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2章 箱の中身は
02 登場人物
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列車の旅は十分に満喫できるものだった。
そろそろ、夕食の時間帯。
ジークは部屋を出て食堂車へと向かった。
食堂車はテーブル席がいくつもあり、席は既に決められていた。
自分は食堂車入って直ぐ近くの席だった。
すると、既に何人かの乗客がジークの方に目線を向けた。
興味津々な眼差しにジークは目をそらし窓の外を見た。既に辺りは暗く、外灯が見当たらない。
そこへ、一人の立派な髭に高級スーツに高級時計を身に着けた小太りの男性がジークに近づいてきた。
無視は出来そうにないと悟り、そちらに目線を向けた。
「ああ、良かった。無視されるのかと思った。そこの席に座るってことはプレミアだね? その割には……」そう言って男はジークの格好を見た。旅人のような格好で、とてもプレミアチケットを手に入れるような金持ちには見えないとでも思っているのだろう。
なんなら服ぐらい買ってから乗込めば良かった。いや、どっちにしろ安いスーツぐらいで、金持ちの目を誤魔化すのは無理か。
「まぁ、いい。君もここの乗客も恵まれた人物であることにかわりはない。ああ……スタンダードは勿論除くがな」
男の目線は奥に向けられた。そのテーブル席では、黒い格好の男達が六人揃って食事をしていた。彼らのテーブル席のグラスには水が。対して、高貴な身なりの男の手には赤ワインが。
「私は議員で次の市長選へ立候補予定のボーダンだ。君は?」
「ジークです」
「ジーク? どっかで聞いた名だなぁ」
すると、そばの席に座っていた白髪の老人が答えた。
「新聞に連続殺人事件を解決した探偵の顔写真とそっくりだな」
「ああ! そうか。思い出したよ。まさか、そんな大事なことを忘れていたなんて。君のおかげでロンドンは救われた。市民のかわりに私がお礼をしよう」
「それなら市長が既に果たしたんじゃないの?」と、そう言ったのはまた別の客だ。セクシーな足に赤い口紅、長い金髪の大変魅力的な女性だった。黒いワンピースを着ている。
「だからこの場にいられる。違う?」
「そう言う君はどうなんだね? 私の目は誤魔化せないぞ」
「あら、失礼。私は労働者が必死に働いたお金で贅沢する市議とは違って労働者なので」
「しかし、君はファーストクラスじゃないか」
確かに、あのテーブル席に座る客はファーストクラスだ。
「労働者だって贅沢したい時だってあるわ」
「もうやめましょうよ。こんな場所で言い争いを始める気?」
今度は真珠のネックレスにダイヤの指輪をした高貴な女性だ。
「あなたのことはご存知ですよ。名女優エレン!」
「あら、私のことは褒めてくださるのね」
「ええ、勿論! 今日は娘さんと旅行中かな?」
エレンは咳払いをした。
「ああ、すまない。プライベートに踏み込んでしまったようだ。申し訳ない」
「構いませんよ」
他の乗客達はテーブル席に名前のカードがある為、知ることが出来た。
例えば先程市議と揉めてた女性はカリン・ペイン。
女優エレンの隣には6歳ぐらいの娘が座っており、その子の名はレイチェル。
さっきの老人はカイル・フライ。
更に会話には入らなかったファーストクラスの乗客が3人いる。
ケイン夫妻と、スカーレットだ。
うち、カリン・ペインとカイル・フライとスカーレットの3人は一人でテーブル席についていることから、一人旅であることが分かる。カードの名前も一つしかない為間違いはない。
奥の六人の男性は苗字が全員違っており、家族でもなんでもないのだろうが、奇妙に感じる。彼らは食事を楽しんでいる様子も会話すらもなかった。
乗客全員を知れたジークはデザートを食べ終わると自分の部屋へと戻った。
そろそろ、夕食の時間帯。
ジークは部屋を出て食堂車へと向かった。
食堂車はテーブル席がいくつもあり、席は既に決められていた。
自分は食堂車入って直ぐ近くの席だった。
すると、既に何人かの乗客がジークの方に目線を向けた。
興味津々な眼差しにジークは目をそらし窓の外を見た。既に辺りは暗く、外灯が見当たらない。
そこへ、一人の立派な髭に高級スーツに高級時計を身に着けた小太りの男性がジークに近づいてきた。
無視は出来そうにないと悟り、そちらに目線を向けた。
「ああ、良かった。無視されるのかと思った。そこの席に座るってことはプレミアだね? その割には……」そう言って男はジークの格好を見た。旅人のような格好で、とてもプレミアチケットを手に入れるような金持ちには見えないとでも思っているのだろう。
なんなら服ぐらい買ってから乗込めば良かった。いや、どっちにしろ安いスーツぐらいで、金持ちの目を誤魔化すのは無理か。
「まぁ、いい。君もここの乗客も恵まれた人物であることにかわりはない。ああ……スタンダードは勿論除くがな」
男の目線は奥に向けられた。そのテーブル席では、黒い格好の男達が六人揃って食事をしていた。彼らのテーブル席のグラスには水が。対して、高貴な身なりの男の手には赤ワインが。
「私は議員で次の市長選へ立候補予定のボーダンだ。君は?」
「ジークです」
「ジーク? どっかで聞いた名だなぁ」
すると、そばの席に座っていた白髪の老人が答えた。
「新聞に連続殺人事件を解決した探偵の顔写真とそっくりだな」
「ああ! そうか。思い出したよ。まさか、そんな大事なことを忘れていたなんて。君のおかげでロンドンは救われた。市民のかわりに私がお礼をしよう」
「それなら市長が既に果たしたんじゃないの?」と、そう言ったのはまた別の客だ。セクシーな足に赤い口紅、長い金髪の大変魅力的な女性だった。黒いワンピースを着ている。
「だからこの場にいられる。違う?」
「そう言う君はどうなんだね? 私の目は誤魔化せないぞ」
「あら、失礼。私は労働者が必死に働いたお金で贅沢する市議とは違って労働者なので」
「しかし、君はファーストクラスじゃないか」
確かに、あのテーブル席に座る客はファーストクラスだ。
「労働者だって贅沢したい時だってあるわ」
「もうやめましょうよ。こんな場所で言い争いを始める気?」
今度は真珠のネックレスにダイヤの指輪をした高貴な女性だ。
「あなたのことはご存知ですよ。名女優エレン!」
「あら、私のことは褒めてくださるのね」
「ええ、勿論! 今日は娘さんと旅行中かな?」
エレンは咳払いをした。
「ああ、すまない。プライベートに踏み込んでしまったようだ。申し訳ない」
「構いませんよ」
他の乗客達はテーブル席に名前のカードがある為、知ることが出来た。
例えば先程市議と揉めてた女性はカリン・ペイン。
女優エレンの隣には6歳ぐらいの娘が座っており、その子の名はレイチェル。
さっきの老人はカイル・フライ。
更に会話には入らなかったファーストクラスの乗客が3人いる。
ケイン夫妻と、スカーレットだ。
うち、カリン・ペインとカイル・フライとスカーレットの3人は一人でテーブル席についていることから、一人旅であることが分かる。カードの名前も一つしかない為間違いはない。
奥の六人の男性は苗字が全員違っており、家族でもなんでもないのだろうが、奇妙に感じる。彼らは食事を楽しんでいる様子も会話すらもなかった。
乗客全員を知れたジークはデザートを食べ終わると自分の部屋へと戻った。
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