獅子の末裔

卯花月影

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19.天下騒乱

19-2. 信長の影

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 信長の妻子を迎え入れたその日、日野中野城はまさに蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。

 普段は落ち着いた城の中も、伝令や家臣が慌ただしく行き交い、緊迫した空気が張り詰めている。
 忠三郎は、安土での出来事を思い返しながら、家臣たちに下知をくだしていたが、その背後では、城下の様子が次第に騒然としていくのを感じ取っていた。

 城下には「明智の大軍がこちらへ押し寄せる」との噂が広がり、恐れをなした町民たちが家財を抱え、我先にと道を駆け出している。混乱の渦中、泣き叫ぶ子どもや、年老いた親を背負う者、行く先を定めぬまま、ただ逃げ惑う者たちの姿が絶え間なく続いていた。

(佐助…。これで本当によかったのか)
 忠三郎は、混乱する町の様子を遠目に眺め、胸の奥に重くのしかかるものを感じていた。信長の妻子を守り抜くため、家中を一つにまとめ、ここを最後の砦とする覚悟を固めつつも、そのために領民が背負うことになる苦難を思うと、ただただ痛みが募る。

(この日野を戦場とする日が来ようとは)
 忠三郎は、かつての出来事を鮮明に思い出していた。信長が上洛した際の騒乱――あのとき、日野は今と同じように、戦乱の危機にさらされていた。城下は今と同じように混乱し、人々が不安に怯えていた光景は、家臣たちから何度となく聞かされていた。

 そのとき、祖父・快幹と父・賢秀は、忠三郎を信長への人質として差し出し、織田家への恭順を示すことで戦火を避けた。
(今度はわしの番か)
 祖父はもういない。日野を守る重責は忠三郎と父賢秀にのしかかっている。
 長く守り受け継がれてきたこの地、そして人々の暮らしを、自分の手で守り抜かなくてはならない。

「若殿。南勢へ遣わした使者が戻って参りました」
 近侍の声が、微かな緊張を帯びて耳に届く。

 この日野の地を守り抜くには、蒲生勢の力のみでは到底足りない。かといって、今は一益が留守のため、北勢からの援護は望めない。近隣には伊賀があるが、平定されて間もない伊賀では一揆の噂が飛び交い、不穏な空気が流れている。
 その隣には筒井順慶の治める大和がある。しかし筒井順慶は明智光秀の縁戚であり、明智方に組するのではないかという噂が流れていた。
 このため、忠三郎は南勢を領する北畠信雄に、援軍を頼んだ。

 忠三郎は広間に入ると、早速、使者の元へと歩み寄った。
「援軍は、いつごろになると言うておられた?」
 使者は苦渋の面持ちで顔を上げ、言葉を選ぶように慎重に口を開いた。

「それが…即時の援軍は難しいとのことにござります。して、まずは当家から人質を出すように、とそのように仰せで…」
 忠三郎の胸に、無言の怒りと切なさが同時に湧き上がった。信長の妻子がここ日野に保護されているにもかかわらず、未だに疑念の目で見られているとは。
「人質を出せと、中将殿がそう申されたのか。この状況にありながら、なおこの蒲生を信用できぬと…」
 忠三郎は、信雄の頼りなさに思わずため息を漏らした。

 父と兄を同時に討たれたその衝撃は計り知れないものだろうが、今こそ主君たる者の覚悟が求められる時ではないのか。にもかかわらず、信長の妻子を預かる蒲生家すらも疑い、人質を求めるとは――生来の気の小ささが、この非常時に疑心暗鬼として露わになっているのかもしれない。
「日向守に父と兄を討たれ、家臣は信用ならぬと、そう思われておるのか」
「若殿、如何なされる御所存で?」
 忠三郎はしばし考え込んだ。人質を出したくても、人質に適した身内がいない。信雄に示し得る人質がいない以上、このままでは援軍を断られるかもしれない。しかし、唯一の候補である妹・虎は滝川三九郎の妻だ。もし虎を人質に出せば、滝川家との関係に禍根を残しかねない。

(虎を人質に差し出すことなどできようか…)
 虎は滝川家との大事な架け橋だ。たとえ乱世の常であっても、安易に差し出すことは、滝川家と絆を断ち切るようなものだった。
(ほかにいるとすれば…)
 忠三郎は心の中で幾度も逡巡した。最終的に、深く息をついて言葉を紡いだ。
「正寿を質としよう」
 自らの発した言葉だが、そう告げたとき、胸の内には重く、苦いものがこみ上げてきた。

 町野左近は仰天し、腰も抜かさんばかりに驚いた。
「さ、されど…若殿に男子がいることを内外に知られてしまうことにはなりますまいか」
 正室である吹雪との間に未だ嫡男を成せていない以上、正寿丸の存在を公表することには慎重であらねばならなかった。正寿丸が忠三郎の子であることは、蒲生家でもごくわずかな者しか知らない秘事だ。

「そこで…一計を案じる。正寿を女子として、南勢に送り出すのじゃ」
「は、はぁ…?」
 左近はぽかんと口を開け、忠三郎をじっと見つめた。何とも突拍子もない提案に、驚きのあまり言葉を失っている。
 唖然とする町野左近を尻目に、忠三郎は得意気に捻りに捻った策を話し始める。

 忠三郎の立てた計画はこうだ。
 未だ幼い正寿丸が、女児のように装えば、周囲を欺くこともできるだろう。姫の衣装をまとわせ、髪も少し整えてやれば、見かけは十分女児に見えるはず。
 そうして、家中の者にも北畠方にも「姫」として送り出すのだ。これならば、正室との間に嫡男が生まれる前に子がいたことが知られても、さして大きな問題にはならない。
 そして、万が一のことがあったとしても、女児であれば、命が助かる可能性が高まる。

 町野左近は首を捻りながらも、忠三郎の冗談めいた笑みに呆れ顔を見せた。
「さりながら、若殿…男児を姫装束で送り出せば、いかな北畠の殿といえども気づくのでは…」
 忠三郎は常の笑顔を浮かべ、ひとつ息をついた。
「爺。案ずるな。希代の謀将、滝川左近も度肝を抜く、わが計略。必ずや成功するであろう」
 その自信満々の口ぶりに、町野左近は冷や汗をかきながら、頭を下げた。
「若殿がそこまで仰せであれば…」
 一体全体、何をまかり間違うと、こんな奇策を思いつくのか。いずれにしても身内からの人質がどうしても必要でありながら、送り出せる者がいない現状、忠三郎の提案が現実的な選択肢だ。

 正寿丸はまだ幼く、この策の意味を理解できるはずもない。人質として南勢に送ることが何を意味するのか、わからぬままに送り出されるその心情を思うと、胸が痛む。しかし、ここで怯んでいては、日野や蒲生家を守る術を失いかねない。忠三郎が託した思いに応えるため、町野左近は腹を決めて口を開いた。

「必ずや、若殿のお心を正寿丸様にお伝えし、万事滞りなく進めまする」
「手筈は頼んだ。あとは…」
 例え正寿丸を送り出したとしても、北畠信雄一人に運命を託すのは危険だ。忠三郎は更に、三河の徳川家康、そして大坂の本願寺にも尽力を求めるべく、筆を取った。
(いかに世が乱れようとも、織田家を支える重鎮たちが一致団結してこそ、謀反人の野望を打ち砕くことができる)
 丹念に文字を重ね、思いを込めて書き進めるうち、忠三郎は次第に心を決めていった。戦雲が日野へと迫るなかであっても、すべての力を尽くし、家中や民を守り抜く覚悟を抱いていた。

 翌日、安土城に明智光秀が入城したとの知らせが届いた。重苦しい空気が漂う中、町野左近がその報を告げると、忠三郎はじっと話を聞き、やがて目を細めた。
「江南の国衆に対し、安土に伺候するようにと命がくだっておりまする」
 町野左近の言葉に、忠三郎は思わず笑いを堪えきれず、声を上げて笑った。
「安土に伺候とは…早、天下人気どりとは笑止な。故右府様の足跡も乾かぬうちに、安土に座すとは」
 光秀がまるで天下人のように振る舞おうとする様が、忠三郎にはどこか滑稽に思えた。

 目を閉じるたびに、信長の最期の姿を思い浮かべ、心がざわつく。静かな夜の闇も、瞼を閉じれば浅ましいまでに歪んで見え、一昨日の夜も、昨夜も、眠ることもままならなかった。
 信長の無念、そして自らの果たせぬ思いを思うたび、口惜しさが胸中に押し寄せ、耐え難いほどの苦悶が募る。
(今少し、わが身に力があれば…)
 この手に、光秀に対抗できるほどの軍勢があれば、信長の無念を晴らすべく立ち向かうこともできた。しかし、蒲生家はたかだか六万石の小身、胸中に燃える炎も、力なき身にはただ燻るばかり。

 己が置かれた境遇の脆さを思い知らされ、歯がみする。無念、非力――その言葉が胸を満たし、ただ焦燥だけが身を苛む。
(頼り甲斐なき御仁を頼らねばならぬとは)
 心中でそう呟きながらも、今はその運命を受け入れざるを得なかった。
 たとえ頼りない相手であろうとも、今は縋る術が他にない。この無念を抱えたまま、「頼り甲斐なき御仁」に運命を委ねねばならぬとは、皮肉であり、無情でもあった。

(力が欲しい…)
 初めてそう思った。信長や一益の庇護のもと、これまで何不自由なく、ただ命じられるままに歩んできた。しかし、今は違う。誰かの背中に守られているだけではなく、己の力で皆を守り、導く時が来ている。

 そこまで考えて、ハタと息を飲んだ。
(今であれば…、天下が麻のごとく乱れている今であれば、兵力さえあれば、上様に変わり、天下に号令をかけることも)
 幾重にも裂け、乱れた世が、麻のごとくほつれ崩れていく今、力さえ、兵力さえ揃えば、次なる覇道を歩む者として、大きく旗を掲げ、進むこともできた。
(上様がその目で見定めた、我こそが…天下人にふさわしい器ではないか)

 これまでずっと、傍らで見てきた。信長の力、その慧眼、その胆力のすべてを。乱世に立ち、国をまとめ上げ、恐れず進むその背中を見て育った自分こそが、その志を受け継ぐべき者であり、天下を泰平へと導く器ではないだろうか。

(誰よりも近くでその業を学び、誰よりも上様の真を知る我こそが、天下人になるべき…)
 しかし、今はそれも叶わない。

 胸に抱いた大望を振り払うように、忠三郎は静かに瞳を伏せた。若干二十八歳。自らが掲げるにはまだ重すぎるこの志。六万石の小身に過ぎぬ身では、いかに思いを募らせたところで、力及ばぬ現実が立ちはだかる。

(今はただ、己が分を守り、目の前の務めに尽力するのみ…されど…)
 その思いとともに、風が木々を揺らし、遠くで囁くように聞こえた信長の声を、忠三郎は己の心に封じ込めた。

 城内には、明智勢の影が迫りつつあるという不安が蔓延していた。家臣たちは一様に気を引き締め、普段の笑い声も抑えられ、皆、足音一つひそめるように行き交う。
 不穏な空気が流れる中、詰所で家臣たちがひそひそと話をしている姿が見えた。もれ聞こえてくる中に、「後藤の…」という言葉がかすかに聞こえ、胸にざわめきが立つ。

(後藤…喜三郎のことか…)
 明智光秀の与力として秀吉の援軍に向かった喜三郎。そして同じ従弟の青地四郎左。二人は明智光秀に従い、都にいる信長を襲い、その命を奪った。時の流れが、それぞれの運命を異なる道へと導いたことを感じずにはいられない。
(敵として向かい合う日が来るとは…)
 心の奥底でそう覚悟を決めながらも、わずかに消えぬ思い残る。幼い頃から共に過ごした仲であればこそ、互いの心の内には、かつての日々の名残がまだ息づいているのかもしれない。

 忠三郎はさりげなく詰所に近寄ると、傍らにいた上坂左文を手招きし、声を潜めて問うた。
「今、皆で喜三郎の話をしていたのではないか?」
 忠三郎が訊ねると、上坂左文は拙い話を聞かれたとばかりに下を向く。忠三郎はその態度を見て、あくまで柔らかな声で、穏やかに尋ねる。

「咎めようというのではない。ただ…いささか喜三郎の行方が気になっておったところじゃ。どのみち耳に入るのなら、皆の話を聞かせてもらえぬか」
 常の如く、柔らかくそう訊ねると、上坂左文はようやく重い口を開いてくれた。
「大殿とともに安土城の警護に当たっていた山崎殿。この山崎殿が安土城下の屋敷を焼き払い、居城に逃げたことは存じておいでで?」
 忠三郎は無言でうなずく。忠三郎が安土に到着したときには、留守居役の筆頭、津田源十郎、次席の山崎源太左衛門は、国元に逃げたあとで、ともに姿がなかった。
「喜三郎の室が山崎殿の妹であったな」
「はい。その後、明智の大軍が山崎城を取り囲んだ際には、喜三郎殿が明智勢に加わるようにと山崎殿を説得したとか」
「喜三郎が…」
 喜三郎は随分と光秀に協力的なようだ。

「…で、喜三郎と山崎殿は、安土か?」
「いえ。佐和山を落としに向かわれたとか」
「佐和山…」
 江北にある佐和山城は丹羽長秀の居城だが、四国攻めで主力を連れて遠征している今、城にはわずかな守備兵しか残されていない。大軍を前に、耐えきれるはずもない。
「喜三郎が、そこまでして日向守に加勢するとは…」
 なぜ、そこまでの覚悟を決めたのか、喜三郎の心中を図りかねる。

「若殿。山崎殿ばかりではありませぬ。江州はもとより、若狭の国衆も皆、明智の大軍に抗えず、次々と安土に伺候しておるとの噂が流れております。佐和山も、長浜ももはや風前の灯。かくなる上は、そろそろ我が家も…」
 忠三郎が黙ったままなので、上坂左文は、そこで言葉を切った。眼前の忠三郎に、ふと目をやる。普段から、柔らかな笑顔を絶やさぬ忠三郎は、今もなお、微笑を浮かべているが、その目には、薄青く映る初夏の空のように、どこか悲しげな光が宿り、潤んで見えた。

 初夏のそよ風が廊下をすり抜け、青葉の香りを運び込むと、忠三郎の表情がかすかに揺れる。
「若殿…。若殿は右大臣様の娘婿。その若殿が、右大臣様を討った日向守に頭を下げることが、いかに堪えがたく口惜しいことか、我ら家臣一同、よう存じておりまする。されど…」
 上坂左文が慎重に言葉を続けようとしたその時、忠三郎はふと身を翻し、無言で庭のほうへと視線を移した。緑豊かな庭先には、風に揺れる青葉が夏の陽を浴び、静かに輝いている。

「皆、父上とわしに、安土へ赴き、日向守に恭順せよと、そう言うておるのか」
 常と変わらぬ声色ではあったが、その問いに含まれる微かな棘を、上坂左文は感じ取った。
 季節の青葉が照り返す光と影が、忠三郎の背に落ち、どこか哀愁を漂わせる。
「この日野の地を、戦場にはしたくないと…皆、そう思うておるのでございます」
 上坂左文の声は、夏の風にかき消されるほど小さかったが、その想いは重く、庭に揺れる木々の緑とともに忠三郎の胸に染み入った。
 
 静かにうなずきながら、忠三郎は目を閉じた。今もなお、鳥のさえずりがどこか遠くから聞こえ、初夏の穏やかな風が頬を撫でる。豊かな田畑と、変わらぬ暮らしのある日野を、この先も守り続けるために、自分は今、何をなすべきなのだろうか…。
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