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97.呆れた連中
しおりを挟む翌日、仕事から帰ったリラの父と兄が知らせを受けて飛んできた。
ご迷惑をお掛けして、と頭を下げ、怪我を治したわたしに頭を下げ、レドに事後処理は任せてもらう、と言われてよろしくお願いします、とまた頭を下げた。人の良さそうなそっくり親子だった。
リラを襲った男の元妻は昨夜のうちに捕まった。なんと男の家、つまり以前自分が住んでいた家でのんびり男の帰りを待っていたのだ。
連れてこられ、尋問されても平気な顔をして答えた。
確かに自分は、リラに仕返ししてくれたらよりを戻しても良いとは言った。でも傷つけてこいなんて一言も言ってないし、やったのは男で自分は関係ない、と。
女の尋問くらい部下でも出来るだろう、と思って任せていたコンゴはその報告を受けて自ら相手をする。もちろん、尋問した部下は後でキツ~イ指導を受けた。
コンゴの尋問の結果、経緯が判明。
女はリラの元夫と駆け落ちしたが2人とも職が見つからず、持ち逃げした金も底をついて食べるにも困る始末。女は共に逃げた男を捨てて別の男へ乗り換えた。だがその男も金回りが悪くてまた貧乏暮らし。
そんな時
シャハールの祭りを見てきた旅商人の話から、リラが歌い手として復帰して拍手喝采を浴びていたことを知る。夫に逃げられた女がまさか、と信じられない思いで密かにシャハールへ戻った。
すると、リラは今や時の人。レドモンドとルーカスに認められ、たくさんの店からお呼びがかかる超の付く売れっ子だった。
何故夫を奪ったはずの自分が貧乏クジを引いて、逃げられたリラが幸せになるのか!
嫉妬に燃えた女は自分の元夫のところへ赴く。悲惨な現状に顔を顰めながらもこれは使える、と思い立って犯行を唆した。そしてまさか男がレドモンドの酒場近くで犯行に及ぶとは思わず、のんびりと知らせを待っていた。
オーナー部屋で一連の話を聞き終えたわたしは、呆れるやら頭にくるやらで何とも言えない気分だった。
余程顰めっ面をしていたのだろう、レドが頭を撫で、ルーカスが背中をポンポン、と叩いて宥めてくれる。
「リラの元夫ともう1人の男はどうします?」
「調べて害が無いようなら放っておけ、そういう奴らはどうせすぐに自滅する。手を下すまでもない」
「分かりました」
2人してわたしの髪を弄りながら会話。
「心配するな。襲った男とその女は相応の報いを受けさせる」
「そうですよ、だからそんな顔をしないでください。ね?」
弄んでいた髪を掬って口づけるレドとルーカス。
「…うん」
わたしはその言葉に安堵して頷いた。
その光景を見ていたルイ、コンゴ、ビスタの3人は、ソニアだけは怒らすまいと心に誓った。ボスとNo.2の言う相応の報いがどういうものか、彼らはよ~く知っているのだ。ソニアが怒れば自動的に2人の怒りも買うことになる。ある意味、彼女は最も恐ろしい人物である。
◇
その夜、ベッドルームのバーカウンターでホットワインを飲みながら話す。
「リラのお父さんとお兄さん、そっくりだったね。腰が低くて人が良さそうで」
リラを迎えに来た時、レドとルーカスが居たのにも気が付かずに彼女に駆け寄って無事を確かめていた。あの顔を思い出すと温かい気持ちになる。リラは優しい家族に囲まれて傷心から立ち直ったのだろう。そして彼女が寒冷期初日に歌ったあの新曲は実体験を元に書かれたものだ。明朗闊達で前向きな彼女らしい行動に思わず笑みがこぼれた。
「ふふ、そうですね。久しぶりに会いました。変わりがなくて何よりです」
「え、会った事あるの?」
「ああ、リラの父と兄は元酒杜氏だ。うちでも仕入れてた。腕の良い奴らだが酒屋は潰れたからな」
「そうなんだ…」
そういえば前に聞いたな、シャハールにも酒屋があったけど潰れたって。
「職人が他の仕事に就くのは難しいですから、苦労してるでしょうが…」
途中で言葉が途切れ、不思議に思ってルーカスを見る。すると何やら思案顔。レドを見ると彼も似たような顔。
「「・・・・・」」
「?」
何だか分からないが考え中のようなので黙って待つ。
互いに暫く考えた後顔を見合わせて話す。
「どうです?レド」
「ああ、賛成だ。だが念の為調査は必要だ」
「そうですね、手配しておきます」
「頼んだ」
・・・ちっともワカンナイ。
キョトン、として2人を見ると左右の頬にキス。
「フフッ、本決まりになったら教えてやる」
「おそらく問題は無いですから、すぐですよ」
「うん?」
「…話は終わりだ。昨夜の分まで可愛がってやる…」
そう囁いたレドに後ろから抱え上げられ、そのまま彼の膝の上にガバッと足を広げて乗せられた。背後から伸びた大きな手に両胸を鷲掴みにされ、うさ耳としっぽが飛び出る。
「きゃっ、レド…あぁんっ!あッ、ン」
「こっち向け」
言われた通りに振り返ると唇が重なる。着ていたネグリジェもすでに脱がされ、ショーツも取られてまたわたしだけ全裸。ルーカスの指が秘所へ届いてワレメをなぞるように蠢くと、くちゅくちゅ音を立てて愛欲を煽った。
「ん、んっ…ンんぅ」
「蜜が溢れて…甘くて美味しそうな香りがします…」
笑みを深くしてそう言い、蜜壺に顔を近付けて指でくぱぁ、と拡げる。曝された膣内の匂いを嗅ぐ仕草に羞恥心が湧いて足を閉じようとするとレドに阻止された。
「閉じるな」
「っふ、あ…だって…」
「恥ずかしいですか…?でもココは可愛くひくついて私を誘ってますよ、蜜もどんどん垂れてきます」
「あ、ぁ…んぁっ!」
ルーカスの長い舌が蜜壺に侵入して暴れ、ぢゅるぢゅる音を立てて流れる愛液を吸われて快感に震える。レドに両胸を揉みくちゃにされながら乳首をぐにぐにと捏ねられ、羞恥はあっという間に快楽に飲み込まれてしまった。
「あ、ぁん、ふひっ、ン…ッは!」
陰核を扱かれ、うさ耳を食まれ、レドの熱くて固いモノでしっぽまで擦られて身悶え、腰をくねらせてただ喘ぐ。2人の愛撫に翻弄されていつもすぐに追い詰められる。
「あぁ、あ、ぁひ!ッんぅ、だめぇ…も、う、イッちゃうぅ…」
「イケよ…ソニア…」
「っは、あ、ぁぁあああッ!」
全身をガクガクさせて呆気なく絶頂した。くたっ、と身体をレドに預けるとルーカスの舌が引き抜かれて腰が跳ねる。
「あ…ン…あぅんッ」
「…まだまだ、夜はこれからですよ…ソニア…」
「ンんっ…」
漸くわたしの秘所から顔を上げたルーカスがそそり勃った肉棒をあてがった。
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