行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな異世界へ

12 酒癖

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「おーい、ティス。タケルを巻き込むな、こっちに寄越せ。」

アラケルを刺激しないように、わざと呑気な声を出すストゥさん。
上半身くらいなら肌見せるの、平気だよー。プチプチとボタンを外してシャツを脱ぐ。あ、涼しい。

「やっぱり酔うと脱ぐのか‥‥」

「必要が無ければ脱がないよー。今は脱がしっこしてるから脱ぐんだよー」

お前が脱ぐ必要がないんだよ!と言われたけど絶対必要だよ!だってアラケルが驚いてるもん!!(意味不明)

「ガキなだけじゃねぇか!こんなの10歳くらいのガキなら普通だろ?まさかティス‥‥ガキが好きなのか!?」

「タケルはこれで18なんですよ!それに10歳にもなれば肌はもっと硬くなっています!」

「あぅん‥‥」

胸撫で回したら気持ち良いよー!
膝の力が抜けちゃうよ‥‥

「あれー?ティスさん、おれ‥何だか前にも触られた事あるような気がする‥‥」

それにもっと気持ち良かったような‥‥?

「こうですか?」

「ひぁあんっ!!」

真ん中の芯を押し出すように胸の飾りをつままれる。いつの間にかソファに座るティスさんの膝に座り、後ろから手を回されてつままれる小さな粒はぷっくりと立ち上がり快楽を伝えて来る。耳朶を舌でなぞられるとゾクゾクとして仰け反ってしまう。

それを見たアラケルがゴクリと喉を鳴らし、そっと手を伸ばす。ティスさんはそれに気づかなかったけど、ストゥさんに腕を掴まれ止められた。

「触らせてくれ。
諦めるために触らせてくれ!」

切羽詰まったようなアラケルの懇願にストゥさんが俺に確認をとる。
別に構わないので許可をすると、ティスさんが胸の小粒から手を離した。

ゆっくりと近づく手が触れる。滑る指先に違和感を感じる。更に手のひら全体を胸に押し当てやわやわと揉まれると嫌悪感が急激に込み上げた。

「!? やだっっ!!」

手を振り払い身を捩る。

「やだぁ‥‥気持ち悪いよぅ‥‥」

体の向きを変え震えながらティスさんにしがみつく。戸惑いながら撫でてくれるティスさんの手は気持ち良い。

流れる沈黙をストゥさんが破る。

「タケルが大丈夫なら俺が預かるから、お前ら話し合って来い。」

差し伸べられる手に素直に応じ、ストゥさんの腕に収まる。安心感に涙が滲む。

2人を追い出し、しがみつく俺に何が嫌だったのかゆっくりと穏やかに聞いてくれる。多分、好きじゃない人に触られるのが気持ち悪かったんだと思う。深く考えずに肌を晒したバチが当たったのかも知れない。

気持ち悪い感触が消えない‥‥。

ストゥさんの手を取って触ってもらうと凄く気持ちが良い。ティスさんと同じくらい気持ち良い。そう言ったら困ったような顔で分かった、と呟いて胸を撫でてくれた。

触り方が優しすぎる。もっと刺激が欲しい。

「もっと触って‥‥嫌な感触がまだ消えない‥‥お願い‥‥」

つっ、と涙が溢れる。
それを見たストゥさんの雰囲気が変わった。

突然噛みつくように唇を重ね、口内を蹂躙される。歯列をなぞり上顎を擦られ唇を甘噛みされる。思うように息ができない。ぷはっと息を吸い込むと少しだけ我に返ったストゥさんに鼻で息をしろと言われた。その間も大きな右手は胸をまさぐり、胸の先を転がす。左手は後ろを通って耳から首筋にかけてねっとりと動き回っている。
集まる快楽に押し上げられた自分自身が刺激を欲しがって蜜を溢れさせているのを感じる。触って欲しい。

「おね‥がい‥‥下も触って‥‥」

服の上から撫で上げられどんどん苦しくなる。

「いじわる‥‥しないでぇ‥‥
あぁぁんっ!!」

ようやく下履きから解放されたそれを優しく扱いてくれる。散々焦らされて初めて自分以外に触られた快感はあっという間に俺を絶頂へと導く。過ぎた快感に目がチカチカしてそのまま気を失ってしまった。


**********************


ティスさんの戻って来た気配に目を覚ました。

「えーっと‥‥紫の実を食べた辺りまでしか覚えていません。」

紫の実はアルコールが強くて粘膜が焼かれるようだった。その後、どうしたんだっけ???

「今回は仕事じゃないですよね?ちゃんと本当の事を教えてくれますか?」

覚えてないって、もの凄く怖い。もしまた同じ失敗を繰り返したら、信頼できる人が近くにいなかったらどうなってしまうんだろう?2人は顔を見合わせて頷いた。

「まずは私の方ですが、アラケルは諦めてくれたと思います。騒いだりつきまとったりするのを止める事を誓わせました。」

結局、気に入らないポイントって何だったけ?と首を傾げていたら胸毛がダメだと教えてくれた。もちろんそれだけではなく、しつこい所も気に入らないらしい。

「で、だ‥‥
ティスがタケルの肌が最高とか言ったからアラケルが見せろって言い出して、タケルがシャツを脱いだんだ。」

え?俺、まさか脱ぎ上戸?

「ティスに撫でられたのが気持ち良かったようで調子に乗ってアラケルにも触らせて‥‥嫌がってベソかいた。」

俺、何やってんの?

「幸い俺を嫌がらなかったから2人で話し合えと言ってティスとアラケルを追い出した。んでタケルは好きでもないヤツに触られたのが気持ち悪い、感触が消えないって縋り付いてきて、つい‥‥」

「「つい?」」

「唇を貪って撫で回して手で抜いた。」

ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁあああぁあああぁぁぁぁぁぁ!!
思い出したぁ!!
端折ってくれてるけど俺が自分から強請ったんだよね!?
うぅわぁぁぁぁぁぁ!
 ついでに前、ティスさんにも乳首触れって強要したことも思い出したぁぁぁぁ!!!

「強要なんてされてません!私が差し出された据え膳に理性が負けて手を付けたんです!」

うぎゃ!声に出てた!?

「お‥‥俺‥‥、ごめっ‥‥なさっ‥‥ヒック‥‥」

「俺が悪かった!すまん、泣くな‥‥」
「私も‥‥大人なのに欲望に負けて悲しませるなんて‥‥」

毛布にくるまってしゃくり上げる俺に向かって2人が謝る。ちーがーうー!恥ずかしい事して2人を困らせる俺が悪いのにー!!

「悪いのは俺ですー。」
「いや、俺が悪い!」
「最初に流された私が悪いんです!!」

自分が悪いと言い合ってキリがないと恐る恐る顔を出すと、目の前に泣きそうな2つの顔があった。目が合うと何だかホッとしてしまって2人の頭を抱きしめて

「じゃぁ、全員悪いと言う事で決まりですね。あの‥‥ありがとうございます。」





仲直りして顔を洗って寝る。ティスさんがストゥずるいとか言い出して俺はティスさんのベッドで一緒に眠る事になった。人肌ってこんなに安心できるんだって知らなかった‥‥


**********************


翌朝、俺の頭は盛大に爆発していた。
シャンプーが合わなかったのかリンスを買い忘れたせいか分からないけど、もっふもふだった。おかげで全く気まずくならずに済んだ。

シャワーを借りて寝癖を直し、朝食へ向かう。濡れ髪を見せるの禁止、ってティスさんが風の魔術で乾かしてくれた。

知らない人達が「たくさん食べろよ」「頑張れよ」「応援してるぞ」とか声をかけてくれるのが嬉しい。早速依頼を受けたいな、と考えてたら魔術学校は行くのか聞かれた。忘れてた!

ギルドの受付で魔術学校の話を聞いた。
こちらの世界の人は入学までにある程度の魔術感覚を習得しているので、俺は学校に入る前に個人授業を受ける事になるそうだ。速くて数日、遅くても10日以内でOKらしい。学校に行きながら依頼をこなす事もできるので早速個人授業をお願いした。

驚いた事にすでに名指しの依頼が1つ入っていたけど、王宮で肌の手本になる依頼(半日で50,000円!)だったので断った。冒険者ギルドってこんな依頼も受けるのか。食い詰めたら‥‥ダメだ、人間がダメになる!!

個人教授には午後には会えるそうなので速攻で予約した。
馬車が送迎してくれるとか本当に至れり尽くせりだが、帰りは室内履きとリンスを買うので店の近くで下ろしてもらおう。


**********************


午前中暇になったので、ストゥさん達の部屋のミニキッチンを借りて野菜スープを作る。固形スープがないのでトマトとハーブソルト頼りの千切り野菜のスープ。鍋や包丁、食器はギルドの調理場から借りた。野菜はだいたい日本と同じで助かる。ついでに近くの店でバケットサンドを買った。

トマトは昆布と同じくらい旨味成分が豊富なので出汁としても使えると家庭科で習ったが、実践してみて授業のありがたみが分かる。両親共働きで家でも料理はしていたし簡単な家庭料理なら毎日でも苦ではない。

2人はスープをとても喜んでくれて大きくない鍋とは言えあっという間に空になった。もし同居してこの2人の食欲を満たす量の食事を作り続けるとしたら‥‥やっぱり少し苦になるかも知れない‥‥?

毎日料理を作るならコンロが1つしかないミニキッチンだと辛いな。簡易コンロとか七輪とか買うべきか?調理道具と食器は揃えよう。

調理道具と食器を洗って調理場に返す。珍しい料理があったら教えてくれよ、と料理人に言われたけど何が珍しいのか分からない‥‥2人の反応で分かるかな?
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