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13章 見える
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実のところ、この事件はかなり順調に捜査が進んでいた。ジークが依頼を受けてから然程日にちが経たない内に、ジュールダン警部(警部だと後で知った)は部下を引き連れパリ地下の調査を徹底的に行い、その結果、地下通路に新しい穴が発見された。強盗団が地下を利用していたというジークの推理が証明された瞬間だった。
しかし、警察はこれを公表せず張り込み、確実な証拠を得ようと罠を仕掛けた。
強欲な強盗犯達は目先の獲物で全く周りが見えておらず、まんまとジュールダン警部の罠に引っ掛かった。が、数人がその罠から逃げ出し、警察はそれを追いかけるかたちとなった。
パリの外は厳重な検閲を行い、まるでパリ全体が強盗団にとって鳥の籠状態となった。
勿論、問題も発生した。パリを行き交う人々の足まで止められてしまうからだ。
市民の不満は警察に向けられた。
ジュールダン警部としてはなんとしても早期に残りの犯人逮捕を完遂する必要があった。
因みに、強盗犯の正体はやはりアメリカ人だった。それも、リュー・メレディスの友人達である。これは、ジュールダン警部の読みどおりだったわけだ。
逮捕された仲間に徹底的に尋問を行い自白をさせ、これまでの犯行を認めるもリュー・メレディスの殺害は否認した。
そう、彼らにとっては殺人まで罪を被ればそれは長い刑期になるからだ。それに、リュー・メレディスを彼らが殺害したという証拠はない。彼らは最後までずる賢かった。それに、仲間達の行方は彼らにも分からない。
恐らく、彼らが例え知っていて自白をしたとしても、逃亡中の彼らがそれを予期してその場所を避けることは予想できる。
ジュールダンにとって苛立ちは頂点に達していた。ここまでやってあと少しというところで最後の最後で上手くいかないこの苛立ちは、火山の噴火一歩手前といったところか。爆発すれば、ジュールダンは発狂しおかしくなっているだろう。
しかし、リュー・メレディスを彼らが殺害に至った動機は彼の引き出しにあった手紙のやり取りから分かる。
彼はいずれアメリカに戻る予定で、パリでひと仕事終えればアメリカに帰れると話していた。それは、彼の親の証言であるが、引き出しに入っていた親からの手紙にはいつアメリカに戻るのか? という内容だった。リュー・メレディスはアメリカに戻ってそこで結婚式を行い、そのままアメリカに住もうと考えていた。
恐らく、彼の心を突き動かしたのは間違いなくモラーヌだろう。
これは推測ではあるが、彼はアメリカで上手くいっていなかった。そこで、悪友達と窃盗を行うことを考えた。そこにパリの大都市開発によって地下通路の存在を知った彼らはそれを巧みに利用することを策略する。窃盗は上手くいき、彼らは大金を得た。リュー・メレディスが金を持っていたのはそれが理由だ。強欲な彼らは捕まらないことをいいことに窃盗を繰り返していった。一方、パリで活動する以上、問題が発生していた。言語の壁である。そこで、リュー・メレディスはフランス語を勉強する為にモラーヌと出会う。モラーヌと彼の関係は先生と生徒からより深いものへとなり、遂にはそれは結ばれようとしていた。しかし、リュー・メレディスは自分の裏の顔を彼女に知られるわけにはいかなかった。しかし、いずれ彼女に知られるかもしれない。そういった危機な何度も訪れた。彼女が仕事部屋に入ろうとしたのも、図面を見られたのも、彼からしてみればこれ以上の隠し事は厳しいもので、特に結ばれるとなればよりいっそう問題を早期に解決する必要があった。彼は直ぐにでも彼女と結ばれたいという気持ちをおさえ、結婚式の費用や当面の生活費を稼いだ後はアメリカに移ることを考えた。しかし、それを知った仲間は激怒したに違いない。それが仲間割れの発端だろう。最初は警告のつもりだった。友人達は彼の家の見取りを把握している。そこから誰にも気づかれないように忍び込むことは彼らにとって簡単なことだ。それが生業なのだから。そうやって彼らは侵入しシャンデリアを落とした。ギリギリを狙って。そして、彼にだけそのメッセージを伝えた。直ぐに読み取った彼はもう一度彼らと出会い話し合おうとしたが、仲間は受け入れずもう一度考え直し俺達とやっていくかどうか問い詰める。彼は従うしかなかった。仕事を終え戻ってきたのが、モラーヌが夜中に目を覚ましたた日だ。
さて、ここで私はモラーヌとの約束を破る。
それは第3の事件、つまりリュー・メレディスが殺害された時刻、モラーヌは不在だったわけだが、それは当然犯人はモラーヌの不在を狙ったわけだが、彼女の行動は直ぐに判明した。
というのも、モラーヌが夜中に目覚めたあの夜にパリで窃盗があったことを知っていたからだ。そして、モラーヌはそれが彼の仕業ではないのかという疑いがあった。そこで、第3の事件が起きた当日、彼女は被害のあった宝石店へ様子を見に行ったのだ。そこで何か情報が得られるかもしれないとね。
そうだと分かったのは、私が数日後に彼女に内緒で被害のあった店、その周辺の聞き込みを行ったら、彼女をその日に見たという証言がとれたからだ。
つまり、これで彼女の秘密にしていた足取りが分かったことになる。そして、同時に何故秘密にしなければならなかったのかということを。しかし、彼女は事実を知っても彼の前では知らないふりをした。それは決して金目当てだからというわけではない。ジュールダン警部はそう考えているようだが、私の考えでは彼女の強い愛から察するに、彼の仮面の下をもし暴けば、この二人の関係は終わっていただろう。それを単純に彼女は望んでいなかったからではないのか。そう考えれば辻褄が合う。
しかし、結果は二人は結ばれることはなかった。二人の愛を邪魔した者がいる。そして、死神はリュー・メレディスを奪ったのだ。
そして、犯人達はリュー・メレディスを殺害し、証拠になるものを書斎から盗みをした。ついでに金目のものも盗んだのかもしれない。
こうして、この事件の一連は説明出来る。
ここまで考えたところで、ジークは自分の書斎にいたわけだが、その書斎にある電話機が鳴った。
ジークは受話器を取った。
「もしもし」
「ジークさん……」
「モラーヌさん? どうかされましたか?」
「助けて下さい……連中が今家に来ています」
「まさか!? そこの電話番号を教えて下さい。直ぐに向かいます」
モラーヌは言われた通り電話番号を伝えた。
ジークは直ぐにその番号の場所へ電話機を使いテレポートした。
しかし、警察はこれを公表せず張り込み、確実な証拠を得ようと罠を仕掛けた。
強欲な強盗犯達は目先の獲物で全く周りが見えておらず、まんまとジュールダン警部の罠に引っ掛かった。が、数人がその罠から逃げ出し、警察はそれを追いかけるかたちとなった。
パリの外は厳重な検閲を行い、まるでパリ全体が強盗団にとって鳥の籠状態となった。
勿論、問題も発生した。パリを行き交う人々の足まで止められてしまうからだ。
市民の不満は警察に向けられた。
ジュールダン警部としてはなんとしても早期に残りの犯人逮捕を完遂する必要があった。
因みに、強盗犯の正体はやはりアメリカ人だった。それも、リュー・メレディスの友人達である。これは、ジュールダン警部の読みどおりだったわけだ。
逮捕された仲間に徹底的に尋問を行い自白をさせ、これまでの犯行を認めるもリュー・メレディスの殺害は否認した。
そう、彼らにとっては殺人まで罪を被ればそれは長い刑期になるからだ。それに、リュー・メレディスを彼らが殺害したという証拠はない。彼らは最後までずる賢かった。それに、仲間達の行方は彼らにも分からない。
恐らく、彼らが例え知っていて自白をしたとしても、逃亡中の彼らがそれを予期してその場所を避けることは予想できる。
ジュールダンにとって苛立ちは頂点に達していた。ここまでやってあと少しというところで最後の最後で上手くいかないこの苛立ちは、火山の噴火一歩手前といったところか。爆発すれば、ジュールダンは発狂しおかしくなっているだろう。
しかし、リュー・メレディスを彼らが殺害に至った動機は彼の引き出しにあった手紙のやり取りから分かる。
彼はいずれアメリカに戻る予定で、パリでひと仕事終えればアメリカに帰れると話していた。それは、彼の親の証言であるが、引き出しに入っていた親からの手紙にはいつアメリカに戻るのか? という内容だった。リュー・メレディスはアメリカに戻ってそこで結婚式を行い、そのままアメリカに住もうと考えていた。
恐らく、彼の心を突き動かしたのは間違いなくモラーヌだろう。
これは推測ではあるが、彼はアメリカで上手くいっていなかった。そこで、悪友達と窃盗を行うことを考えた。そこにパリの大都市開発によって地下通路の存在を知った彼らはそれを巧みに利用することを策略する。窃盗は上手くいき、彼らは大金を得た。リュー・メレディスが金を持っていたのはそれが理由だ。強欲な彼らは捕まらないことをいいことに窃盗を繰り返していった。一方、パリで活動する以上、問題が発生していた。言語の壁である。そこで、リュー・メレディスはフランス語を勉強する為にモラーヌと出会う。モラーヌと彼の関係は先生と生徒からより深いものへとなり、遂にはそれは結ばれようとしていた。しかし、リュー・メレディスは自分の裏の顔を彼女に知られるわけにはいかなかった。しかし、いずれ彼女に知られるかもしれない。そういった危機な何度も訪れた。彼女が仕事部屋に入ろうとしたのも、図面を見られたのも、彼からしてみればこれ以上の隠し事は厳しいもので、特に結ばれるとなればよりいっそう問題を早期に解決する必要があった。彼は直ぐにでも彼女と結ばれたいという気持ちをおさえ、結婚式の費用や当面の生活費を稼いだ後はアメリカに移ることを考えた。しかし、それを知った仲間は激怒したに違いない。それが仲間割れの発端だろう。最初は警告のつもりだった。友人達は彼の家の見取りを把握している。そこから誰にも気づかれないように忍び込むことは彼らにとって簡単なことだ。それが生業なのだから。そうやって彼らは侵入しシャンデリアを落とした。ギリギリを狙って。そして、彼にだけそのメッセージを伝えた。直ぐに読み取った彼はもう一度彼らと出会い話し合おうとしたが、仲間は受け入れずもう一度考え直し俺達とやっていくかどうか問い詰める。彼は従うしかなかった。仕事を終え戻ってきたのが、モラーヌが夜中に目を覚ましたた日だ。
さて、ここで私はモラーヌとの約束を破る。
それは第3の事件、つまりリュー・メレディスが殺害された時刻、モラーヌは不在だったわけだが、それは当然犯人はモラーヌの不在を狙ったわけだが、彼女の行動は直ぐに判明した。
というのも、モラーヌが夜中に目覚めたあの夜にパリで窃盗があったことを知っていたからだ。そして、モラーヌはそれが彼の仕業ではないのかという疑いがあった。そこで、第3の事件が起きた当日、彼女は被害のあった宝石店へ様子を見に行ったのだ。そこで何か情報が得られるかもしれないとね。
そうだと分かったのは、私が数日後に彼女に内緒で被害のあった店、その周辺の聞き込みを行ったら、彼女をその日に見たという証言がとれたからだ。
つまり、これで彼女の秘密にしていた足取りが分かったことになる。そして、同時に何故秘密にしなければならなかったのかということを。しかし、彼女は事実を知っても彼の前では知らないふりをした。それは決して金目当てだからというわけではない。ジュールダン警部はそう考えているようだが、私の考えでは彼女の強い愛から察するに、彼の仮面の下をもし暴けば、この二人の関係は終わっていただろう。それを単純に彼女は望んでいなかったからではないのか。そう考えれば辻褄が合う。
しかし、結果は二人は結ばれることはなかった。二人の愛を邪魔した者がいる。そして、死神はリュー・メレディスを奪ったのだ。
そして、犯人達はリュー・メレディスを殺害し、証拠になるものを書斎から盗みをした。ついでに金目のものも盗んだのかもしれない。
こうして、この事件の一連は説明出来る。
ここまで考えたところで、ジークは自分の書斎にいたわけだが、その書斎にある電話機が鳴った。
ジークは受話器を取った。
「もしもし」
「ジークさん……」
「モラーヌさん? どうかされましたか?」
「助けて下さい……連中が今家に来ています」
「まさか!? そこの電話番号を教えて下さい。直ぐに向かいます」
モラーヌは言われた通り電話番号を伝えた。
ジークは直ぐにその番号の場所へ電話機を使いテレポートした。
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