獅子の末裔

卯花月影

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13.播磨の月

13-4. 槙たつ山の秋の夕ぐれ

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 播磨で激しい戦闘が繰り広げられている最中、熊野浦沖に九鬼嘉隆率いる織田水軍がその威容を現した。水軍の目的は、大坂湾で本願寺の兵站を遮断することだ。これに対抗すべく、紀州の雑賀衆が素早く船を出し、大船を沈めようと応戦してきた。
 だが、いくら火矢を放っても、その大船はびくともせず、織田家の水軍は全く怯む気配を見せなかったという。

「なんでも、火矢をも跳ね返す鉄でできた大きな船だとか」
 町の噂を耳にした町野左近が、興奮を抑えきれずに語る。その驚きは、誰もが感じていた疑問と同じだった。
「鉄でできた船?」
 聞いた者すべてが驚いた。鉄の船が水に浮くとは誰も想像ができない。海の向側に目撃されたこの異様な光景が、どれほどの衝撃を与えたかは、町中に広がるざわめきが物語っている。

 織田水軍の船団は、雑賀の海賊衆を制圧し、そのまま大坂湾に進撃。兵糧補給のために堺湊に寄港し、着々と戦の準備を整えていた。鉄甲船の登場は、戦局を一変させる予感を漂わせ、これからの戦いの行方に大きな影響を与えることは明白だった。
 
 忠三郎も町野左近とともに大船を見るため、堺湊へと向かった。湊は未曽有の大船をひと目見ようと見物人が大勢押しかけ、祭りのような騒ぎになっている。
「我らも船に乗せてもらえないものでしょうか」
 町野左近が興味津々にそう言うと、傍にいた滝川助太郎が、待っていたかのように微笑んで声をかけてきた。

「あちらには我が滝川の大船がござります。船の中には若殿をはじめ、我が家の者が大勢おるはず。合図を送ってみましょう」
 助太郎が気を利かせてくれたおかげで船に乗ることができそうだ。
 忠三郎と町野左近は期待に胸を膨らませる。思わぬ幸運に、二人は顔を見合わせ、胸が高鳴るのを感じた。助太郎が手早く合図を送り、しばらくすると、滝川家の小船が近づいてくるのが見えた。

「これは、ありがたい。助太郎殿の機転に感謝申し上げる」
 町野左近が感謝を述べると、助太郎は笑顔で頷いた。助太郎のおかげで、憧れの大船に乗る機会を得ることになり、織田家の水軍の威容を実感できる瞬間が近づいてきた。

 湊の喧騒の中で、古今東西、見たことも聞いたこともない鉄の船は、まさに戦乱の時代に生きる者たちの息吹を象徴していた。

「あの雑賀を打ち破る日が来るとは…」
 忠三郎は驚嘆の声を漏らしながら、小船に乗り込み、目の前にそびえ立つ大船へと近づいていった。近づけば近づくほど、その圧倒的な大きさに思わず目を見張る。これまで見たことのない巨大な船体が水面に堂々と浮かび、心に強烈な印象を残した。

 大船の側面には無数の大鉄砲が取り付けられており、戦場での圧倒的な火力が感じられる。鉄でできた船はまさに水上を移動する城だ。ただの木造船とは一線を画している。これこそが、雑賀衆の精鋭すらも打ち破る力の源なのだろう。

 さらに、船には煌びやかな幟や旗指物が無数に飾られ、風になびくその姿は、見る者の心を躍らせた。織田家の威光が、海上でも輝きを放っているようで、忠三郎の胸は高鳴る。戦乱の世の覇者がここにいるという現実が、目の前に広がっている。
「この大船こそ、我らを天下布武へと導くもの…」
 忠三郎は興奮冷めやらぬ様子で大船に乗り込んだ。足を踏み入れると、その巨大な甲板の広さに圧倒され、胸の高鳴りを抑えることができなかった。

 出迎えに出てきたのは三九郎だった。
「三九郎。このために大湊に行っておったのか」
 目の前に立つ三九郎は、真っ黒に日焼けし、すっかり様変わりしている。その肌に刻まれた陽光と風の跡は、この大船と共に戦い抜いた証であり、織田水軍の勝利に貢献した男の誇りを物語っていた。
 だが、三九郎自身はその勝利に浮かれる様子など微塵も見せず、いつもと変わらぬやや緊張した面持ちのままだ。
「如何した。大勝利を収めたのじゃ。もう少し嬉しそうにしては如何か」
 忠三郎は三九郎の肩を軽く叩いた。三九郎は小さく笑って、何事もなかったかのように応じる。

「敵の海賊衆を打ち負かし、ついに織田家も無敵の水軍を手にした。これで海でも天下を治めたというわけではないか。毛利水軍を打ち負かし、本願寺を抑えた後は、瀬戸内海に討って出るのか?」
 忠三郎は満面の笑顔でそう尋ねた。戦の興奮に乗じ、未来への期待に心を膨らませる姿は、まさに若き武士の象徴だった。
 だが、三九郎はその熱気とは対照的に、幾分戸惑い気味に首を横に振った。

「瀬戸内海など、途方もないこと。実のところ、この船は本願寺を海上封鎖するためだけに作られたもの。いうなれば、海上の付城のようなものじゃ。此度は勝利したものの、操舵にはまだ改良の余地がある。自在に操るには、もう少し工夫が要る」
 三九郎は相変わらず、生真面目で慎重な姿勢を崩さない。ここは手放しで喜んでもいい場面のはずだが、その冷静な態度は、勝利の陰に潜む課題を見据えているかのようだ。
「おぬしはいつもながら慎重じゃのう」
 忠三郎は苦笑しながら、三九郎の慎重さに改めて感心する。周りの者はみな、初勝利に酔い、心を躍らせているというのに、三九郎は一人、冷静に状況を分析している。
「案ずることはない。此度の大船のことも、海上封鎖もすべては上様と義兄上の計略の内」
 忠三郎は明るく笑いながらそう言った。その笑顔は、どこか確信に満ちており、信長と一益に対する絶対的な信頼がにじみ出ていた。

 しかし、その忠三郎の笑顔を見る三九郎の胸中は複雑だ。
(忠三郎。おぬしは己の頭で物を考えることがあるのか…?)
 三九郎は心の中でそう呟きながら、忠三郎をじっと見つめた。はたで見ている限り、忠三郎は何につけても信長や一益の言うことを絶対と考え、疑うことなど微塵もないかのように見える。忠三郎にとって、信長や一益の決断は常に正しく、揺るぎないものだ。
(されど、戦さというものは、常に変わりゆくもの。上様や父上ですら、見誤ることとてあろう)

 三九郎は忠三郎になんと言葉をかけようか迷ったが、その無邪気な笑顔を見ると、何も言えなくなった。忠三郎の心は良くも悪くも純粋で、その信頼が忠三郎を支えている。とはいえ、戦乱の世では、冷静さと疑念が時に命を救うこともある。忠三郎の純粋さは、脆さでもある。

「然様…。上様と父上が考えたことであれば、大事なかろう」
 三九郎は、そう言いながらも、心の奥にわずかな不安を残す。
(この先も、上様の冷酷で強引なやり方に、少なからず反発する者が出てくる…)
 それがいつ、誰なのかは分からない。しかし、戦乱の中で織田家の急速な進出が各地に広がれば、どこかで大きな軋轢が生じるだろうという漠然とした予感が三九郎を捉えていた。
 世の中が急速に変わるとき、常にその変化に適応できない者がでる。そんな者たちが、やがて取り残され、反発する可能性がある。

(上様の冷徹なやり方が、皆に受け入れられるわけではない。誰かが必ず不満を抱え、取りこぼれる者が現れるはずだ)
 信長は己のやり方についていけない者に対して、一切の情けを見せない。そこに手を差し伸べるのではなく、断罪し、容赦なく切り捨てる。その冷徹さが、織田家の勢力拡大を支えているのは確かだが、同時にその強引さは深い亀裂を生み出している。

(あのような強引なやり方が、却って織田家を揺るがすことに繋がるのではないか)
 信長の厳格な手法がすべての者に通じるわけではない。播磨の国人たちを見れば、その結果は明らかだ。彼らは織田家に従うことを拒み、ついに叛旗を翻した。有無を言わさぬ強硬な態度は、短期的には有効かもしれないが、長期的には必ず反発を生む。

 信長のやり方に不満を抱く者たちが、やがて次々と表面化し、さらなる混乱を招く可能性は十分にある。無慈悲な切り捨ては、恐れを生むと同時に、内にくすぶる反感をも育てる。播磨の国人たちが織田家に反旗を翻したのは、その反発が一つの形として現れたにすぎない。
(忠三郎、おぬしは何も案じてはおらぬようだが…)

 三九郎は心の中でそう呟きながら、忠三郎の無邪気な表情に目をやった。
 忠三郎の目に映る未来は、輝かしい勝利と安泰の道であり、危険や不安はまるで感じられないようだ。
(上様が反感を抑え込む力を持っていても、いつかその力が破綻を招くかもしれない。)

 信長の覇道に疑問を抱かず、その強さを信じて疑わない忠三郎の姿が、かえって三九郎には危うく見えた。非情なやり方に従い、ただ勝利を追い求めるだけでは、いつか大きな歪みが生まれるだろう。
 三九郎は、ただひたすらに突き進む織田家の未来に、不安の影を見ていた。

 九月になった。秋の気配が漂う都、二条御新造の庭には、色づき始めた木々が静かに秋を告げている。戦場が播磨、丹波へと広がる中、忠三郎と矢部善七郎はようやく戦場の喧騒を離れ、この風雅な館で秋を迎えた。
 二条御新造の庭は、自然の美が絶妙な調和を見せ、華やかさと静寂が共存する場所だ。葉がほんのりと赤や黄に染まり始め、風がそっと揺らすたびに季節の移ろいを感じる。

 安土の荘厳な城郭もまた壮大だが、ここ二条御新造にはそれとは異なる優雅さがある。その風情は、ただ物語るだけでは足りない、静かな美がそこに息づいている。庭を彩る木々は、古都の歴史と共に、忠三郎の豊かな感性に訴えかけ、時の流れを緩やかに感じさせる。まるで四季の移り変わりが館そのものに刻まれたように、都の秋の詩のように流れていく。

 その夜、都の静けさが妙にこころに響いた。戦場から解放され、穏やかな夜に包まれたというのに、心のどこかが落ち着かない。それはただの疲労や不安ではない。

 寂しさはその色としもなかりけり 槙たつ山の秋の夕ぐれ

(新古今 四巻三六一)

 色づくことない杉やヒノキであっても、秋の夕暮れには人の心に訴えるものがある。そこにある静寂が無言のうちに寂しさを伝えてくる。戦場の喧騒とは対照的なこの静寂が、いっそう胸を締めつける。
(義兄上も、上様も、わしの年の頃には既に戦場で名を馳せていた。だが、わしは――)
 一益にはああ言われたが、戦場に出て他の者のように手柄を立てられないことに焦りを感じる。自分もまた戦場で栄光を手にしたいと願ってやまないが、その機会が未だに訪れないことへのもどかしさが、心を乱す。戦場での手柄が立てられず、ただ都に残る。あの秋の山の寂しさが、自分自身の未熟さと重なるように感じられ、胸に深く刺さる。

(それに比べて三九郎は…)
 忠三郎は、ふと三九郎の姿を思い浮かべた。あの時、大船の指揮を執る三九郎の姿は誰の目にも眩しく映った。煌びやかな鎧を身にまとい、船上においても堂々とした立ち振る舞いで、その存在は輝く灯火のようだった。見る者を圧倒し、その姿は自信と威厳に満ちていた。
 堺の湊に集まった見物人たちは、一様に三九郎を見上げ、その若き将の風格を称賛した。人々の目は希望に満ち、織田家の未来をその若者に重ねていた。

 忠三郎はその光景を思い返しながら、自らの胸に広がる焦燥を隠しきれなかった。自分がこうしているうちも、三九郎は脚光を浴びている。あの見物人たちの眼差しに映る三九郎の姿は、すでに完成された将であり、若き勇者そのものだった。

 翌朝、矢部善七郎がバタバタと慌ただしく堺行きの準備をはじめた。
「上様が大船を検分したいと仰せになっておる。我らは先に堺へ行き、上様をお迎えする手筈を整えねばなりますまい」
 信長が、噂の鉄甲船をその目で確かめるために堺まで出向くという。近侍を連れての検分は、信長自身がこの新たな水軍の力にどれほどの関心を寄せているかを物語っている。
「それはまことに誉れ高いこと。九鬼殿も、滝川三九郎も喜びましょう」
 とはいうもの、その胸中は複雑だ。
 信長自らが堺に足を運ぶことは、関わる全ての者にとって栄誉であり、三九郎にとってもまた大いなる光栄であることは間違いない。だが、忠三郎には手放しでそれを喜ぶことができない。
 
 堺や京の町では、織田水軍が雑賀衆を打ち破ったという話題で持ちきりだ。
 そして、鉄甲船の噂もその一環であり、信長もまたその噂を耳にして興味を抱いたのだろう。信長の意向に従い、支度を整えるべきことは理解しているが、その反面、忠三郎は自らがまだ何も成し得ていない現実に苛まれていた。
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