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第3章 ゆうしゃのしるしを巡る冒険
第22話 秘密の地図とゆうしゃのしるし[10]
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「さっきの“まわる かげ”、これで3つのしるしが集まったね……」
なつみが、沈みかけた夕焼けの空を見上げながらぽつりとつぶやいた。
そらたは地図をもう一度広げて、残された言葉を確かめる。
「ええと……次に書いてあるのは、“おもいでの ひかり”」
その言葉に、なつみがぴくんと反応した。
「……それって、もしかして……」
彼女の脳裏にふと、幼いころの思い出がよみがえり始めた。
夏の夕暮れ、なつみとなつみ姉妹はこの丘に寝転んで空を見ていた。
そこは、小学校の裏手にある、ちいさな丘だった。
草が茂っていて、春はつくし、夏はひまわりが咲く場所。
子どもの頃、お姉ちゃんとふたりでよく遊びに行った“おもいでの丘”。
ほのかは、指で雲の形をなぞりながら、
「ほら、あの雲がゆっくり流れるように、わたしたちのやさしい思い出もずっと流れ続けるよ」と笑顔で言った。
なつみはそのとき、姉の腕にそっと寄り添いながら、大きな空と小さな自分を同時に感じていた――。
「……もしかしたら、“あそこ”かも」
「丘?」
「うん。わたしとお姉ちゃんの、ひみつの場所だった」
なつみは、そっとポニーテールを結び直した。
靴ひもも結び直し、スカートの裾をおさえ、スパッツの足に力をこめて、一歩を踏み出す。
それを見て、そらたも眼鏡をくいと直し、ついていく。
日はもう傾ききっていて、空はオレンジから紫へと変わりかけていた。
その丘は、学校の裏門の脇道を抜けた先にあった。
舗装もされていない小道を草をかき分けながら進むと、ぽっかりと空が開けたような小さな丘にたどり着く。
「わぁ……」
なつみが小さく息を漏らす。
そこには、なにもない。ただ、空と、草の匂いと、風だけがある。
でも、その“なにもない”場所こそが、なつみにとってはとても大切だった。
「ここ、いい場所だね」
そらたが草をかき分けて、なつみの隣に並ぶ。
ふたりは、丘のいちばん高い場所まで登ると、しばらく無言で立ち尽くした。
空は、赤と紫のグラデーションを描いて、静かに夜の準備を始めている。
遠くでは、鳥の鳴き声がして、町の明かりがぽつぽつと灯り始めていた。
「ここね、夜になると星がすごく見えるの」
なつみがつぶやくように言った。
「お姉ちゃんと、よく来たの。わたしが幼稚園のころから、小学校に上がっても、夏になると毎年ここで……ふたりで寝っ転がって、空を見てた」
「へぇ……いいな」
「“なつみは、きっと空を飛べるゆうしゃになるよ”って、そう言ってくれたんだ」
そらたはそれを聞いて、そっと視線を空に移す。
なつみの言葉のひとつひとつが、夕焼けの風に溶けていくように、胸に染みていく。
なつみが、沈みかけた夕焼けの空を見上げながらぽつりとつぶやいた。
そらたは地図をもう一度広げて、残された言葉を確かめる。
「ええと……次に書いてあるのは、“おもいでの ひかり”」
その言葉に、なつみがぴくんと反応した。
「……それって、もしかして……」
彼女の脳裏にふと、幼いころの思い出がよみがえり始めた。
夏の夕暮れ、なつみとなつみ姉妹はこの丘に寝転んで空を見ていた。
そこは、小学校の裏手にある、ちいさな丘だった。
草が茂っていて、春はつくし、夏はひまわりが咲く場所。
子どもの頃、お姉ちゃんとふたりでよく遊びに行った“おもいでの丘”。
ほのかは、指で雲の形をなぞりながら、
「ほら、あの雲がゆっくり流れるように、わたしたちのやさしい思い出もずっと流れ続けるよ」と笑顔で言った。
なつみはそのとき、姉の腕にそっと寄り添いながら、大きな空と小さな自分を同時に感じていた――。
「……もしかしたら、“あそこ”かも」
「丘?」
「うん。わたしとお姉ちゃんの、ひみつの場所だった」
なつみは、そっとポニーテールを結び直した。
靴ひもも結び直し、スカートの裾をおさえ、スパッツの足に力をこめて、一歩を踏み出す。
それを見て、そらたも眼鏡をくいと直し、ついていく。
日はもう傾ききっていて、空はオレンジから紫へと変わりかけていた。
その丘は、学校の裏門の脇道を抜けた先にあった。
舗装もされていない小道を草をかき分けながら進むと、ぽっかりと空が開けたような小さな丘にたどり着く。
「わぁ……」
なつみが小さく息を漏らす。
そこには、なにもない。ただ、空と、草の匂いと、風だけがある。
でも、その“なにもない”場所こそが、なつみにとってはとても大切だった。
「ここ、いい場所だね」
そらたが草をかき分けて、なつみの隣に並ぶ。
ふたりは、丘のいちばん高い場所まで登ると、しばらく無言で立ち尽くした。
空は、赤と紫のグラデーションを描いて、静かに夜の準備を始めている。
遠くでは、鳥の鳴き声がして、町の明かりがぽつぽつと灯り始めていた。
「ここね、夜になると星がすごく見えるの」
なつみがつぶやくように言った。
「お姉ちゃんと、よく来たの。わたしが幼稚園のころから、小学校に上がっても、夏になると毎年ここで……ふたりで寝っ転がって、空を見てた」
「へぇ……いいな」
「“なつみは、きっと空を飛べるゆうしゃになるよ”って、そう言ってくれたんだ」
そらたはそれを聞いて、そっと視線を空に移す。
なつみの言葉のひとつひとつが、夕焼けの風に溶けていくように、胸に染みていく。
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