真実の愛のお相手は弟の妻でした ―年上悪役令嬢は二十九歳―』

王立学園の卒業舞踏会。
王太子カルディオンは突然、婚約者である公爵令嬢フロレンティアとの婚約破棄を宣言した。

「私は真実の愛を見つけた!」

彼の隣にいたのは、涙を浮かべる可憐な令嬢ヴィオレッタ。
彼女はフロレンティアに虐げられてきた可哀想な被害者だという。

王太子は彼女を守ると宣言し、社交界もまた“悪女フロレンティア”という噂を信じていく。

だが――

フロレンティアはただ一言だけ告げようとしていた。

「殿下、お待ちください。その方は――」

しかし王太子は聞く耳を持たなかった。

やがて明らかになる衝撃の事実。
王太子が「真実の愛」と信じた女性は、

すでに結婚していた。

しかもその相手は――

フロレンティアの弟。

人妻との関係を堂々と認めてしまった王太子は、王宮審問で自ら罪を証明することになり――。

王太子廃嫡。
伯爵家没落。
そして巨額の慰謝料。

すべてが決着した後、フロレンティアは静かに微笑む。

「申し上げましたわ、殿下。その女性は――私の弟の妻です」

これは、真実の愛に酔った王太子が自分の発言だけで破滅する物語。
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