探偵主人公

アズ

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13章 見える

09 モラーヌ

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 刑事と話しを終えると、ジークはマニー達のところに向かった。
「何話していたの?」
「モラーヌが見たという光について、あの刑事は彼女が嘘をついていると考えているようです」
「さっきモラーヌと話していたのもその光についてよ。彼女は天使だったんじゃないかって言い出したわよ」
「天使?」
「知ってる? 天使は翼がなくて光の筋らしいよ」
「ああ、聞いたことがあるよ。確かに色んな天使があるが、それはどれも画家のイメージで描かれた絵画がそれを見る皆のイメージになったりする。まぁ、天使なんて想像でしょう」
 そう言ったところでジークは顎を擦った。そして考え事をした。
「どうしたの?」
「私は最初光の正体がなんなのか気になり、モラーヌの証言通り窓の外から見た光であると考えました。トムはその逆で内側からの光、あの刑事はモラーヌの嘘だと言いました。そして、モラーヌは天使だ言う」
「皆バラバラね。そもそも天使なんていると思う?」
「どうでしょう……」
 この世界では、ゴーストに死神、妖精まで現れたんだからあってもおかしくはないが。
「まぁ、私としてはあなたが最初に言ったランタンを吊るした棒を持ち上げたなんて説が一番ないと思うけどね」
「では、マーニーはどう考えるんですか?」
「それよりも、あなたは別の案を思いついたんじゃない?」
「火の玉のような明かりと彼女は言っていました」
「ええ、確かに」
「彼女は夜の風で目を覚まし窓を閉めようと一旦蝋燭に火をつけた。そして、窓の方へ向かうと蝋燭の火と同じものが窓の方にも見えたんです。しかし、それは彼女が持っている蝋燭の明かりが窓に映ったものではありません」
「分かったわ。陽性残像ね」
「そうです。彼女はとても彼を心配してました。まるで、自分のことのようにね。それ程に彼女は彼のことを愛していました。彼女の精神は正常とは言えないでしょう。故に彼女は陽性残像で見えた光を外に誰かいると勘違いした。過剰にね。それ程に彼女の精神は擦り減っていたのです。慌てて彼を起こそうとし、それから窓をもう一度見た時にはあの光は消えているわけです。しかし、そうなると一つ問題があります。その考えに至るには彼女は最初の殺人未遂であるシャンデリアが落ちたのは事故ではなく殺人だったと気づいたことになる。しかし、シャンデリアが落ちて直ぐには警察には通報しなかった。彼女は私にこう言いました。事故だと。彼女は事故だと思っていた。しかし、それだとこの考えは成立しない。陽性残像かは冷静になって考えれば気づくでしょう。ただ、厄介なのは彼女がものすごく思い込みが強いということです。もしかすると、一度そう思ったら考えを改めずずっとそう考えていたかもしれない。事故だと思ったらずっとそう考え、幽霊といったオカルトを信じ、この人だと思ったら一途に愛せたでしょう」
「あなたが言う彼女の愛が証明されたわね」
「シャンデリアの謎をなんとかせねばなりません。第2の殺人未遂は証明不要でしょう。誰にでも犯行の機会はあった」
「友人なら彼の家に来たことがあると言っていたし、シャンデリアがあることも知っていたでしょう」
「では、友人に会ってみましょう」
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