探偵主人公

アズ

文字の大きさ
16 / 124
1章 始まりの街ロンドン

16 戦闘

しおりを挟む
 ホテルの外に出ると寒さがまず襲ってきた。
 震えながらも、視界の悪い状況でウルフに警戒する。
 どこかで銃声が何発も聞こえることから、ハンター達はウルフと戦っているようだ。流石はハンターだ。この状況でも戦えるのは経験だろう。
 オッドもホワイトもスコープで敵を探すが全く意味がなかった。
 と、そこに腹を空かせたウルフ2匹が唸りながら近づいてきた。
 オッドとホワイトはウルフに向かって銃口を向けるが、引き金を引く前にウルフは左右に散ってから、挟み撃ちをするかのように襲いかかってきた。
 オッドとホワイトは構わず撃つが、2匹には当たらなかった。
 そこにホルトの斧が一匹のウルフに当てる。その後方ではソニエールが剣を振っていた。しかし、あと少し届かず、かすっただけだった。ソニエールを避けて自分に向かってその一匹が襲いかかった。
「ジーク! 一匹が向かったぞ」
 ソニエールは大声をあげた。
 ジークは片手剣を構え、飛びかかったウルフの大きな口に奥まで突いた。
 血を出し苦しむ声をあげるウルフはジークの剣を加えたまま倒れた。ジークはウルフの重さで思わず手を離してしまっていた。
 ソニエールが駆けつける。
「武器を離すな!」
 ソニエールは叱りながらまだ息があるウルフにトドメをさした。
「ごめん」
 そう言ってウルフの口から片手剣を引き抜いた。
 すると、システムが「経験値を獲得」とアナウンスが入った。
「レベルアップしました」
 自分のレベルが1から2になった。
「ほら、まだ来るぞ!」
 倒したと思ったらまた新たなウルフが今度は4匹同時に出現した。
「おい、一匹だけデカいのがいるぞ」
 ソニエールの言う通り、一回り他のウルフより大きいのが真ん中にいた。その周りを子分のように三匹が囲っている。
「親玉か?」
「とにかく、数を減らそう。オッドとホワイトはデカいのを集中して撃ってくれ。あのデカいのだけは近づかせるな。あとの三匹は俺達で倒しきるぞ!」
 ホルトの指示に全員が「了解!」と返事をする。
 オッドとホワイトは早速デカい的に向かってどんどん撃ち始めた。
 大型ウルフは避けるように駆け回る。
 他の三匹はオッドとホワイトを狙いにかかるが、その前にホルトとソニエールが応戦する。
 自分も休憩している暇はなかった。一匹がまた自分に襲いかかった。
 今度は武器を離さない。武器を手放せばそれは死!
 ウルフは自分目掛けて飛びかかった。
「お前達の攻撃の仕掛けるタイミングはもうお見通しなんだよ!」
 そう言って、今度はうまくウルフから避けながら剣を振るった。
 ウルフの胴体につけた傷口から大量に流血する。
「経験値を獲得しました。レベルが3になりました」
 気づけば息を荒くしていた。
 ちょっと、運動不足か…… 。
 他の2体もホルトとソニエールが始末を終えていた。
 ホルトの計画通り3体を先に始末し、大型ウルフ一匹のみとなった。
 すると、大型ウルフは遠吠えをした。
「なに!?」
 大型ウルフの遠吠えでまたウルフが2匹森の奥から出現した。
「きりがないぞ」とソニエールは言った。
 そこに、オッドとホワイトじゃない銃声が2発響いた。
 2体が頭に命中し、絶命した。
 振り向くとそこにはスミスとエニスが銃を構えて立っていた。
「よし、また仲間を呼ばれる前に倒しきるぞ」
 ホルトはそう言って一番先を走った。
 それを見た大型ウルフもホルトに向かって走った。
「おらああああ!!!」
 ホルトは思いっきり斧を振るった。
 ウルフに大きさの違いはあれど、攻撃パターンに違いはなかった。
 確実に仕留めにいったホルトの斧は命中し、深く入り込むが途中で斧が力に負けぽっきりと折れてしまった。
「ホルト!」ソニエールは叫ぶ。
 ハンター二人とオッドとホワイトが大型ウルフに向かって撃ちまくった。
 その間にホルトは急いで大型ウルフから距離をとった。
 幾つも命中したが、大型ウルフはまだ倒れなかった。
「マジかよ……」とソニエールは途方に暮れる。
 このままではまたあいつが仲間を呼んでしまう。そしたら消耗戦だ。
 ジークは剣を強く握りしめ、走った。
「おい、ジーク! 死ぬ気か!!」
 ソニエールの言葉を無視して大型ウルフに剣を振るう。
 ウルフは足をあげそれを振り払おうとした。俺は必死に避けようとしたが、運悪く雪に足をとられ滑ってしまう。
 終わった。
 そう思った直後、エニスの弾がウルフの片目に命中した。
 目を失ったウルフの攻撃が緩んだ。
 その間に、ウルフの懐にそのまま滑り込んだ俺はがら空きの胴に片手剣を突き刺さした。
「おらああああ!!」
 ドバドバと血が自分に向かって流れ落ちる。それでも、俺は攻撃の手を緩めなかった。
 遂に絶命した大型ウルフはジークを巻き込むかたちで倒れた。
 俺はそこで意識を失った。
「経験値を獲得しました。レベルが5になりました」



 意識を取り戻したジークは起き上がった。
「大丈夫か?」とホルトは訊いた。
「あの後、どうなったんですか?」
「ウルフの下敷きになったお前を救出したってところだな」と意地悪くソニエールは言った。勿論、冗談でだ。
「ジークが大型ウルフを倒してくれたおかげで、他のウルフ達は一斉に逃げ出した。よくやったジーク」
 ホルトはそう褒めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる
ファンタジー
「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」 そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』にプロポーズを受けのだ。

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

処理中です...