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7章 宝石箱
01 依頼
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朝食のパンと果物にヨーグルトを食べ、紅茶を飲みながら新聞を開き今日の朝刊を読んでいると、そこに背筋のいい細身の男性が現れた。
どうやら今日も依頼人が現れたようだ。
「申し訳ありません。お食事中とは知らず。ドアをノックしようとしたのですが返事がなかったもので勝手にあがらせてもらいました」
「今日は休みです。ですから、ノックに返事をしなかったんです」
「おや、そうでしたか。昨日も来たのですが。一昨日もです。出来れば話しだけでも聞いていただけませんか?」
「では、話しだけ」
「実は私はネイスミス様のお屋敷の執事をしておりますキャロウェイと申します。実はあなた様に依頼をお願いしたく参りました。あと3日後にそのお屋敷でパーティが行われるのですが、そこに特別な宝石が飾られる予定なんです。宝石商から買い取ったものがようやくその屋敷に届くのですが、とても珍しいく高価な為に厳重な警備が必要になるのですが、実は一週間前にお屋敷で窃盗がありまして。奥様の宝石がごっそり盗まれてしまったのです。ですので、警備に探偵のお力を借りたいのです」
「話しは分かりました。結論から申し上げると、依頼はお受け出来ません。それこそ探偵ではなく警備員を雇えばいいと思いますし、窃盗があったばかりなら尚更厳重な金庫に保管したほうがいいと思いますが」
「えぇ、勿論そう仰られるとは思いましたが、宝石というものは太陽のある照らされた場所にこそ輝くものでして、大事に金庫にしまっていては宝石は輝きません。宝石は見る人を魅了するとても不思議な効果を持った石です。それに、宝石は複数の出資者も集まった中でのお披露目となるのでそうもいかないのです」
「出資者がいるのですか? では、相当の額なんでしょう。むしろ、他の出資者は今回のお披露目に賛同しないのでは? 場所を変えるとか」
「考えました。しかし、8割はネイスミス様の出資なのです。そして、当然一番出した自分の邸宅でお披露目をしたいと申しております」
見栄だと思ったが、口には出さなかった。そういった金持ちはたまにいるのだ。
「何かあっても責任は取れません」
「勿論、警備も付けます。責任は彼らに負わせます。ただ、もっと安心出来る保険が欲しいのです。保証はありますが、お金は問題ではありません。再び宝石があの邸宅から盗まれることが問題なのです」
すると、部屋の外から「俺からもお願いする」と言ってから現れたのは警部だった。
「警察も警備につくのですか?」
「いや、つかん。警察はむしろお前さんと同様止める側でお披露目会は中止すべきだとネイスミスさんには言った。だが、一週間前にその邸宅で盗みに入った犯人は捕まえられるなら捕まえておきたい。分かっていると思うが、我々は事件が起きないと動けないんだ。予告状でも出ているなら別だが、今は人手も足りん状態だ。宝石を守る為だけに貴重な人員をさくわけにはいかんのだ」
「宝石は貴重ではないと?」と執事は言った。
「いや、そうじゃない。まぁ、とにかくだ。私は特別にそのお披露目会に参加することになった。勿論、警部としてでなく、単なる招待客としてな。休暇中に参加する」
「現れるかも分からない犯人の為にですか?」
「ネイスミスさんの邸宅だけじゃないんだ。色んなものがあちこちで窃盗が起きている。しかも、追いかけても途中でいきなり消えるんだ」
「まるで怪盗ですね」
「それとも、ジーク様は殺人事件でなければ引き受けてはくださらないんでしょうか?」と執事は訊いてきた。
まるで意地悪な質問だが、この執事も承知でやっているのだろう。
「分かりました、引き受けましょう。それと、招待客の名簿と簡単な説明書きを下さい」
たまには殺人から離れてみたいとは思っていたところだ。
「ありがとうございます。それでは、当日にお迎えに参ります」
執事はそう言って踵を返していった。
残っていた警部を見てジークは訊いた。
「まだ何か?」
「なんで休みなんかとっていたんだ?」
「ディーン・トランスはどうやら市長が黒幕だと勘違いをして市長を脅していたようですね」
「いきなり本題か。まぁ、いい。つまり、探偵を休業中は情報収集にあたっていたわけだな」
「もう一つ。ロバート・エルフマンと元大佐の行方がまだ分かっていませんが、恐らく外国にも拠点があるのではありませんか?」
「鋭いな。俺もそう思っていたところだ」
もし、そうだとしたらミステリーを進めていくと行ける国が増えていく理由も納得がいく。実際、パリで元大佐を初めて見たのだから。
だとしたら、次に進む為には外国に足を運ぶ必要がある。
前回の事件解決でまた新たに行けるようになった国もある。きっとそこに新たな手掛かりがあるかもしれない。
どうやら今日も依頼人が現れたようだ。
「申し訳ありません。お食事中とは知らず。ドアをノックしようとしたのですが返事がなかったもので勝手にあがらせてもらいました」
「今日は休みです。ですから、ノックに返事をしなかったんです」
「おや、そうでしたか。昨日も来たのですが。一昨日もです。出来れば話しだけでも聞いていただけませんか?」
「では、話しだけ」
「実は私はネイスミス様のお屋敷の執事をしておりますキャロウェイと申します。実はあなた様に依頼をお願いしたく参りました。あと3日後にそのお屋敷でパーティが行われるのですが、そこに特別な宝石が飾られる予定なんです。宝石商から買い取ったものがようやくその屋敷に届くのですが、とても珍しいく高価な為に厳重な警備が必要になるのですが、実は一週間前にお屋敷で窃盗がありまして。奥様の宝石がごっそり盗まれてしまったのです。ですので、警備に探偵のお力を借りたいのです」
「話しは分かりました。結論から申し上げると、依頼はお受け出来ません。それこそ探偵ではなく警備員を雇えばいいと思いますし、窃盗があったばかりなら尚更厳重な金庫に保管したほうがいいと思いますが」
「えぇ、勿論そう仰られるとは思いましたが、宝石というものは太陽のある照らされた場所にこそ輝くものでして、大事に金庫にしまっていては宝石は輝きません。宝石は見る人を魅了するとても不思議な効果を持った石です。それに、宝石は複数の出資者も集まった中でのお披露目となるのでそうもいかないのです」
「出資者がいるのですか? では、相当の額なんでしょう。むしろ、他の出資者は今回のお披露目に賛同しないのでは? 場所を変えるとか」
「考えました。しかし、8割はネイスミス様の出資なのです。そして、当然一番出した自分の邸宅でお披露目をしたいと申しております」
見栄だと思ったが、口には出さなかった。そういった金持ちはたまにいるのだ。
「何かあっても責任は取れません」
「勿論、警備も付けます。責任は彼らに負わせます。ただ、もっと安心出来る保険が欲しいのです。保証はありますが、お金は問題ではありません。再び宝石があの邸宅から盗まれることが問題なのです」
すると、部屋の外から「俺からもお願いする」と言ってから現れたのは警部だった。
「警察も警備につくのですか?」
「いや、つかん。警察はむしろお前さんと同様止める側でお披露目会は中止すべきだとネイスミスさんには言った。だが、一週間前にその邸宅で盗みに入った犯人は捕まえられるなら捕まえておきたい。分かっていると思うが、我々は事件が起きないと動けないんだ。予告状でも出ているなら別だが、今は人手も足りん状態だ。宝石を守る為だけに貴重な人員をさくわけにはいかんのだ」
「宝石は貴重ではないと?」と執事は言った。
「いや、そうじゃない。まぁ、とにかくだ。私は特別にそのお披露目会に参加することになった。勿論、警部としてでなく、単なる招待客としてな。休暇中に参加する」
「現れるかも分からない犯人の為にですか?」
「ネイスミスさんの邸宅だけじゃないんだ。色んなものがあちこちで窃盗が起きている。しかも、追いかけても途中でいきなり消えるんだ」
「まるで怪盗ですね」
「それとも、ジーク様は殺人事件でなければ引き受けてはくださらないんでしょうか?」と執事は訊いてきた。
まるで意地悪な質問だが、この執事も承知でやっているのだろう。
「分かりました、引き受けましょう。それと、招待客の名簿と簡単な説明書きを下さい」
たまには殺人から離れてみたいとは思っていたところだ。
「ありがとうございます。それでは、当日にお迎えに参ります」
執事はそう言って踵を返していった。
残っていた警部を見てジークは訊いた。
「まだ何か?」
「なんで休みなんかとっていたんだ?」
「ディーン・トランスはどうやら市長が黒幕だと勘違いをして市長を脅していたようですね」
「いきなり本題か。まぁ、いい。つまり、探偵を休業中は情報収集にあたっていたわけだな」
「もう一つ。ロバート・エルフマンと元大佐の行方がまだ分かっていませんが、恐らく外国にも拠点があるのではありませんか?」
「鋭いな。俺もそう思っていたところだ」
もし、そうだとしたらミステリーを進めていくと行ける国が増えていく理由も納得がいく。実際、パリで元大佐を初めて見たのだから。
だとしたら、次に進む為には外国に足を運ぶ必要がある。
前回の事件解決でまた新たに行けるようになった国もある。きっとそこに新たな手掛かりがあるかもしれない。
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