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1   カーソン

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「ようこそ、我が家へ」

 はっきり言って、薬師だなんて信じられない。
 騎士だとか、傭兵だとか、冒険者あたりだったら納得いくのに。

「よく言われる」

 聞いてみたら笑いながら答えてくれた。
 ギルドに冒険者として登録してあって必要な薬草は自分でとりに行くことも多いんだとか。
 獣を狩って肉を食べる、とも。
 なるほど。

「もっと、怪しい薬品棚とか草とか吊るしてあるかと思った」
「そういう仕事部屋はあっちにあるが、一人で入らないでほしい」
「危ないのもあるの?」
  
 毒薬とか、劇薬とか。

「あぁ、今は依頼品を生成中でね。間違って触れたら危険だから」
「わかった、カーソン。ドアも開けない。念のためどの部屋かだけ教えてね」
「ありがとう、スズ」

 にっこりと笑う顔は親しみやすい。
 うん、これならうまくやっていけそう。
 さすが女神様。

 ただちょっと、窓から見た景色が鬱蒼としていて、ちょっと薄暗いところが薬師の住む沼地らしく見える。
 ちょっと一人で外には出たくない。
 変な虫いそうだし怖いな。

「お腹空いてる?」

 昼の十二時を少し回ったところ、と聞いたらお腹空いてきた。

「…………どんなもの食べてるの?」
「……薬師だからって変なもの混ぜ込んだりしない。結構、大きい食料庫があるんだ。……来て」

 干し肉、卵、ジャガイモなどの根菜。
 パスタなどの乾物、小麦粉、米!
 果物のジャムにピクルスっぽいものまである。

「よかった~!」
「朝焼いたパンがあるからオムレツにでもしようか?」

 
 料理上手なカーソンのおかげで楽しく食事して家を案内される。
 
「この部屋が仕事部屋。しばらく入り口にこの、皮紐を結んでおくから開けないよう気をつけて」
「ありがとう」

 ちゃんと浴槽のついたお風呂もあって、幸先がいい。
 薪で水を温めるらしいけれど。

「このままずっとここにいてもいいんだけどな」

 思わず漏らした私の言葉にカーソンが笑う。

「……じゃあ、ずっとそう思ってもらえるようにがんばるよ」

 片方だけががんばるなんてうまくいくわけない。
 私の十代の恋は当時の彼好みに合わせて、それから尽くして尽くして……私は疲れて彼もそんな私に飽きた。
 だからお互いほどほどに努力していかないと。
 
「……私にしてほしいことある?」
「一緒にいる時は俺のことだけみて、考えてほしい」
「それだけ?」
「あぁ」
「わかった。今後何か思いついたら、言ってね。私もそうするから」

 私の差し出した手を彼が握る。
 大きくてごつごつしていて硬い手に、ドキドキした。
そのままぐっと引っ張られて彼の腕の中におさまる。
 筋骨隆々な身体に抱きしめられて私の心拍数があがった。
 あ、いいかも。
 すごく守られてる感じがする。

「スズ……俺のただ一人の大切な奥さん……」

 あれ? もう奥さんなの?
 そう思いながら落ちてくる唇を受け止める。
 会ったばかりなのに。
 思いの外柔らかいな、なんて思って。

「愛おしい……もう一度」

 そう言われて目を閉じる。
 遠慮がちに私の唇を啄むから、思わず舌を伸ばした。

「スズ……」

 がぶりと唇を貪られて、縦抱きに抱えられ、まだ案内されていない部屋へ通される。

 変なスイッチ押しちゃったみたい。

「夜まで待とうと思ったけど、スズを愛させてくれ」
「っ、でも……っ、あのっ……」
「一日しかいられないんだから……」

 そう言われて私は諦める。
 どっちにしろ避けては通れない。
 あ、でも久しぶり過ぎて恥ずかしい。

「……カーソン、私、経験が……」
「初めてなのか? 優しくする」
「え、あ、んんっ……ちが、……ちょ、……」

 誤解を解きたいのに、話させてくれない。
 喉の奥まで探る勢いで舌を突っ込まれ、服を脱がされる。
 ごつごつした手で胸を包まれ、くりくりと先端をこねながら腰を押しつけてきた。
 ずいぶんと存在感のあるものをお持ちらしく。
 
 あ、これ、もしかしたら初めてと変わらないかも。

「ああ、今すぐ奪ってしまいたい」
「カーソン、待って……!」

 ベッドに押し倒され、カーソンが乗り上げてくる。

「任せておけ」

 ベッドサイドから何やら怪しい小瓶を取り出し、がばりと私の脚を大きく開いて太ももの間におさまる。
 
 いや、ちょっと、待って。
 え? 何持ってるの、それ?
 エロゲーやエロ小説で出てくる媚薬的なやつ?

「ああ。心配することはない。痛くないようにするだけだ」

 ばしゃばしゃと私の脚の間に振りかけて塗りたくる。
 ついでとばかりにくにくにと陰核を撫でられてびくんと身体が跳ねた。

「ふぁぁっっ……」
「かわいい声だ……中にも塗り込もう」

 スースーするものを塗られて私はどうすることもできない。
 カーソンの指が中にも塗り広げようと、追加で薬をぶっかけながら、ぐちょぐちょと音を立てて塗り込んでいく。
 
 気持ちいい。
 こんなの、……絶対媚薬だわ。

「そろそろ大丈夫そうだな」

 カーソンが私の脚を肩にかけ、長大な剛直で蜜口を突き始めた。
 サイズ感が合わない‼︎

「そんなの、無理!」
「大丈夫だ……優しくする」

 怯えていると思ったのか甘い口づけを受ける。
 柔らかく蕩けた私の中をぬぽぬぽと音を立てながら抽挿されて、擦られるところ全てが気持ちいい。

「あぁあーーっっ、いいっ……全部、ちょうだいっ」
「スズ……いいのか……?」
「うん、……んっ、気持ちいいからぁ、カーソンの、全部……おねがいっ」

 さすが、女神様が選んだ方だ、相性がいいんだなとカーソンが呟いたけど、媚薬でしょ?

 私の腰を押さえて上からずんっと一気に突き込んだ。

「ああぁぁーーっっ‼︎」
「……っ!……」
「すごぃ、きもち、いぃ……カーソン、好き……」
「俺も好きだ!」

 本当だったら痛いと感じるくらいなのに、わけがわからないくらい気持ちいい。
 さすが媚薬だ。
 じゅぷじゅぷと大きな音を立てて強く揺さぶられて、私たちは果てた。



「……くすり、すごいのね」
「俺はそれなりに名のある薬師なんだ」

 得意そうに言う姿がかわいくみえる。

「そう……これからもよろしくね、カーソン」
「あぁ。俺もスズと出会えてよかった。……念のため傷ついてないか見てもいいか?」
「それは……恥ずかしい……」
「……しかし傷薬の効果を確かめたいんだ」

 キズグスリ……?

「え、だって、あれ、……媚薬じゃないの?」
「……そんなもの、初めてで使うかよ」

 むすっとした顔で言った後、真っ赤になった私ににやり笑った。

「今度スズ用に作ってみようかな」

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