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4章 犯人はゴースト
05 ローリーの話
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ジークは夜、テレサが仕事をしていたという貴族というより庶民的なレストランへと入っていった。
大きな窓沿いのテーブル席に座ると、店員がメニューを持って現れた。
「どうぞ」
「ありがとう」
メニューを受け取り開く。
「ご注文が決まりましたらお呼び下さい」
「ああ!」
「ご注文ですか?」
「いえ、実はあなたから訊きたいことがありまして、テレサさんについてです」
すると、女性はしかめた顔をした。
「警察の方ですか?」
「いえ、違います」
「では、記者の方ですか。申し訳ありませんが仕事中ですので」
「アンドリューさんから直接テレサさんの事件について調査して欲しいと依頼をされてまして」
「え? アンドリューが? あなたは?」
「ジークです」
「ああ! 聞いたことあるわ! 事件を解決された方ですよね? え、今はこの事件を調べているんですか」
「はい。警察も捜査はしていますがまだ目星はついていないようで」
「全く警察にはもっと頑張ってもらわなきゃ。世の中本当に物騒よね。切り裂きジャック事件が終わったと思ったら新たな事件が次から次へと起こるんですもの」
「ええ、本当に。全くその通りです。どうかしてますよ」
「それでここに来たってことはテレサについて知りたいのね?」
「はい、そうです。因みに名前を伺っても?」
「私はローリーよ」
「では、ローリーさんに訊きますがテレサはいつもこの時間帯のシフトに入っていましたか?」
「ええ、そうよ。学生は日中は勉強しなきゃいけないから」
「そうですね。では、ローリーさんも?」
「ええ、大学は違うけれど私とテレサは同じシフトよ」
「どうでしたか、彼女の働きは?」
「トラブルはなく私同様まぁまぁね」
「なる程。因みに彼女に何か悩みを抱えていた感じはありませんでしたか?」
「気になるとしたら、彼女が亡くなる前日にシフトが入っていたんだけど、彼女仕事休んじゃって。体調が優れないからって」
「彼女がドラッグを使用していたことはご存知でしたか?」
「いいえ! 知らなかったし私もやっていないわ!」
「因みになんですが、この職場でドラッグを使用している人はいたりしますか?」
「いたらクビよ。店主はそういったのを認めないから。安い給料のくせにうるさいの」
「そう言えばテレサさんはお金に困っていたことがあったそうですね。お金を借りることもあったとか」
「お金には確かに困っていたわね。彼女の家の事情を知ってるの。だから、大学をやめるかもって言っていたわ。とりあえず、就職先を決めって」
「お金でトラブルはどうでしたか?」
「さぁ、そこまでは知らないけど。因みに彼女は私にはお金を借りようとはしなかったわよ。まぁ、彼女は自分一人でなんとか解決しようとしちゃうんじゃないかしら? 私にはそう見えたけど。でも、あの子には彼氏がいるでしょ? 自分で本当にどうしようもなくなったら彼氏に助けを求めない?」
「彼氏には恐らく相談はしなかったと思いますよ」
「なら、言い出せなかったのね」
「あなたには言い出せたんですね」
「彼氏に言えないことも女同士なら言えることもあるでしょ?」
「そうですか?」
「男のあなたが分かることじゃないわ」
ジークは咳払いをした。
「では、質問を変えます。あのカップルを妬むような人物はいましたか?」
「今度は恋愛ね。いいえ、なかったわ。あったら直ぐ気づくわよ。もし、あの二人を引き裂きたい人物がいたとしたら、一人になって弱ったアンドリューの元に慰めに一番に近づいていった女がそれよ」
すると、遠くから男が「おい、ローリー! なにサボってやがる。給料減らされたいか」と怒鳴った。
「ごめん、もう行かなきゃ」
「呼び止めてしまいすみませんでした。私のせいであなたが叱られてしまった」
「いいのよ。しょっちゅうだから」
大きな窓沿いのテーブル席に座ると、店員がメニューを持って現れた。
「どうぞ」
「ありがとう」
メニューを受け取り開く。
「ご注文が決まりましたらお呼び下さい」
「ああ!」
「ご注文ですか?」
「いえ、実はあなたから訊きたいことがありまして、テレサさんについてです」
すると、女性はしかめた顔をした。
「警察の方ですか?」
「いえ、違います」
「では、記者の方ですか。申し訳ありませんが仕事中ですので」
「アンドリューさんから直接テレサさんの事件について調査して欲しいと依頼をされてまして」
「え? アンドリューが? あなたは?」
「ジークです」
「ああ! 聞いたことあるわ! 事件を解決された方ですよね? え、今はこの事件を調べているんですか」
「はい。警察も捜査はしていますがまだ目星はついていないようで」
「全く警察にはもっと頑張ってもらわなきゃ。世の中本当に物騒よね。切り裂きジャック事件が終わったと思ったら新たな事件が次から次へと起こるんですもの」
「ええ、本当に。全くその通りです。どうかしてますよ」
「それでここに来たってことはテレサについて知りたいのね?」
「はい、そうです。因みに名前を伺っても?」
「私はローリーよ」
「では、ローリーさんに訊きますがテレサはいつもこの時間帯のシフトに入っていましたか?」
「ええ、そうよ。学生は日中は勉強しなきゃいけないから」
「そうですね。では、ローリーさんも?」
「ええ、大学は違うけれど私とテレサは同じシフトよ」
「どうでしたか、彼女の働きは?」
「トラブルはなく私同様まぁまぁね」
「なる程。因みに彼女に何か悩みを抱えていた感じはありませんでしたか?」
「気になるとしたら、彼女が亡くなる前日にシフトが入っていたんだけど、彼女仕事休んじゃって。体調が優れないからって」
「彼女がドラッグを使用していたことはご存知でしたか?」
「いいえ! 知らなかったし私もやっていないわ!」
「因みになんですが、この職場でドラッグを使用している人はいたりしますか?」
「いたらクビよ。店主はそういったのを認めないから。安い給料のくせにうるさいの」
「そう言えばテレサさんはお金に困っていたことがあったそうですね。お金を借りることもあったとか」
「お金には確かに困っていたわね。彼女の家の事情を知ってるの。だから、大学をやめるかもって言っていたわ。とりあえず、就職先を決めって」
「お金でトラブルはどうでしたか?」
「さぁ、そこまでは知らないけど。因みに彼女は私にはお金を借りようとはしなかったわよ。まぁ、彼女は自分一人でなんとか解決しようとしちゃうんじゃないかしら? 私にはそう見えたけど。でも、あの子には彼氏がいるでしょ? 自分で本当にどうしようもなくなったら彼氏に助けを求めない?」
「彼氏には恐らく相談はしなかったと思いますよ」
「なら、言い出せなかったのね」
「あなたには言い出せたんですね」
「彼氏に言えないことも女同士なら言えることもあるでしょ?」
「そうですか?」
「男のあなたが分かることじゃないわ」
ジークは咳払いをした。
「では、質問を変えます。あのカップルを妬むような人物はいましたか?」
「今度は恋愛ね。いいえ、なかったわ。あったら直ぐ気づくわよ。もし、あの二人を引き裂きたい人物がいたとしたら、一人になって弱ったアンドリューの元に慰めに一番に近づいていった女がそれよ」
すると、遠くから男が「おい、ローリー! なにサボってやがる。給料減らされたいか」と怒鳴った。
「ごめん、もう行かなきゃ」
「呼び止めてしまいすみませんでした。私のせいであなたが叱られてしまった」
「いいのよ。しょっちゅうだから」
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