探偵主人公

アズ

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10章 悲劇の女神

06 登場人物の整理

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 ジークとマーニーは二人で警部のところへと向かった。
 しかし、現れたのはデイブ・リッター刑事だった。
「ホランド警部なら今はいませんよ」
「リッター刑事。ホランド警部は他の事件の捜査ですか?」
「ええ、そうです。今日はどうしましたか?」
 ジークはリッターに今調べている事件について話した。
「なる程、カラーの意味は色ではなく、首の固定するあれのことね……でも、それだと随分目立った犯人だね。外で凶器を持った犯人がいくら夜中の犯行だとは言え、流石にカラーを付けたまま実行するかな? 少し考えにくいと思うんだけど。もし、犯人が首を本当に痛めていたのならちょっとないかな」
「確かに言われてみたらそうね……」とマーニーも納得してしまった。
「今日の探偵は不調かな? まぁ、スランプは誰にだってあるよ。それじゃまた」
 リッター刑事はそう言って仕事に戻っていった。
「ジーク?」
 マーニーは黙っているジークを見た。
 ジークは悔しかった。確かに、リッター刑事の言うとおりで、考えれば直ぐに分かったことだ。不調だと言われてもおかしくはない。正直、今までが上手くいき過ぎて、急に壁にぶち当たったみたいだ。
 まるで、自分ではないみたいだ。
 こんな自分に嫌気がさす。
「ジーク! 自信持ちなよ。あなたはこれまで沢山の事件を解決してきたんだから。確かに、小説のようにいつも上手くいくわけじゃない。そういう時だってあるよ。もう一度考え直そ」
「ああ、そうだね」
 そもそもダイイングメッセージにこだわり過ぎたのか? あの血文字の血は被害者の血液で間違いないことは鑑識で判明している。犯人がわざわざ被害者の血で意味のないメッセージを書く暇があったら、被害者を確実に殺せただろう。なら、やはりあれは被害者が書いたものだ。
 なら、カラーって何の意味だ?
 すると、マーニーは裾をつまんで引っ張った。
「ねぇ、一人で考えないでさ、私も手伝うから」
「ああ、すまない。頼むよ」



 こうして、二人はもう一度事件を整理する為に書斎に戻り、登場人物からまとめに入った。
「まず、サーティースはジークの依頼主で今は刑務所。彼女は冤罪を訴えているけど、今のところそれは厳しい。彼女にはアリバイはなく、現場近くの寮にいた。気になるのはもしサーティースが犯人だったとして何故近場で襲ったのか? それと問題は被害者が犯人はサーティースだと言ったこと。次に被害者のラウンズベリーでお婆さん。もう既に亡くなっているけど、背中から襲われダイイングメッセージを残そうと咄嗟にカラーと血文字で残した。でも、その意味は不明のまま。今カラーと言ったらその意味は二つ。 ①色 ②ペンキ(これは私が言ったの) ③首を固定するカラーのこと。今のところこの三つね。で、そのうち②は息子が塗装で働いているから関係あるけど、ジークが前に言った通りペンキと何故そのまま残さなかったのかという疑問が残る。となると、カラーの意味が他にもあるということなのか? で、登場人物4人目(3人目は息子)はジークが今のところ疑っているルーカス・ノリントンという連続殺人犯。凶器が同じ刃渡りだからってことだけど、犯行手口は違う。本当にルーカス・ノリントンの仕業かはまだ証拠が不足しているし、ノリントンとダイイングメッセージのカラーとの関係も不明。やっぱり謎はラウンズベリーがサーティースが犯人だと言ったこと。勿論、サーティースが犯人でなかった場合だけどね。客観的に考えれば、一瞬であっても見覚えの顔だったら忘れないかもしれないわけじゃん? 可能性の話しだけど」
「そうだね」
「で、次はどうする?」
「まだ話しをしていない息子と会ってみようと思う」
「オーケー」
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