160 / 214
28.揺らぐ天下
28-4. 散りて、種となる
しおりを挟む
春というにはまだ肌寒く、障子の向こうを吹き抜ける風には、どこか秋の気配すら漂っていた。
忠三郎が通された一室は、わずかな光しか入らぬ静寂の中、静かに、香が焚き染められていた。
薄くたなびく香煙が、部屋の空気を包み、春の陽ざしもどこか翳りを帯びて見えた。
その奥に、白装束を纏った佐々成政が、ひとり端坐していた。
切腹の支度は、すでに整えられていた。
広間の静けさは、ただならぬ覚悟の気配を帯び、そこに足を踏み入れた忠三郎の呼吸さえ、どこか浅くなった。
「……これは」
思わず口にしたその言葉に、成政はゆるやかに顔を上げ、わずかに笑んだ。
「よう来てくれたな、忠三郎」
膝を正したままの佐々成政は、真っすぐに忠三郎を見つめた。
その目には、かつての戦場で見たような猛々しさこそ影をひそめていたが、深い淵のような、どうにも測りがたいものが宿っていた。
「……内蔵助殿がそれがしに会いたいと仰せとは、いささか驚いておる次第で。これまでさして言葉を交わしたこともなく……」
忠三郎の問いに、成政はしばし沈黙し、香煙を一つ、目で追ってから言った。
「おぬしは……あの猿の家来として、そのまま生きてゆくつもりか」
凍てついたような問いだった。
部屋の空気が、ぴたりと止まる。
「……」
忠三郎は、言葉を探した。しかし、探しても、口にできるだけのものが見つからない。
これまで幾度となく戦場に立ち、武を磨いてきた自分が、今、何を信じ、誰に仕えるのか――その答えを、未だ持ち合わせてはいなかった。
「……それは……」
「おぬしが決めぬのなら、いずれ誰かに決められる。それが世の理であろう」
成政は、どこか静かに、しかし確かに忠三郎を見据えていた。
怨嗟なのか怒りなのか。己の道を失った者の、ぎりぎりの真実が、そこにあった。
「とんだ茶番よ。わしの腹が裂かれるのは、肥後を治めきれなかった報いではない。いや、最初からそうなるよう、仕組まれておった」
成政の声音は静かだった。だが、その奥にこもる怒りは、鈍く刺さるようだった。
肥後の一揆。
本領安堵の約束は空言に過ぎず、国衆たちは領地を削られ、命をも削られた。
成政は、それを伝える矢面に立たされ、そしてすべての咎を背負わされたのだ。
「肥後は元より難治の国。国人どもは強く、島津さえ手を焼いた輩。――猿はそのことを知りながら、国人どもに本領安堵を約束し、裏ではその土地を奪って直轄領とするため、来るべき大明征伐のための糧とすべく割譲を命じたのだ」
「……」
「案の定、一揆が起きた。だが、あの男はこれ幸いと、我が責をことさらに喧伝し、国人どもを皆殺しにせよと命じた」
忠三郎の眉がわずかに動いた。
その言葉の奥に、成政の悔恨と、なお消えぬ誇りが滲んでいた。
忠三郎は、拳を握ったまま、ただ黙していた。
否定も肯定もできなかった。
「奴は、織田家を支えてきた多くの者を使い捨て、信長公の名も、血も、器も、その全てを踏みにじって、己一人のために天下を奪い取った。……まこと、日ノ本を蝕む黒き水よ」
成政は、ふいに懐から一通の書状を取り出し、それを傍らの老僕に渡した。
「これは……?」
老僕が恭しく差し出したその文を前に、成政は静かに言った。
「譲り状じゃ。わしの馬印――三階菅笠を、おぬしに託す。……この手で渡すことはできぬ。だが、心ある者がなお掲げてくれるならば、わしの志もまた、消えはせぬ」
忠三郎は、言葉もなく譲り状を受け取った。
薄い紙のはずが、不思議な重みをたたえていた。
「己の馬印を、他人に託すなど本意ではない。されど……いつか、おぬしが戦場に立つとき、これを携えてゆけ。そこにある『武士の誇り』だけは、無駄にせぬように」
忠三郎は深く頭を垂れた。
言葉が出なかった。ただ、深く、頭を垂れた。
(佐々内蔵助……)
思い起こすのは、かつて信長の下で馬を馳せ、戦場にあっては先陣を駆け、凛然と旗を掲げた姿だった。
勝家と語らい、一益と杯を交わし、信長の威をともに背負って戦場に立っていた――
あの頃の佐々成政は、まさしく武の華だった。軍勢を率いて駆ける背中には、何者にも屈せぬ自負があった。忠義を知り、道理を貫き、信長の命のもと、己のすべてを注ぎこんでいたその男が、今や香の煙に包まれ、静かに散っていこうとしている。
忠三郎の胸の奥で、なにかが音を立てて崩れてゆく。
かき消せぬ悔いが、奥深くに燻り、熱を持って心を焦がす。
「されどおぬしも用心したほうがいい」
不意にかけられた成政の声に、忠三郎は、はっとして顔を上げた。
その眼差しは、すでに死を見据えた者の静けさを宿していたが、底の底ではまだ、この世への未練を断ち切れてはいない――そんな微かな揺らぎがあった。
「猿は織田家に繋がる者を快く思うてはおらぬ。わしの二の轍を踏まぬようにいたせ」
「織田家に繋がる者…」
その言葉が、胸に刺さる。
織田家に繋がる者――その言葉のなかに、自らが確かに含まれていることを、忠三郎は否応なく悟っている。信長に召され、その娘を妻に迎えた。かつての忠節を今も捨てきれずにいる自分。秀吉に仕えてはいるものの、その懐に入り切ることはついぞできない。
ともすれば、成政の憂き目は、遠からず自分にも降りかかるのではないか――
心のどこかに、ずっと芽吹いていた疑念が、成政の一言で静かに輪郭を得た。
忠三郎は拳を握った。
ただ仕えるのではない。何を信じ、何を守るのか――それを問い続けねば、自分もまた、あの「猿」に飲み込まれてしまう。
「忠三郎……これが、最後じゃな」
そう言った成政の声は、思いのほか穏やかだった。だがその瞳には、何も映っていなかった。
すでに、見るべきものをすべて見届けてしまった者の、乾いた眼差しだった。
忠三郎は、深く頭を下げた。言葉を探し、喉の奥まで何かがこみ上げてきたが、どうしても口にできなかった。
何を言っても、この別れが変わることはない。言葉にした途端、すべてが壊れてしまうような気がして――結局、ただ静かに頭を垂れたまま、成政の前から身を引いた。
襖を閉めたその瞬間、春の風が香のかおりを運んできた。ほのかに甘く、どこか寂しげで、忠三郎の袖をわずかに揺らす。
その余韻は、別れを告げる亡き人の吐息のようだった。香の煙が細く揺れ、夕陽の影が廊下を長く引きずっていた。
忠三郎が屋敷を辞したのは、それからほどなくしてだった。振り返らず歩き出したその背に、門を閉じる音が重く響いた。
成政はその後、尼崎の法園寺に移され、切腹を命じられた。
秀吉の沙汰は無言のまま、刀よりも冷たく、抗う隙を与えぬほど確かだった。
白装束をまとい、香を焚き、静かに臨んだ成政は、最後の言葉として一首の辞世を残した。
――「このごろの 厄妄想を 入れ置きし 鉄鉢袋 今やぶるなり」
そう詠み残すと、横一文字に腹を切り裂き、臓を掴んで天へと投げつけた。血の飛沫が柱に飛び散り、天井に黒い跡が残ったという。
「無念腹……か」
自らの死を以て抗議する、武士としての最後の矜持だった。
怒りとも、悲しみともつかぬものが、胸の底で渦を巻く。
それは成政の死に対してだけではない。
その死に至らせた、この世の理不尽、策謀、そして、それに黙して従っている自分自身への苛立ちでもあった。
聚楽第での違和感。官兵衛の沈黙。成政の問いかけ。
すべてが今になって、胸の内に澱のように溜まっていた。
「おぬしは……あの猿の家来として、そのまま生きてゆくつもりか」
あの言葉が耳に残って離れなかった。
成政は、自らの罪を疑っていなかった。むしろ、己の務めを果たしたと信じていた。
肥後の地がいかに難治であったか、国衆がどれほど強い結束を持ち、どれほど己の土地に固執していたか――それを秀吉が知らぬはずはない。
(それでも、内蔵助殿は……詰腹を切らされた)
策の犠牲となったのか、それとも、ただ邪魔だったのか。
真相は分からない。だが確かなのは――その死は、あまりにも静かで、あまりにも重たく、そして、あまりにも虚ろだった。
成政が残した譲り状は、今も忠三郎の懐にある。
三階菅笠――成政の武士の誇りそのものの馬印を、次に掲げる者として名を記された自身。
忠三郎は、譲り状を取り出し、そっと目を落とす。手にした譲り状は、すでに幾度も読み返したため、折り目が柔らかくなっていた。
(わしが、受け継ぐというのか……)
血を流し、腹を割き、己の全てを見せて逝った男の名を、その死の先に残さねばならない。
だが、どのように残すべきか。今のまま、秀吉のもとで、ただ忠実に命を受けるだけの自分に、それが果たしてできるのか――。
香の匂いが、ふと記憶に甦った。あの日、白装束の成政がただ静かに微笑み、己のすべてを託すように譲り状を差し出した、その時の気配が。
忠三郎は静かに目を閉じた。
かつては、戦場の彼方からでもその姿を見つければ味方が奮い立ち、敵は怯んだ佐々成政。
その成政の分身ともいうべき馬印を、今や自分が掲げる日が来るとは――。
外では、風がそっと吹きすぎ、庭の白木蓮が、静かに一枚、また一枚と花弁を落とす。
(若年の折より、故右府様のそばにあった男が……)
(あれほどの戦ぶりを見せた猛将が……)
忠三郎の心には、未だあの若き日の光景が焼きついていた。
荒々しくも凛々しく、堂々たる立ち姿で、信長の眼前に控えていた成政の姿。
それが、香の焚かれた静謐な一室で、まるで物語のように終わりを迎えた。
その死に、涙を流すことはなかった。だが、胸の奥に灯る火は、まだ消えぬまま、静かに燻っていた。
やがて、夜のとばりが降りはじめ、都の空が紫紺に染まる。
その時、忠三郎はふと、耳を澄ませた。
(……聞こえぬ)
いつもなら、遠くから届くはずの南蛮寺の鐘の音――それが、今日はどこからも響いてこない。
いや、今日だけではない。
思えば、ここ数日、いや、もう十日近くも、南蛮寺の鐘は沈黙していた。
それもそのはず。
大坂、京都の南蛮寺は、ついに秀吉の命により、取り壊されたのだ。
理由は何ひとつ語られず、ただ「伴天連禁制ゆえ」とだけ触れ回られた。
鐘の音が消える――それはただ南蛮寺が壊されたというだけではない。
この国に根づき始めた祈りの文化ごと、静かに、けれど確実に、摘み取られていったことの証だった。
忠三郎はその静けさの中に、ひときわ深い孤独と、時代の転機の気配を感じた。
――ひとつの火が消え、もうひとつの火が、いつのまにか手の内に宿っている。
その火を、誰のために、どこへ向けて掲げるのか。
答えはまだ見つからない。だが、それでも歩を進めねばならない。
忠三郎は、懐に譲り状を収め、音もなく立ち上がった。
名残惜しさを胸に忍ばせたまま、白木蓮の散る庭を背に、夕闇の中へと身を沈めた。
京、堺、大坂――かつて鐘の音が空を渡り、神を賛美する声が昼も夜も絶えることのなかった南蛮寺は、いまや瓦礫と化していた。
南蛮寺の跡にはまだ、香の残り香が漂っていた。誰かが最後まで、祈っていたのかもしれない。忠三郎は、踏みしめるたびに軋む廃材の音を聞きながら、もはや戻らぬものを知った。鐘はなく、伴天連は追われ、信仰は地に伏した。
その静寂の底にあってなお、胸の奥には、かすかな痛みとともに、ひとすじの問いが残っていた。
――なぜ、こうなったのか。
なぜ、神はこのような仕打ちをお許しになるのか。
失意と虚無を抱えたまま、忠三郎は南伊勢・松坂へと戻った。春の風が峠を越え、海の香を運ぶ。山の端に雲が薄く棚引き、どこか見知った匂いが胸を刺した。
故郷に似た、懐かしい匂い。
それは遠き日、近江・日野の里山に遊んだ頃の記憶を呼び覚ました。だが、そこに帰る道は、もうない。
やがて松坂の地に入ると、丘の上に見えた南蛮寺が忠三郎の足を止めた。
――まだ、ある。
鐘の音が、確かに響いていた。
祈りが、風に乗って耳を打った。
忠三郎は、町野左近とともに、静かに南蛮寺の門をくぐった。
中では、かつて武張った顔をしていた家臣たちが、膝を折り、目を閉じて祈っていた。見知った農民、女、子どももいた。皆、十字を胸に切り、唇に微かな微笑みを浮かべていた。
その光景に、忠三郎は息を呑んだ。
かつての自分は、力こそが道を拓くと信じていた。忠義と戦功の果てにこそ、世を変える力があると。だが今、自らの手ではなく、追われ、流された者たちの口から紡がれる賛美の声が、確かにこの地を変えている。
「殿――」
後ろから、ひとりの家臣が声をかけた。岩石城攻めで戦功をあげ、褒美として蒲生の姓を与えた蒲生源左衛門だ。
「思えば……この松坂に南蛮寺ができ、信仰が根づいたのも、あの国替えあってこそでございましたな」
忠三郎は、黙って聞いていた。
「不本意な道に見えても、主は時に、我らの理解を超えた業をなされる。畿内を追われたキリシタンたちもまた、各地に散らばり、新たなる種をまきはじめましょう」
言葉の一つひとつが、忠三郎の胸の奥深くに沈んでいった。
――種。
滅びではなく、始まり。
痛みの果てに、なお何かが始まろうとしているのか。
「キリシタンの教えは常に迫害と隣り合わせ。そうして散らされた者たちにより、多くの者に、神の教えが広められたとか」
遠くで子どもたちの笑い声がした。南蛮寺の裏で、十字を模した枝を手に遊んでいる。彼らの瞳には、追放も破壊も映っていない。ただ、いまここにある光だけを、見つめていた。
忠三郎は、その様を見つめながら、ふと目を伏せた。
何かが胸の奥でほどけるようだった。
この地で、自分に何ができるのか、まだわからない。だが、ここに生きる者たちと共にあること。それが、今の自分に課された一つの道であるように思えた。
目を閉じると、遠くで鐘の音が鳴った。
かつて大坂で待ち続けても聞こえなかった、その音が。
今、ここに確かに響いていた。
やがて、松坂に根づき始めたキリシタンの集いに、忠三郎も顔を見せるようになった。南蛮寺では、日ごとに異なる顔ぶれが並び、農民も武士も、女も子どもも、ひとつの賛美歌に声を揃える。
忠三郎は、その輪の後ろに立って、静かに目を閉じていた。祈ることに慣れているわけではない。神に何を求めるべきか、まだ答えは出ていなかった。だが、何も言わずとも、南蛮寺に立つだけで、心のざわめきが、少しだけ静かになる。
時折、あの成政の言葉がよみがえった。
――猿は、織田に繋がるものを好まぬぞ。
その警告の重さは、日を追うごとに現実味を増しているように思える。
忠三郎は、聚楽第で帝の前に和歌を詠んだ日のことを思い出した。
あのとき感じた、言い知れぬ違和感――
それは成政の末路をもって、確かな形となった。
武の道を生き、信長の覇道を信じて戦った者が、いまや皆、道の端に追いやられている。
「わたくしの父も、先頃、国を出ました」
そう告げたのは、ミサのあとに声をかけてきた若い侍だった。
「追放ではござらぬ。けれど、家も、名も、捨てるようなかたちで……」
忠三郎は、その若者の顔を見つめながら、ふと己の立場を思った。
松坂は、今はまだ、静かである。
南蛮寺も無事だ。
だが、どれほどの時がこの平穏を許してくれるのか、誰にもわからない。
ただ、ひとつ言えることがあった。
この小さな町の南蛮寺に、かつての都にはなかった温かさがあること。
神の名を口にすることが罪とされる世にあって、それでもなお、この地に種がまかれ、芽吹こうとしているということ。
――ならば、わが身は、如何にしてこの戦国の世を渡るべきであろうか
夜、礼拝堂の鐘が静かに鳴った。
その音は、昔、都で耳にしたものよりも、ずっと低く、深く、土に染み込むような響きだった。
忠三郎はその音を聞きながら、そっと空を仰いだ。
星が瞬いていた。
忠三郎が通された一室は、わずかな光しか入らぬ静寂の中、静かに、香が焚き染められていた。
薄くたなびく香煙が、部屋の空気を包み、春の陽ざしもどこか翳りを帯びて見えた。
その奥に、白装束を纏った佐々成政が、ひとり端坐していた。
切腹の支度は、すでに整えられていた。
広間の静けさは、ただならぬ覚悟の気配を帯び、そこに足を踏み入れた忠三郎の呼吸さえ、どこか浅くなった。
「……これは」
思わず口にしたその言葉に、成政はゆるやかに顔を上げ、わずかに笑んだ。
「よう来てくれたな、忠三郎」
膝を正したままの佐々成政は、真っすぐに忠三郎を見つめた。
その目には、かつての戦場で見たような猛々しさこそ影をひそめていたが、深い淵のような、どうにも測りがたいものが宿っていた。
「……内蔵助殿がそれがしに会いたいと仰せとは、いささか驚いておる次第で。これまでさして言葉を交わしたこともなく……」
忠三郎の問いに、成政はしばし沈黙し、香煙を一つ、目で追ってから言った。
「おぬしは……あの猿の家来として、そのまま生きてゆくつもりか」
凍てついたような問いだった。
部屋の空気が、ぴたりと止まる。
「……」
忠三郎は、言葉を探した。しかし、探しても、口にできるだけのものが見つからない。
これまで幾度となく戦場に立ち、武を磨いてきた自分が、今、何を信じ、誰に仕えるのか――その答えを、未だ持ち合わせてはいなかった。
「……それは……」
「おぬしが決めぬのなら、いずれ誰かに決められる。それが世の理であろう」
成政は、どこか静かに、しかし確かに忠三郎を見据えていた。
怨嗟なのか怒りなのか。己の道を失った者の、ぎりぎりの真実が、そこにあった。
「とんだ茶番よ。わしの腹が裂かれるのは、肥後を治めきれなかった報いではない。いや、最初からそうなるよう、仕組まれておった」
成政の声音は静かだった。だが、その奥にこもる怒りは、鈍く刺さるようだった。
肥後の一揆。
本領安堵の約束は空言に過ぎず、国衆たちは領地を削られ、命をも削られた。
成政は、それを伝える矢面に立たされ、そしてすべての咎を背負わされたのだ。
「肥後は元より難治の国。国人どもは強く、島津さえ手を焼いた輩。――猿はそのことを知りながら、国人どもに本領安堵を約束し、裏ではその土地を奪って直轄領とするため、来るべき大明征伐のための糧とすべく割譲を命じたのだ」
「……」
「案の定、一揆が起きた。だが、あの男はこれ幸いと、我が責をことさらに喧伝し、国人どもを皆殺しにせよと命じた」
忠三郎の眉がわずかに動いた。
その言葉の奥に、成政の悔恨と、なお消えぬ誇りが滲んでいた。
忠三郎は、拳を握ったまま、ただ黙していた。
否定も肯定もできなかった。
「奴は、織田家を支えてきた多くの者を使い捨て、信長公の名も、血も、器も、その全てを踏みにじって、己一人のために天下を奪い取った。……まこと、日ノ本を蝕む黒き水よ」
成政は、ふいに懐から一通の書状を取り出し、それを傍らの老僕に渡した。
「これは……?」
老僕が恭しく差し出したその文を前に、成政は静かに言った。
「譲り状じゃ。わしの馬印――三階菅笠を、おぬしに託す。……この手で渡すことはできぬ。だが、心ある者がなお掲げてくれるならば、わしの志もまた、消えはせぬ」
忠三郎は、言葉もなく譲り状を受け取った。
薄い紙のはずが、不思議な重みをたたえていた。
「己の馬印を、他人に託すなど本意ではない。されど……いつか、おぬしが戦場に立つとき、これを携えてゆけ。そこにある『武士の誇り』だけは、無駄にせぬように」
忠三郎は深く頭を垂れた。
言葉が出なかった。ただ、深く、頭を垂れた。
(佐々内蔵助……)
思い起こすのは、かつて信長の下で馬を馳せ、戦場にあっては先陣を駆け、凛然と旗を掲げた姿だった。
勝家と語らい、一益と杯を交わし、信長の威をともに背負って戦場に立っていた――
あの頃の佐々成政は、まさしく武の華だった。軍勢を率いて駆ける背中には、何者にも屈せぬ自負があった。忠義を知り、道理を貫き、信長の命のもと、己のすべてを注ぎこんでいたその男が、今や香の煙に包まれ、静かに散っていこうとしている。
忠三郎の胸の奥で、なにかが音を立てて崩れてゆく。
かき消せぬ悔いが、奥深くに燻り、熱を持って心を焦がす。
「されどおぬしも用心したほうがいい」
不意にかけられた成政の声に、忠三郎は、はっとして顔を上げた。
その眼差しは、すでに死を見据えた者の静けさを宿していたが、底の底ではまだ、この世への未練を断ち切れてはいない――そんな微かな揺らぎがあった。
「猿は織田家に繋がる者を快く思うてはおらぬ。わしの二の轍を踏まぬようにいたせ」
「織田家に繋がる者…」
その言葉が、胸に刺さる。
織田家に繋がる者――その言葉のなかに、自らが確かに含まれていることを、忠三郎は否応なく悟っている。信長に召され、その娘を妻に迎えた。かつての忠節を今も捨てきれずにいる自分。秀吉に仕えてはいるものの、その懐に入り切ることはついぞできない。
ともすれば、成政の憂き目は、遠からず自分にも降りかかるのではないか――
心のどこかに、ずっと芽吹いていた疑念が、成政の一言で静かに輪郭を得た。
忠三郎は拳を握った。
ただ仕えるのではない。何を信じ、何を守るのか――それを問い続けねば、自分もまた、あの「猿」に飲み込まれてしまう。
「忠三郎……これが、最後じゃな」
そう言った成政の声は、思いのほか穏やかだった。だがその瞳には、何も映っていなかった。
すでに、見るべきものをすべて見届けてしまった者の、乾いた眼差しだった。
忠三郎は、深く頭を下げた。言葉を探し、喉の奥まで何かがこみ上げてきたが、どうしても口にできなかった。
何を言っても、この別れが変わることはない。言葉にした途端、すべてが壊れてしまうような気がして――結局、ただ静かに頭を垂れたまま、成政の前から身を引いた。
襖を閉めたその瞬間、春の風が香のかおりを運んできた。ほのかに甘く、どこか寂しげで、忠三郎の袖をわずかに揺らす。
その余韻は、別れを告げる亡き人の吐息のようだった。香の煙が細く揺れ、夕陽の影が廊下を長く引きずっていた。
忠三郎が屋敷を辞したのは、それからほどなくしてだった。振り返らず歩き出したその背に、門を閉じる音が重く響いた。
成政はその後、尼崎の法園寺に移され、切腹を命じられた。
秀吉の沙汰は無言のまま、刀よりも冷たく、抗う隙を与えぬほど確かだった。
白装束をまとい、香を焚き、静かに臨んだ成政は、最後の言葉として一首の辞世を残した。
――「このごろの 厄妄想を 入れ置きし 鉄鉢袋 今やぶるなり」
そう詠み残すと、横一文字に腹を切り裂き、臓を掴んで天へと投げつけた。血の飛沫が柱に飛び散り、天井に黒い跡が残ったという。
「無念腹……か」
自らの死を以て抗議する、武士としての最後の矜持だった。
怒りとも、悲しみともつかぬものが、胸の底で渦を巻く。
それは成政の死に対してだけではない。
その死に至らせた、この世の理不尽、策謀、そして、それに黙して従っている自分自身への苛立ちでもあった。
聚楽第での違和感。官兵衛の沈黙。成政の問いかけ。
すべてが今になって、胸の内に澱のように溜まっていた。
「おぬしは……あの猿の家来として、そのまま生きてゆくつもりか」
あの言葉が耳に残って離れなかった。
成政は、自らの罪を疑っていなかった。むしろ、己の務めを果たしたと信じていた。
肥後の地がいかに難治であったか、国衆がどれほど強い結束を持ち、どれほど己の土地に固執していたか――それを秀吉が知らぬはずはない。
(それでも、内蔵助殿は……詰腹を切らされた)
策の犠牲となったのか、それとも、ただ邪魔だったのか。
真相は分からない。だが確かなのは――その死は、あまりにも静かで、あまりにも重たく、そして、あまりにも虚ろだった。
成政が残した譲り状は、今も忠三郎の懐にある。
三階菅笠――成政の武士の誇りそのものの馬印を、次に掲げる者として名を記された自身。
忠三郎は、譲り状を取り出し、そっと目を落とす。手にした譲り状は、すでに幾度も読み返したため、折り目が柔らかくなっていた。
(わしが、受け継ぐというのか……)
血を流し、腹を割き、己の全てを見せて逝った男の名を、その死の先に残さねばならない。
だが、どのように残すべきか。今のまま、秀吉のもとで、ただ忠実に命を受けるだけの自分に、それが果たしてできるのか――。
香の匂いが、ふと記憶に甦った。あの日、白装束の成政がただ静かに微笑み、己のすべてを託すように譲り状を差し出した、その時の気配が。
忠三郎は静かに目を閉じた。
かつては、戦場の彼方からでもその姿を見つければ味方が奮い立ち、敵は怯んだ佐々成政。
その成政の分身ともいうべき馬印を、今や自分が掲げる日が来るとは――。
外では、風がそっと吹きすぎ、庭の白木蓮が、静かに一枚、また一枚と花弁を落とす。
(若年の折より、故右府様のそばにあった男が……)
(あれほどの戦ぶりを見せた猛将が……)
忠三郎の心には、未だあの若き日の光景が焼きついていた。
荒々しくも凛々しく、堂々たる立ち姿で、信長の眼前に控えていた成政の姿。
それが、香の焚かれた静謐な一室で、まるで物語のように終わりを迎えた。
その死に、涙を流すことはなかった。だが、胸の奥に灯る火は、まだ消えぬまま、静かに燻っていた。
やがて、夜のとばりが降りはじめ、都の空が紫紺に染まる。
その時、忠三郎はふと、耳を澄ませた。
(……聞こえぬ)
いつもなら、遠くから届くはずの南蛮寺の鐘の音――それが、今日はどこからも響いてこない。
いや、今日だけではない。
思えば、ここ数日、いや、もう十日近くも、南蛮寺の鐘は沈黙していた。
それもそのはず。
大坂、京都の南蛮寺は、ついに秀吉の命により、取り壊されたのだ。
理由は何ひとつ語られず、ただ「伴天連禁制ゆえ」とだけ触れ回られた。
鐘の音が消える――それはただ南蛮寺が壊されたというだけではない。
この国に根づき始めた祈りの文化ごと、静かに、けれど確実に、摘み取られていったことの証だった。
忠三郎はその静けさの中に、ひときわ深い孤独と、時代の転機の気配を感じた。
――ひとつの火が消え、もうひとつの火が、いつのまにか手の内に宿っている。
その火を、誰のために、どこへ向けて掲げるのか。
答えはまだ見つからない。だが、それでも歩を進めねばならない。
忠三郎は、懐に譲り状を収め、音もなく立ち上がった。
名残惜しさを胸に忍ばせたまま、白木蓮の散る庭を背に、夕闇の中へと身を沈めた。
京、堺、大坂――かつて鐘の音が空を渡り、神を賛美する声が昼も夜も絶えることのなかった南蛮寺は、いまや瓦礫と化していた。
南蛮寺の跡にはまだ、香の残り香が漂っていた。誰かが最後まで、祈っていたのかもしれない。忠三郎は、踏みしめるたびに軋む廃材の音を聞きながら、もはや戻らぬものを知った。鐘はなく、伴天連は追われ、信仰は地に伏した。
その静寂の底にあってなお、胸の奥には、かすかな痛みとともに、ひとすじの問いが残っていた。
――なぜ、こうなったのか。
なぜ、神はこのような仕打ちをお許しになるのか。
失意と虚無を抱えたまま、忠三郎は南伊勢・松坂へと戻った。春の風が峠を越え、海の香を運ぶ。山の端に雲が薄く棚引き、どこか見知った匂いが胸を刺した。
故郷に似た、懐かしい匂い。
それは遠き日、近江・日野の里山に遊んだ頃の記憶を呼び覚ました。だが、そこに帰る道は、もうない。
やがて松坂の地に入ると、丘の上に見えた南蛮寺が忠三郎の足を止めた。
――まだ、ある。
鐘の音が、確かに響いていた。
祈りが、風に乗って耳を打った。
忠三郎は、町野左近とともに、静かに南蛮寺の門をくぐった。
中では、かつて武張った顔をしていた家臣たちが、膝を折り、目を閉じて祈っていた。見知った農民、女、子どももいた。皆、十字を胸に切り、唇に微かな微笑みを浮かべていた。
その光景に、忠三郎は息を呑んだ。
かつての自分は、力こそが道を拓くと信じていた。忠義と戦功の果てにこそ、世を変える力があると。だが今、自らの手ではなく、追われ、流された者たちの口から紡がれる賛美の声が、確かにこの地を変えている。
「殿――」
後ろから、ひとりの家臣が声をかけた。岩石城攻めで戦功をあげ、褒美として蒲生の姓を与えた蒲生源左衛門だ。
「思えば……この松坂に南蛮寺ができ、信仰が根づいたのも、あの国替えあってこそでございましたな」
忠三郎は、黙って聞いていた。
「不本意な道に見えても、主は時に、我らの理解を超えた業をなされる。畿内を追われたキリシタンたちもまた、各地に散らばり、新たなる種をまきはじめましょう」
言葉の一つひとつが、忠三郎の胸の奥深くに沈んでいった。
――種。
滅びではなく、始まり。
痛みの果てに、なお何かが始まろうとしているのか。
「キリシタンの教えは常に迫害と隣り合わせ。そうして散らされた者たちにより、多くの者に、神の教えが広められたとか」
遠くで子どもたちの笑い声がした。南蛮寺の裏で、十字を模した枝を手に遊んでいる。彼らの瞳には、追放も破壊も映っていない。ただ、いまここにある光だけを、見つめていた。
忠三郎は、その様を見つめながら、ふと目を伏せた。
何かが胸の奥でほどけるようだった。
この地で、自分に何ができるのか、まだわからない。だが、ここに生きる者たちと共にあること。それが、今の自分に課された一つの道であるように思えた。
目を閉じると、遠くで鐘の音が鳴った。
かつて大坂で待ち続けても聞こえなかった、その音が。
今、ここに確かに響いていた。
やがて、松坂に根づき始めたキリシタンの集いに、忠三郎も顔を見せるようになった。南蛮寺では、日ごとに異なる顔ぶれが並び、農民も武士も、女も子どもも、ひとつの賛美歌に声を揃える。
忠三郎は、その輪の後ろに立って、静かに目を閉じていた。祈ることに慣れているわけではない。神に何を求めるべきか、まだ答えは出ていなかった。だが、何も言わずとも、南蛮寺に立つだけで、心のざわめきが、少しだけ静かになる。
時折、あの成政の言葉がよみがえった。
――猿は、織田に繋がるものを好まぬぞ。
その警告の重さは、日を追うごとに現実味を増しているように思える。
忠三郎は、聚楽第で帝の前に和歌を詠んだ日のことを思い出した。
あのとき感じた、言い知れぬ違和感――
それは成政の末路をもって、確かな形となった。
武の道を生き、信長の覇道を信じて戦った者が、いまや皆、道の端に追いやられている。
「わたくしの父も、先頃、国を出ました」
そう告げたのは、ミサのあとに声をかけてきた若い侍だった。
「追放ではござらぬ。けれど、家も、名も、捨てるようなかたちで……」
忠三郎は、その若者の顔を見つめながら、ふと己の立場を思った。
松坂は、今はまだ、静かである。
南蛮寺も無事だ。
だが、どれほどの時がこの平穏を許してくれるのか、誰にもわからない。
ただ、ひとつ言えることがあった。
この小さな町の南蛮寺に、かつての都にはなかった温かさがあること。
神の名を口にすることが罪とされる世にあって、それでもなお、この地に種がまかれ、芽吹こうとしているということ。
――ならば、わが身は、如何にしてこの戦国の世を渡るべきであろうか
夜、礼拝堂の鐘が静かに鳴った。
その音は、昔、都で耳にしたものよりも、ずっと低く、深く、土に染み込むような響きだった。
忠三郎はその音を聞きながら、そっと空を仰いだ。
星が瞬いていた。
0
あなたにおすすめの小説
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
九州のイチモツ 立花宗茂
三井 寿
歴史・時代
豊臣秀吉が愛し、徳川家康が怖れた猛将“立花宗茂”。
義父“立花道雪”、父“高橋紹運”の凄まじい合戦と最期を目の当たりにし、男としての仁義を貫いた”立花宗茂“と“誾千代姫”との哀しい別れの物語です。
下剋上の戦国時代、九州では“大友・龍造寺・島津”三つ巴の戦いが続いている。
大友家を支えるのが、足が不自由にもかかわらず、輿に乗って戦い、37戦常勝無敗を誇った“九州一の勇将”立花道雪と高橋紹運である。立花道雪は1人娘の誾千代姫に家督を譲るが、勢力争いで凋落する大友宗麟を支える為に高橋紹運の跡継ぎ統虎(立花宗茂)を婿に迎えた。
女城主として育てられた誾千代姫と統虎は激しく反目しあうが、父立花道雪の死で2人は強く結ばれた。
だが、立花道雪の死を好機と捉えた島津家は、九州制覇を目指して出陣する。大友宗麟は豊臣秀吉に出陣を願ったが、島津軍は5万の大軍で筑前へ向かった。
その島津軍5万に挑んだのが、高橋紹運率いる岩屋城736名である。岩屋城に籠る高橋軍は14日間も島津軍を翻弄し、最期は全員が壮絶な討ち死にを遂げた。命を賭けた時間稼ぎにより、秀吉軍は筑前に到着し、立花宗茂と立花城を救った。
島津軍は撤退したが、立花宗茂は5万の島津軍を追撃し、筑前国領主としての意地を果たした。豊臣秀吉は立花宗茂の武勇を讃え、“九州之一物”と呼び、多くの大名の前で激賞した。その後、豊臣秀吉は九州征伐・天下統一へと突き進んでいく。
その後の朝鮮征伐、関ヶ原の合戦で“立花宗茂”は己の仁義と意地の為に戦うこととなる。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる