文字の大きさ
大
中
小
2 / 30
2
昼の日差しは心地よく、昼食をすませ、街で買い物をするころには、リアはすっかり上機嫌になっていた。なにしろモーガンのエスコートは完璧で、欲しいところで欲しい言葉をくれる。
「大丈夫? 少し疲れたんじゃない?」
「どうしてわかるの?」
「わかるさ。君のことならね。あそこで少し休憩しようか」
街中にあるベンチまで手を引かれたリアが腰かける。手に持った複数の荷物をベンチに置いたあと、モーガンもリアの隣に座った。
「そんなにたくさん買ってもらわなくてもよかったのに」
モーガンはいつも、リアが素敵、かわいいと言ったハンカチや小物などを、片っ端から購入しようする。毎回止めるのだが、いくつかは購入したあとだったりするのだ。
「こんなことしかできなのが情けないけれど、いくら妹のためとはいえ、君を待たせてしまったことへのつぐないがしたいんだ。それに私は、何より君の笑った顔が大好きなんだよ」
真顔で、真っ直ぐな言葉をささやくモーガン。見惚れるような、まぶしい笑顔。結局はこれで、いつも許してしまうのだ。それがモーガンの甘えにつながっていることは承知しているのだが。
(……本当にアビーの具合が悪いのなら、こんなことで怒っては駄目よね)
そんな考えも手伝い、リアは「もう怒ってないわ」と、笑った。
夕刻。
ニールが待つ広場へと二人で向かっていると、モーガンが「妹がね。また君に会いたいって言っていたのだけど」とひかえめに口火をきってきた。
リアはぎくりとした。
「……ごめんなさい。このあとは、お父様とのお約束が」
「少しも駄目、かな?」
哀しそうに、モーガンが重ねてくる。この言い訳をつかうのは三度目だったりするので、リアはさすがに観念することにした。なにより、モーガンに嫌われたくなかったから。
「す、少しだけなら」
モーガンは、ぱっと笑顔になった。
「そうか、よかった。アビーもよろこぶよ」
リアは重く「……そうだといいのだけれど」とこっそりと呟いた。
「大丈夫? 少し疲れたんじゃない?」
「どうしてわかるの?」
「わかるさ。君のことならね。あそこで少し休憩しようか」
街中にあるベンチまで手を引かれたリアが腰かける。手に持った複数の荷物をベンチに置いたあと、モーガンもリアの隣に座った。
「そんなにたくさん買ってもらわなくてもよかったのに」
モーガンはいつも、リアが素敵、かわいいと言ったハンカチや小物などを、片っ端から購入しようする。毎回止めるのだが、いくつかは購入したあとだったりするのだ。
「こんなことしかできなのが情けないけれど、いくら妹のためとはいえ、君を待たせてしまったことへのつぐないがしたいんだ。それに私は、何より君の笑った顔が大好きなんだよ」
真顔で、真っ直ぐな言葉をささやくモーガン。見惚れるような、まぶしい笑顔。結局はこれで、いつも許してしまうのだ。それがモーガンの甘えにつながっていることは承知しているのだが。
(……本当にアビーの具合が悪いのなら、こんなことで怒っては駄目よね)
そんな考えも手伝い、リアは「もう怒ってないわ」と、笑った。
夕刻。
ニールが待つ広場へと二人で向かっていると、モーガンが「妹がね。また君に会いたいって言っていたのだけど」とひかえめに口火をきってきた。
リアはぎくりとした。
「……ごめんなさい。このあとは、お父様とのお約束が」
「少しも駄目、かな?」
哀しそうに、モーガンが重ねてくる。この言い訳をつかうのは三度目だったりするので、リアはさすがに観念することにした。なにより、モーガンに嫌われたくなかったから。
「す、少しだけなら」
モーガンは、ぱっと笑顔になった。
「そうか、よかった。アビーもよろこぶよ」
リアは重く「……そうだといいのだけれど」とこっそりと呟いた。
感想
あなたにおすすめの小説
父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。
その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。
そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。
そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。
【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」
リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。
その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。
当然、注目は私達に向く。
ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた──
「私はシファナと共にありたい。」
「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」
(私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。)
妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。
しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。
そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。
それとは逆に、妹は──
※全11話構成です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。
両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。
一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。
更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。
【完結】「妹が欲しがるのだから与えるべきだ」と貴方は言うけれど……
私の婚約者、アシュフォード侯爵家のエヴァンジェリンは、後妻の産んだ義妹ダルシニアを虐げている――そんな噂があった。次期王子妃として、ひいては次期王妃となるに相応しい振る舞いをするよう毎日叱責するが、エヴァンジェリンは聞き入れない。最後の手段として『婚約解消』を仄めかしても動じることなく彼女は私の下を去っていった。
この作品は『小説家になろう』でも公開中です。
幼なじみで私の友達だと主張してお茶会やパーティーに紛れ込む令嬢に困っていたら、他にも私を利用する気満々な方々がいたようです
アンリエット・ノアイユは、母親同士が仲良くしていたからという理由で、初めて会った時に友達であり、幼なじみだと言い張るようになったただの顔なじみの侯爵令嬢に困り果てていた。
だが、そんな令嬢だけでなく、アンリエットの周りには厄介な人が他にもいたようで……。
【完結】で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?
キャナリィ・ウィスタリア侯爵令嬢とクラレット・メイズ伯爵令嬢は困惑していた。
最近何故か良く目にする平民の生徒──エボニーがいる。
とても可愛らしい女子生徒であるが視界の隅をウロウロしていたりジッと見られたりするため嫌でも目に入る。立場的に視線を集めることも多いため、わざわざ声をかけることでも無いと放置していた。
クラレットから自分に任せて欲しいと言われたことも理由のひとつだ。
しかし一度だけ声をかけたことを皮切りに身に覚えの無い噂が学園内を駆け巡る。
次期フロスティ公爵夫人として日頃から所作にも気を付けているキャナリィはそのような噂を信じられてしまうなんてと反省するが、それはキャナリィが婚約者であるフロスティ公爵令息のジェードと仲の良いエボニーに嫉妬しての所業だと言われ──
「私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
そう問うたキャナリィは
「それはこちらの台詞だ。どうしてエボニーを執拗に苛めるのだ」
逆にジェードに問い返されたのだった。
★このお話は「で。」シリーズの第一弾です。
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
第四弾(スピンオフ)「で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?」
特に第二弾は沢山の方に読んでいただいて、女性向けHOTランキング一位になることが出来ました!
スピンオフは第19回恋愛小説大賞で35位でした。
良かったら覗いてみてくださいね。
(*´▽`人)アリガトウ
【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。
「ルミナス、すまない。カノンが…… 」
「大丈夫ですの? カノン様は。」
「本当にすまない。ルミナス。」
ルミナスの婚約者のオスカー伯爵令息は、何時ものようにすまなそうな顔をして彼女に謝った。
「お兄様、ゴホッゴホッ! ルミナス様、ゴホッ! さあ、遊園地に行きましょ、ゴボッ!! 」
カノンは血を吐いた。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。