へ入ると獣に出会うとシスターからきつく言われているから行かないけれど、資源の豊富な森は、貴重な調達の場だ。
私は未だ獣に出会った事はなかったから、実は安全な森なのかもしれないと密かに思っている。子ども達には危ないから奥へ行かないよと伝えてはいるけれど。
孤児院は貴族様などから寄付してもらってるとは言っても、質素な生活を心掛けないとすぐに物が無くなってしまう。だから、近くに畑を作ったり、森に入ったりして食料を調達している。
「「「えい!やー!えい!」」」
少し奥の、国境近くの平原では、騎士団が演習をしている。王都からでは徒歩で半日ほどかかるみたい。だけど、騎士団の人達は走ってここまで練習に来ている。普段は王都で練習しているらしいが、広い場所が必要な時はここまで来るらしい。シスターが言っていた。『騎士団が演習している時は近づいてはいけません』って。
「カッコいいなぁ~。」
私も独り言を呟いてしまうほど、騎士団の人達は動きが精錬されている。
あれを真似て、孤児院の子ども達も木の枝を使って戦いごっこをしている。
シスターもはじめこそ『怪我をするから止めなさい!』と言っていたがそのうち、『やるなら騎士団に入れるように本気でやりなさい』と言ってくれるようになった。
森に行った男の子達も、いつの間にか木の枝を拾ってきて、素振りを始めた。騎士団に感化されたのだろう。
結局、私と数人の女の子で木の実を籠いっぱいになるまで拾って、男の子達はその間ずっと騎士団の真似事をしていた。
「さぁ、帰るわよー!」
「「「はーい!」」」
今日の夕飯はこの木の実と、後は何にしようかしら。
「「「キャハハハ-!ハーイ!」」」
私はフィリア。15歳。
国の端にあるマンティス教会でお世話になっている。
私が1歳の頃に、預けられたらしい。預けた人の事は分からないと言われた。私の両親は私を捨てたのかなぁ。
だけど、首にはペンダントが掛かっていたらしい。
銀色の紐に、胸の少し上あたりに私の瞳と同じ青色の親指ほどの大きさの石がついている。形は、三日月の形みたいに見える。きっとこれだけは、両親が私へと託してくれたんだと思っているわ。
それに、ここの生活はとっても楽しいの!だから、孤児院ではクヨクヨしている子もいるけれど、笑って過ごせるになるべく声を掛けるようにしているのよ。なぜかお節介って言われる事もあるけれど。
この国ラッセルブラウン国は、何らかの事情で孤児になったり、貧しくて育てられなかったりする事も良くある。その場合は、地区毎にある教会に孤児院が併設されている所もあり、預けられる。そこが生活の場となるのだ。
本当は、孤児院は13歳になったら職や住む場所を見つけて出て行かないといけない。でも私は、孤児院を手伝うという理由で未だに置かせてもらっている。
預けられる子どもは一旦入ると減らないので13歳で出て行く事は仕方ないと思う。たまに養子となって引き取られたりしているけれど、そんな事は滅多にないからだ。
ならばと、13歳で独り立ち出来るように手に職を付ける子がほとんど。
私も、置かせてもらってるのだからと皆が独り立ち出来るように、できる限りの事を一緒にしたり、家事を教えたりしている。
それだけでは難しかったが、この教会に良く遊びに来て下さるおじさまが、読み書きや計算の仕方、男の子へは剣術も基本を教えてくれるのでその人のおかげでとても助かっている。
今は、食べ物を取りに教会近くの森に来ていた。あまり奥へ入ると獣に出会うとシスターからきつく言われているから行かないけれど、資源の豊富な森は、貴重な調達の場だ。
私は未だ獣に出会った事はなかったから、実は安全な森なのかもしれないと密かに思っている。子ども達には危ないから奥へ行かないよと伝えてはいるけれど。
孤児院は貴族様などから寄付してもらってるとは言っても、質素な生活を心掛けないとすぐに物が無くなってしまう。だから、近くに畑を作ったり、森に入ったりして食料を調達している。
「「「えい!やー!えい!」」」
少し奥の、国境近くの平原では、騎士団が演習をしている。王都からでは徒歩で半日ほどかかるみたい。だけど、騎士団の人達は走ってここまで練習に来ている。普段は王都で練習しているらしいが、広い場所が必要な時はここまで来るらしい。シスターが言っていた。『騎士団が演習している時は近づいてはいけません』って。
「カッコいいなぁ~。」
私も独り言を呟いてしまうほど、騎士団の人達は動きが精錬されている。
あれを真似て、孤児院の子ども達も木の枝を使って戦いごっこをしている。
シスターもはじめこそ『怪我をするから止めなさい!』と言っていたがそのうち、『やるなら騎士団に入れるように本気でやりなさい』と言ってくれるようになった。
森に行った男の子達も、いつの間にか木の枝を拾ってきて、素振りを始めた。騎士団に感化されたのだろう。
結局、私と数人の女の子で木の実を籠いっぱいになるまで拾って、男の子達はその間ずっと騎士団の真似事をしていた。
「さぁ、帰るわよー!」
「「「はーい!」」」
今日の夕飯はこの木の実と、後は何にしようかしら。
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