溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。

ふまさ

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「ミック・ホルンは、こう供述しているらしい。フィオナ殺害は、お前たちも望んでいたことだと」

 まるで覚えのない事柄に、二人がひゅっと息を呑み込む。声を出すのに、少しの時間がかかった。

「……そ、そんな馬鹿なこと……」

「だが、お前たちはフィオナにこう言っていたではないか。ミック・ホルンに殺されかけたのは自業自得なうえ、それをなかったことにしろと」

 女が「ち、ちが……あれは」と、フルフルと力なく頭を左右にふる。

「それについては警察ヤードに、わたしからきちんと証言しておいた。お前たちがフィオナの殺害を望んでいた可能性は大いにあると付け加えてな。貴様らの息子も、今頃連行されているころだろう。警察あっちで会えるかもしれんな」

 見惚れるほどに、にこやかに微笑むニール。女がたえきれなくなったように、がくっと膝をついた。男は警察ヤードがすぐ近くまで来ていることに気付き、地を蹴った──が、すぐに取り押さえされていた。

「……フィオナ! 助けて! わたくしたち、無実の罪で捕まってしまうわ!!」

 男はもう憔悴しきったようにうつ向いていたが、女は我に返ったように、屋敷に向かって半狂乱に叫びはじめた。


 だが。やがてそれも遠ざかり、あたりはすぐに、何もなかったかのように静けさを取り戻した。

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