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【シャルデル伯爵の房中】

4.レイナール夫人の謝罪 *

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 目を閉じたリシアの唇に、唇が重ねられる。


 彼を、受け容れてしまった。
 ちろ、と舌で唇を舐められれば、受け容れるばかりでなく、口づけに応じて求めることさえもしてしまう。
「ん…」
「リシア…」
 低く甘い声がリシアの名を囁く。 それだけで、身体が熱くなる気がする。


「美味し…蕩けそうだ…」
 夢中で、シャルデル伯爵はリシアの舌を吸っているようだった。
 舌先が痺れてしまいそうなくらい、気持ちがいい。


「俺が教えた口づけ、覚えていらっしゃるようですね…?」
 そう囁いたシャルデル伯爵は、嬉しそうに微笑んだ。
 その微笑がきれいで、リシアはなぜか、泣きたいような心持ちになる。


 口づけながら、シャルデル伯爵は器用にリシアの服を脱がせ、自分の服を脱いでいく。
「ああ、俺のしるしだ…」
 リシアの裸体を見下ろすシャルデル伯爵が、うっとりとした声音で語る。


 リシアは思わず頬を染めた。
 シャルデル伯爵が差しているのが、リシアの身体に彼が刻んだキスマークだというのは、容易に想像できたからだ。


「思い出されました? ここ…固くなってしまいましたよ?」


 言いながらも、彼は焦らすように胸の膨らみの中央の蕾にはなかなか触れない。
 恥ずかしい願いが口をついて出そうになる頃にようやく、彼の指がそこに触れる。
 リシアは身体を跳ねさせて、過剰なまでに反応してしまった。


「ぁんっ…」
「気持ちいい、ですか?」
 リシアは、目を伏せて、小さく頷く。
 そうすれば、リシアを見下ろしていたシャルデル伯爵の喉が、ごくりと上下する。


「っ…俺、もう、限界」
「ぇ」


 リシアが一体何をされるのかとびくびくしていると、シャルデル伯爵の影がリシアの上に落ちてくる。
「もっと気持ちよくして差し上げます…。 だから、俺のことも、よくして…?」
「ぁっ…」
 リシアは短く声を上げた。


 シャルデル伯爵の唇が、リシアの右の胸の先に触れる。 リシアの様子を上目遣いで見るようにしながら、舌が、そこを愛撫する。
 右手は、もう片方のそこを。 彼の左手は、リシアの右手に重ねられている。


「ん、ん、ぅ」
 胸の先が、溶けそう。
 気持ちが、よすぎて、じわり、と脚の間が熱くなる。
 もじもじと腰をくねらせ、太腿を擦り合わせていると、それに気づいたらしいシャルデル伯爵が笑んだ。


「そろそろ、こちらの準備ができましたね…?」
 彼が一度、リシアの身体から離れる。 そのときに、リシアは見てしまう。
 彼のものは、雄々しく猛って凶暴なまでの姿を晒している。


 自分は、どれだけ彼に我慢を強いたのか。 そんなことを実感する。
 リシアが彼の邸に来てこの方、彼が夜に単身で出かけたことはない。
 シャルデル伯爵が、リシアの膝に手をかけて、一度リシアの顔を見た。
 きっと、「いいのか」と聞かれたのだと思う。 だから、リシアは、観念する。


 …ごめんなさい。


 もう一度、胸の中で、謝罪して、目を伏せた。
 シャルデル伯爵だけを悪者にしないために、頷く。


 そうすれば、シャルデル伯爵はリシアの脚を左右に大きく開かせた。

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