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「……ど、どういう意味ですか」
訳がわからないといった風に、ヘクターが問いかける。パトリスは、わかりませんか? と首を傾げた。
「あなたはもう、ローナの婚約者ではない。にもかかわらず、ユーイン様とローナが異母兄弟であると知ってしまった。ローナが、陛下の子であることも」
ひゅっ。
ヘクターは息を呑み、顔面蒼白になった。
「……ちょ、ちょっと待ってください……それは、あなたたちが勝手にっっ」
「訊ねたのは貴様だろう」
「……だ、誰にも言いません! 約束しますから!!」
「悪いが、信じられんな」
吐き捨てられ、ヘクターは絶望した。震えながら、すがるように、力の限り叫んだ。
「……ローナ! 助けてくれ! このままではぼくは、殺されてしまう……っっ!!」
びくっと肩を揺らしながらも、ローナは答えた。
「お、お兄様たちは、そんなことしません」
ぶちっ。
その言葉に、ヘクターの怒りが一瞬で頂点へと達した。
「……このくそ女がぁぁぁっっっ!!!」
わめき散らすヘクターは、再び口に布を突っ込まれ、ユーインに命じられたデールによって、ユーインが学園まで乗ってきた馬車までずるずると引きずられていった。そしてそのまま、有無を言わさずその馬車に乗せられ、城へと連れて行かれたのだった。
訳がわからないといった風に、ヘクターが問いかける。パトリスは、わかりませんか? と首を傾げた。
「あなたはもう、ローナの婚約者ではない。にもかかわらず、ユーイン様とローナが異母兄弟であると知ってしまった。ローナが、陛下の子であることも」
ひゅっ。
ヘクターは息を呑み、顔面蒼白になった。
「……ちょ、ちょっと待ってください……それは、あなたたちが勝手にっっ」
「訊ねたのは貴様だろう」
「……だ、誰にも言いません! 約束しますから!!」
「悪いが、信じられんな」
吐き捨てられ、ヘクターは絶望した。震えながら、すがるように、力の限り叫んだ。
「……ローナ! 助けてくれ! このままではぼくは、殺されてしまう……っっ!!」
びくっと肩を揺らしながらも、ローナは答えた。
「お、お兄様たちは、そんなことしません」
ぶちっ。
その言葉に、ヘクターの怒りが一瞬で頂点へと達した。
「……このくそ女がぁぁぁっっっ!!!」
わめき散らすヘクターは、再び口に布を突っ込まれ、ユーインに命じられたデールによって、ユーインが学園まで乗ってきた馬車までずるずると引きずられていった。そしてそのまま、有無を言わさずその馬車に乗せられ、城へと連れて行かれたのだった。
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