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30.陸奥(みちのく)へ
30-2. 義太夫の置き土産
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会津・黒川。 かつて蘆名氏がこの地に城を築いたのは南北朝の頃、すでに二百年を越す歴史を刻んでいる。会津盆地のほぼ中央に位置するこの地は、東西を山脈に囲まれ、広やかな田園と沼沢、野川と呼ばれる緩やかな川の流れが、春から夏にかけて水田を潤していた。
冬には重く、湿った雪が音もなく降り積もり、里を包むようにして山間の村々を静寂の中に閉ざす。それでいて、春ともなれば、桃と桜がいっせいに咲き、芽吹いた稲苗の緑が盆地一帯に命の色を蘇らせる。
土地は肥沃にして、農には向いていた。古くから実りをもたらすこの盆地は、東北の要衝としても知られ、多くの武士たちの野望と血潮に染まってきた地でもある。
蘆名氏を滅ぼした伊達政宗は、居城をそれまでの米沢からこの黒川へと移した。
「伊達左京大夫にとっては、会津を領することは悲願。それゆえに、関白の制止を顧みず兵を挙げ、力ずくでこの地を奪うたのでございましょう」
側近がそう呟いた時、忠三郎は頷きもしなかった。ただ、遠く黒川城の土塁越しに広がる青田の波を見つめていた。
かの伊達政宗も、この地に根を張るつもりであったに違いない。されど、それも叶わず、秀吉の怒りに触れて僅か一年で召し上げられ、代わって自分がこの地を預かることとなった――まるで、戦の煙のあとに落ちた種が、思いがけず芽吹いたかのように。
忠三郎は、まだ見慣れぬこの盆地の空を仰いだ。
雲は高く、夏の陽ざしに照らされて、稜線のかなたへゆっくり流れていた。蝉の声は日野や松坂とは少し違って、深く、涼しげな木霊を孕んでいるように聞こえた。
(わしは、ここに根を下ろすことができるのか――)
そう思いながらも、不思議と胸は重くなかった。
見知らぬ地に生きるということは、過去を捨てることではない。むしろ、すべてを背負ったまま、新たな地に、日野で見たあの朝靄や、松坂で嗅いだ潮の香りを重ねていくことかもしれない。
会津――この静かなる盆地に、忠三郎はかすかながらも、まだ誰のものにもなっていない未来の匂いを感じ始めていた。
広々とした田畑は夕陽に染まり、盆地の風はどこか湿り気を帯びながらも、奥州の夏草の匂いを運んでくる。
雪解け水が潤す広野には、やがて黄金の稲が実るのだろう。遠く、磐梯山の裾野にかかる霞を見ながら、忠三郎は、旧領・日野や松坂とはまた違う豊かさがここにあるのだと感じていた。
けれど――その静けさの底に、確かに冷たい気配がひそんでいた。
ある日の夕暮れ、秀吉の命によって奥州仕置の奉行を任されていた浅野長政が忠三郎のもとを訪れた。
奥の間、灯明一つの仄かな明かりのもと、長政は袴の裾を正して座すと、低く、沈んだ声で口を開いた。
「忠三郎殿……一つ、気にかかる話がございます」
その声音はかすかに緊張を含み、腰に差した脇差の柄に無意識に手が伸びていた。
「この会津の地を手放した伊達左京大夫――どうやら、未だこの地を諦めてはおらぬようにございます」
忠三郎は、膝の前に置かれた湯飲みに目を落としたまま、何も言わなかった。微かな湯気が夜気に溶けて消えてゆく。
「左京大夫は、会津が召し上げられたとき、表向きこそ従順を装いましたが……実のところ、小田原に詰めかけた上方の大軍を前に、一時的に頭を垂れたにすぎぬ、と申す者もおります」
「ふむ」
忠三郎は飄々とした声音で相槌を打ったが、その目はわずかに細められ、外の闇に意識を向けていた。
「しかも……左京大夫は黒川を明け渡すに際し、兵も兵糧も焼き払い、城の井戸に毒を盛るとの噂もございました。あくまで噂ではありますが、事実、この城に入った当初は、井戸水に異臭がありましたな」
長政の語尾には、わずかな怒気と不安が混じっていた。
「そして今も、伊達家の密偵どもがこの城下に潜り込んでいるようにございます。新たな領主たる忠三郎殿の一挙手一投足を探り、隙あらば、何か仕掛けようとしておる……」
「それで、左京大夫は我を恨んでおると?」
「間違いありませぬ。関白殿下に会津を召し上げられた悔しさを、新たにこの地を拝領した忠三郎殿にぶつけるつもりでありましょう。あの男は、ただ従うふりをして、時を窺っておりまする
忠三郎は、ふっと微笑を浮かべ、ぽつりと呟いた。
「なるほど。かの独眼竜、なかなか執念深いと見ゆる」
それは軽口にも似ていたが、長政はその笑みに、緊張を深めた。忠三郎という男の、その掴みどころのなさが時に、敵よりも恐ろしく思えることがある。
「我ら奥州仕置軍は十月には兵をひく所存。会津は忠三郎殿がおる。なんの不安もござらぬ。されど気がかりなのは…」
「我が領国の隣を領する木村殿…」
「いかにも」
会津の東隣、陸奥の旧葛西・大崎領――三十万石を与えられ入封したのは、元明智光秀の家臣、木村吉清。
かの地の国人衆は、かつて伊達政宗に従っていた者たちばかり。
忠誠は薄く、外面は従いつつ、内心では旧主・政宗の帰還を願う声も根強い。
「かの木村殿、どうやら手綱が緩く、国人たちの動きに目が届いておらぬようで。伊達の息がかかっておる者も多く……」
外では風が渡り、簾がかすかに鳴った。
会津盆地の夜は涼しく、城の外壁にあたる風が、まるで遠き山々の方角から政宗の影を運んでくるかのようであった。
忠三郎は、ゆるりと立ち上がった。
その目は、漆黒の帳をたたえた庭の先に注がれたまま、しばし動かなかった。
この地には、まだ陽の射さぬ影の領分がある。
それは過去の亡霊か、あるいは生きたまま潜む怨嗟か――
(されど、我が手で陽を呼び、道を切り開かねばなるまい)
忠三郎の胸に、ふと、古き日の風景が甦った。
日野谷を見守るように聳える綿向山――その麓を駆け巡った日々。
その傍らには、いつも佐助がいた。
誰よりも気丈で、誰よりも忠三郎を慕ってくれた。
綿向山の中腹で風に吹かれ、ふたりで竹を削っては矢を作り、空に向けて放ったあの日の記憶。
あのとき見上げた空は、澄んで、高かった。
あれも、かつては誰のものでもなかった時間。
だが、二人で歩いたからこそ、確かにそこには「故郷」と呼べるものがあったのだ。
ここ会津も、いずれは――
忠三郎の心に灯った小さな炎が、ひとひらの風に揺れた。
けれどその風の向こうに、政宗の影がひたひたと忍び寄っている。
忠三郎は、夜の帳を裂くように、そっと扉を開いた。
夜風が吹き抜ける。盆地を包む静けさの底には、まだ名もなき敵意が蠢いていた。
松坂十二万石から一気に四十二万石――。
会津の広大な地を拝領した蒲生家にとって、それは誇らしくもあり、同時に大いなる試練でもあった。
国替えとはすなわち、人替えである。
伊勢から随行した家臣団だけでは、新領地の支配には到底及ばない。行政、軍事、農政、検地に年貢徴収――山河の果てまで広がる会津の地を治めるには、新たな人材が必要だった。
「人が……足りませぬな」
ある日、関盛信がつぶやいたその言葉に、忠三郎は静かにうなずいた。
もとより会津は蘆名家の旧領、かつての主君を今も慕う地侍や民も少なくはない。そこに信頼を築くためには、目利きした上で人を選び抜かねばならなかった。功を急ぎ、数だけを揃えたとて、国を動かすことはできない。
秀吉の威勢のもと、主家を失い仕官の道を閉ざされた者や、些細な落度から不興を買い浪人となった者、あるいは過去に秀吉と敵対したことで追放された者も少なくない。
そうした者たちは、たとえ才あれど、諸大名からは敬遠され、浪々の身となっていた。
忠三郎はある日、秀吉に直々に願い出た。
「関白殿下。会津という地にて国を治めるには、広く人材を求めねばなりませぬ。中には、昔、殿下の御機嫌を損ねた者もありましょうが、才あり志ある者と見れば、わしの眼にて見極め、召し抱えとうございます」
秀吉は初め、露骨に顔をしかめた。
が、忠三郎のその飄々とした物腰に押されるように、最終的には「忠三郎殿は昔から妙な者を拾うのが得意じゃの」と苦笑しつつ、しぶしぶこれを許した。
「ただし、わしが目をつむるは一度きりぞ。いかなる者を召し抱えるにせよ、責はすべてそちが負うのじゃ。よいな?」
「はは……肝に銘じて、皆々、それがしの命にて抱えまする」
そうして忠三郎は、浪人募集の布令を出したのであった。
布令を出すと、黒川城の門前には、日の本各地から浪人が詰めかけた。主家を失った者、仕官の道を閉ざされた者、そしてただ新たな人生を求めて来た者たち――。
その一人ひとりに、忠三郎は目を通し、言葉を交わした。
それが、忠三郎のやり方であった。
その日、城に現れたのは、小柄で、腰の低いひとりの男であった。
「板倉権内。大和筒井家に仕えておりました」
名乗りを聞くなり、忠三郎の側に控えていた叔父の関盛信が、小声で進言してきた。
「殿、いかに風変わりな者を好まれるとは申せ、こたびは……」
「ふむ?」
忠三郎が首をかしげると、盛信はやや渋い顔で続けた。
「あれは筒井家でも評判の臆病者。槍働きは一度もなく、戦場では木陰に隠れて震えていたと聞き及びます」
「ほう」
その言葉に、かえって忠三郎の目が細められた。
「面白い。連れて参れ」
ややして現れた板倉権内は、緊張の面持ちで忠三郎の前に跪いた。
「拙者ごとき者、よもやまことにお目通りが叶うとは……」
声を震わせる権内を前に、忠三郎はにっこりと笑った。
「わしの噂を聞いて、来たのか?」
問いかけに、権内は正直にうなずいた。
「会津少将様は、風変わりなお方と聞き及びましたゆえ……もしや、わしのような臆病者でも、お召し抱えくださるかと」
「はは、わしの前で『風変わり』とは、よう言うたな」
その笑みに、盛信はますます頭を抱えた。
「よかろう」
忠三郎はあっさりと言った。
「この会津に来て、わしも多くの者を失った。だが新しき国をつくるには、ただ剛の者ばかりを集めても叶わぬ。己を臆病と思う者こそ、慎重にして、思慮深き人材なり。わしはそう思うておる」
その場にいた家臣たちは、またしてもこの主君の「風変わりさ」に頭を抱えるばかりであったが――
一方、板倉権内は、目に涙を浮かべ、頭を地につけるようにして、深々と頭を下げたのだった。
忠三郎が浪人一人ひとりに目を通しはじめて、数日が過ぎた。
城下の門前には、今日も風変わりな者たちが列をなしている。中には、「今度ばかりは殿も匙を投げるであろう」と家臣たちが顔をしかめるような者もいたが、忠三郎はそれを一笑に付した。
「人というものは、他所からの評判だけではわからぬ。何者にもならぬ者ほど、何者にもなり得るからの」
とはいえ、そうした忠三郎の自由な振る舞いは、秀吉の周囲に不安を呼んでいた。
ある日、秀吉からの使者が黒川に届いた。
文面は丁寧ながら、そこに込められた意図は明白である。
「そちの召し抱えたる者の中に、過去、我が命を背きし者の名が見える。あれは赦された者ではなかろう」
忠三郎は文を読み、口元にだけ笑みを浮かべた。
「おかしなことを申すものよ。才ある者を選ぶと申して、あれほどご快諾であったというに」
すぐさま返書をしたためた忠三郎は、最後に一文を加えた。
「――このたびの会津拝領、まことに身に余る栄誉。されど、政宗の件もあり、いずれ奥州は騒がしきこととなりましょう。殿下の御憂いを減らすためにも、わしに任せていただきとうございます。何卒、お目こぼしのほど」
その返書が、秀吉の元に届くや否や、秀吉はしばし無言で宙を見つめていた。
そんな折のことであった。
その日、黒川城に一風変わった男が現れた。
絢爛な唐織風の水干に、どこか芝居がかった立ち居振る舞い。背に唐傘、腰には見事な出来の脇差。見る者すべてが「これは何者ぞ」と眉をひそめるほどの風采だ。
「仕官を願いたい」
男は、番士の問いかけにも名乗ることなく、ただそう一言だけ口にした。手にしていた文を掲げると、それが忠三郎宛の紹介状であることが判明した。
「差し出しは……滝川義太夫殿」
それを聞いた忠三郎は、ふっと目を細めた。義太夫からの書状など、珍しいことではない。されど、封を切った忠三郎は、思わず肩を揺らして笑いを漏らした。
紹介状には、こうしたためてあった。
「会津少将殿へ――昔から風変わりなそなたに、風変わりな一人を託す。
この者、根は悪くない。ただ、いささか目立ちたがりで、風の向くまま気の向くまま。おおかた、おぬしと気が合うじゃろうて。もっとも、合わなんだら追い払っても構わぬ。またどこかで酒でも酌み交わすこともあろう――さて、誰かは見てのお楽しみじゃ」
義太夫拝
「……誰かは見てのお楽しみ、とな。さては、また珍客のようだな」」
忠三郎は紙を傾け、男の姿をちらりと見やった。奇妙な格好、ひょうひょうとした物腰、どこかで見覚えがあるような……そう、あれはまだ若かりし頃。滝川一益の陣中で紹介された――。
「さて、お主。名を尋ねても名乗らぬというのは、いかなる料簡か?」
男は少し芝居がかった仕草で肩をすくめた。
「名乗って信用されるより、見られて値踏みされたい口でしてな」
「ふむ……それではわしが当ててしんぜよう。――前田又左衛門利家の甥にして、かの義太夫の……」
男の目がかすかに見開かれた。
「前田慶次。おぬしであろう?」
それを聞いて、男は破顔し、膝をついた。
「まこと、会津少将殿の御慧眼恐れ入りました」
「忘れたか。義兄・滝川左近の陣中で顔を突き合わせたことを。それにしても、奇なことよな」
湯をすすりながら、忠三郎は慶次をじっと見つめた。そのまなざしに、とくに敵意や猜疑心はなかった。むしろ、どこか楽しげですらある。
「そなた、滝川の縁者。ならばわしを――恨んではおらぬのか?」
問いに、慶次は一拍置いてから、ふっと口元をゆるめた。
「恨む筋合いもござりませぬよ。滝川の運命が傾いたとき、己もろとも沈むと腹を括ったものでござる。されど、しぶとく生き残るのが滝川家に続くものとお思いくだされ」
忠三郎は目を細め、湯呑を静かに卓に置いた。
「たしかに、義太夫に限っては華々しく散るなどということは思いもよらぬこと」
忠三郎は俄かにおかしくなり、笑うと同時に胸の奥がふっと温かくなるのを、感じた。
「それに、恨むも何も、わしとて滝川家を心の底から敬っておったわけではなく……何分、義太夫殿、わしのことを『酒さえあれば役に立つ』などと申されておりましたゆえ」
「ほほう、それは大層な評価だ」
「されど、その『酒さえあれば』の男が、今日こうして会津殿の御前に仕官を願い出ておる。これぞ義太夫殿の計らい」
忠三郎はひとつ息を吐き、天井を仰いだ。
――あの義太夫が、散々持て余した我が子を送ってきた。
懐かしさと共に、妙な嬉しさが込み上げてきた。義太夫とはもう長らく会っていない。だが、文の一筆にも、その男の気風は濃く滲んでいた。
――わしのそばに、またひとり、義太夫が置いていった影法師ができたということか。
「ならば、そなたに問おう。義太夫が『珍妙なもの』と申すこの忠三郎のもとに仕え、何をするつもりか」
慶次は、すっと姿勢を正した。
「戦の才も、政の器も、並の者どまり。されど、面白いと思ったもののそばにいたい――それがわたくしの道にござります。さすればこの会津は、わたくしにとって……じつに妙味に富んでおる」
「うむ」
忠三郎は、笑みを隠さずうなずいた。
「よかろう。共にこの地を歩こうではないか。どこまで続くかわからぬ道だが……面白きことには、違いあるまい」
「恐悦至極にござりまする」
慶次は芝居がかった仕草で礼をした。
忠三郎はその佇まいに、かつて義太夫が見せた若き熱を重ねていた。
――義太夫。やはり、おぬしには敵わぬ。
そう心の中で呟きながら、忠三郎は遠く、日野の山並みと、かの友の笑い声を思い浮かべた。
冬には重く、湿った雪が音もなく降り積もり、里を包むようにして山間の村々を静寂の中に閉ざす。それでいて、春ともなれば、桃と桜がいっせいに咲き、芽吹いた稲苗の緑が盆地一帯に命の色を蘇らせる。
土地は肥沃にして、農には向いていた。古くから実りをもたらすこの盆地は、東北の要衝としても知られ、多くの武士たちの野望と血潮に染まってきた地でもある。
蘆名氏を滅ぼした伊達政宗は、居城をそれまでの米沢からこの黒川へと移した。
「伊達左京大夫にとっては、会津を領することは悲願。それゆえに、関白の制止を顧みず兵を挙げ、力ずくでこの地を奪うたのでございましょう」
側近がそう呟いた時、忠三郎は頷きもしなかった。ただ、遠く黒川城の土塁越しに広がる青田の波を見つめていた。
かの伊達政宗も、この地に根を張るつもりであったに違いない。されど、それも叶わず、秀吉の怒りに触れて僅か一年で召し上げられ、代わって自分がこの地を預かることとなった――まるで、戦の煙のあとに落ちた種が、思いがけず芽吹いたかのように。
忠三郎は、まだ見慣れぬこの盆地の空を仰いだ。
雲は高く、夏の陽ざしに照らされて、稜線のかなたへゆっくり流れていた。蝉の声は日野や松坂とは少し違って、深く、涼しげな木霊を孕んでいるように聞こえた。
(わしは、ここに根を下ろすことができるのか――)
そう思いながらも、不思議と胸は重くなかった。
見知らぬ地に生きるということは、過去を捨てることではない。むしろ、すべてを背負ったまま、新たな地に、日野で見たあの朝靄や、松坂で嗅いだ潮の香りを重ねていくことかもしれない。
会津――この静かなる盆地に、忠三郎はかすかながらも、まだ誰のものにもなっていない未来の匂いを感じ始めていた。
広々とした田畑は夕陽に染まり、盆地の風はどこか湿り気を帯びながらも、奥州の夏草の匂いを運んでくる。
雪解け水が潤す広野には、やがて黄金の稲が実るのだろう。遠く、磐梯山の裾野にかかる霞を見ながら、忠三郎は、旧領・日野や松坂とはまた違う豊かさがここにあるのだと感じていた。
けれど――その静けさの底に、確かに冷たい気配がひそんでいた。
ある日の夕暮れ、秀吉の命によって奥州仕置の奉行を任されていた浅野長政が忠三郎のもとを訪れた。
奥の間、灯明一つの仄かな明かりのもと、長政は袴の裾を正して座すと、低く、沈んだ声で口を開いた。
「忠三郎殿……一つ、気にかかる話がございます」
その声音はかすかに緊張を含み、腰に差した脇差の柄に無意識に手が伸びていた。
「この会津の地を手放した伊達左京大夫――どうやら、未だこの地を諦めてはおらぬようにございます」
忠三郎は、膝の前に置かれた湯飲みに目を落としたまま、何も言わなかった。微かな湯気が夜気に溶けて消えてゆく。
「左京大夫は、会津が召し上げられたとき、表向きこそ従順を装いましたが……実のところ、小田原に詰めかけた上方の大軍を前に、一時的に頭を垂れたにすぎぬ、と申す者もおります」
「ふむ」
忠三郎は飄々とした声音で相槌を打ったが、その目はわずかに細められ、外の闇に意識を向けていた。
「しかも……左京大夫は黒川を明け渡すに際し、兵も兵糧も焼き払い、城の井戸に毒を盛るとの噂もございました。あくまで噂ではありますが、事実、この城に入った当初は、井戸水に異臭がありましたな」
長政の語尾には、わずかな怒気と不安が混じっていた。
「そして今も、伊達家の密偵どもがこの城下に潜り込んでいるようにございます。新たな領主たる忠三郎殿の一挙手一投足を探り、隙あらば、何か仕掛けようとしておる……」
「それで、左京大夫は我を恨んでおると?」
「間違いありませぬ。関白殿下に会津を召し上げられた悔しさを、新たにこの地を拝領した忠三郎殿にぶつけるつもりでありましょう。あの男は、ただ従うふりをして、時を窺っておりまする
忠三郎は、ふっと微笑を浮かべ、ぽつりと呟いた。
「なるほど。かの独眼竜、なかなか執念深いと見ゆる」
それは軽口にも似ていたが、長政はその笑みに、緊張を深めた。忠三郎という男の、その掴みどころのなさが時に、敵よりも恐ろしく思えることがある。
「我ら奥州仕置軍は十月には兵をひく所存。会津は忠三郎殿がおる。なんの不安もござらぬ。されど気がかりなのは…」
「我が領国の隣を領する木村殿…」
「いかにも」
会津の東隣、陸奥の旧葛西・大崎領――三十万石を与えられ入封したのは、元明智光秀の家臣、木村吉清。
かの地の国人衆は、かつて伊達政宗に従っていた者たちばかり。
忠誠は薄く、外面は従いつつ、内心では旧主・政宗の帰還を願う声も根強い。
「かの木村殿、どうやら手綱が緩く、国人たちの動きに目が届いておらぬようで。伊達の息がかかっておる者も多く……」
外では風が渡り、簾がかすかに鳴った。
会津盆地の夜は涼しく、城の外壁にあたる風が、まるで遠き山々の方角から政宗の影を運んでくるかのようであった。
忠三郎は、ゆるりと立ち上がった。
その目は、漆黒の帳をたたえた庭の先に注がれたまま、しばし動かなかった。
この地には、まだ陽の射さぬ影の領分がある。
それは過去の亡霊か、あるいは生きたまま潜む怨嗟か――
(されど、我が手で陽を呼び、道を切り開かねばなるまい)
忠三郎の胸に、ふと、古き日の風景が甦った。
日野谷を見守るように聳える綿向山――その麓を駆け巡った日々。
その傍らには、いつも佐助がいた。
誰よりも気丈で、誰よりも忠三郎を慕ってくれた。
綿向山の中腹で風に吹かれ、ふたりで竹を削っては矢を作り、空に向けて放ったあの日の記憶。
あのとき見上げた空は、澄んで、高かった。
あれも、かつては誰のものでもなかった時間。
だが、二人で歩いたからこそ、確かにそこには「故郷」と呼べるものがあったのだ。
ここ会津も、いずれは――
忠三郎の心に灯った小さな炎が、ひとひらの風に揺れた。
けれどその風の向こうに、政宗の影がひたひたと忍び寄っている。
忠三郎は、夜の帳を裂くように、そっと扉を開いた。
夜風が吹き抜ける。盆地を包む静けさの底には、まだ名もなき敵意が蠢いていた。
松坂十二万石から一気に四十二万石――。
会津の広大な地を拝領した蒲生家にとって、それは誇らしくもあり、同時に大いなる試練でもあった。
国替えとはすなわち、人替えである。
伊勢から随行した家臣団だけでは、新領地の支配には到底及ばない。行政、軍事、農政、検地に年貢徴収――山河の果てまで広がる会津の地を治めるには、新たな人材が必要だった。
「人が……足りませぬな」
ある日、関盛信がつぶやいたその言葉に、忠三郎は静かにうなずいた。
もとより会津は蘆名家の旧領、かつての主君を今も慕う地侍や民も少なくはない。そこに信頼を築くためには、目利きした上で人を選び抜かねばならなかった。功を急ぎ、数だけを揃えたとて、国を動かすことはできない。
秀吉の威勢のもと、主家を失い仕官の道を閉ざされた者や、些細な落度から不興を買い浪人となった者、あるいは過去に秀吉と敵対したことで追放された者も少なくない。
そうした者たちは、たとえ才あれど、諸大名からは敬遠され、浪々の身となっていた。
忠三郎はある日、秀吉に直々に願い出た。
「関白殿下。会津という地にて国を治めるには、広く人材を求めねばなりませぬ。中には、昔、殿下の御機嫌を損ねた者もありましょうが、才あり志ある者と見れば、わしの眼にて見極め、召し抱えとうございます」
秀吉は初め、露骨に顔をしかめた。
が、忠三郎のその飄々とした物腰に押されるように、最終的には「忠三郎殿は昔から妙な者を拾うのが得意じゃの」と苦笑しつつ、しぶしぶこれを許した。
「ただし、わしが目をつむるは一度きりぞ。いかなる者を召し抱えるにせよ、責はすべてそちが負うのじゃ。よいな?」
「はは……肝に銘じて、皆々、それがしの命にて抱えまする」
そうして忠三郎は、浪人募集の布令を出したのであった。
布令を出すと、黒川城の門前には、日の本各地から浪人が詰めかけた。主家を失った者、仕官の道を閉ざされた者、そしてただ新たな人生を求めて来た者たち――。
その一人ひとりに、忠三郎は目を通し、言葉を交わした。
それが、忠三郎のやり方であった。
その日、城に現れたのは、小柄で、腰の低いひとりの男であった。
「板倉権内。大和筒井家に仕えておりました」
名乗りを聞くなり、忠三郎の側に控えていた叔父の関盛信が、小声で進言してきた。
「殿、いかに風変わりな者を好まれるとは申せ、こたびは……」
「ふむ?」
忠三郎が首をかしげると、盛信はやや渋い顔で続けた。
「あれは筒井家でも評判の臆病者。槍働きは一度もなく、戦場では木陰に隠れて震えていたと聞き及びます」
「ほう」
その言葉に、かえって忠三郎の目が細められた。
「面白い。連れて参れ」
ややして現れた板倉権内は、緊張の面持ちで忠三郎の前に跪いた。
「拙者ごとき者、よもやまことにお目通りが叶うとは……」
声を震わせる権内を前に、忠三郎はにっこりと笑った。
「わしの噂を聞いて、来たのか?」
問いかけに、権内は正直にうなずいた。
「会津少将様は、風変わりなお方と聞き及びましたゆえ……もしや、わしのような臆病者でも、お召し抱えくださるかと」
「はは、わしの前で『風変わり』とは、よう言うたな」
その笑みに、盛信はますます頭を抱えた。
「よかろう」
忠三郎はあっさりと言った。
「この会津に来て、わしも多くの者を失った。だが新しき国をつくるには、ただ剛の者ばかりを集めても叶わぬ。己を臆病と思う者こそ、慎重にして、思慮深き人材なり。わしはそう思うておる」
その場にいた家臣たちは、またしてもこの主君の「風変わりさ」に頭を抱えるばかりであったが――
一方、板倉権内は、目に涙を浮かべ、頭を地につけるようにして、深々と頭を下げたのだった。
忠三郎が浪人一人ひとりに目を通しはじめて、数日が過ぎた。
城下の門前には、今日も風変わりな者たちが列をなしている。中には、「今度ばかりは殿も匙を投げるであろう」と家臣たちが顔をしかめるような者もいたが、忠三郎はそれを一笑に付した。
「人というものは、他所からの評判だけではわからぬ。何者にもならぬ者ほど、何者にもなり得るからの」
とはいえ、そうした忠三郎の自由な振る舞いは、秀吉の周囲に不安を呼んでいた。
ある日、秀吉からの使者が黒川に届いた。
文面は丁寧ながら、そこに込められた意図は明白である。
「そちの召し抱えたる者の中に、過去、我が命を背きし者の名が見える。あれは赦された者ではなかろう」
忠三郎は文を読み、口元にだけ笑みを浮かべた。
「おかしなことを申すものよ。才ある者を選ぶと申して、あれほどご快諾であったというに」
すぐさま返書をしたためた忠三郎は、最後に一文を加えた。
「――このたびの会津拝領、まことに身に余る栄誉。されど、政宗の件もあり、いずれ奥州は騒がしきこととなりましょう。殿下の御憂いを減らすためにも、わしに任せていただきとうございます。何卒、お目こぼしのほど」
その返書が、秀吉の元に届くや否や、秀吉はしばし無言で宙を見つめていた。
そんな折のことであった。
その日、黒川城に一風変わった男が現れた。
絢爛な唐織風の水干に、どこか芝居がかった立ち居振る舞い。背に唐傘、腰には見事な出来の脇差。見る者すべてが「これは何者ぞ」と眉をひそめるほどの風采だ。
「仕官を願いたい」
男は、番士の問いかけにも名乗ることなく、ただそう一言だけ口にした。手にしていた文を掲げると、それが忠三郎宛の紹介状であることが判明した。
「差し出しは……滝川義太夫殿」
それを聞いた忠三郎は、ふっと目を細めた。義太夫からの書状など、珍しいことではない。されど、封を切った忠三郎は、思わず肩を揺らして笑いを漏らした。
紹介状には、こうしたためてあった。
「会津少将殿へ――昔から風変わりなそなたに、風変わりな一人を託す。
この者、根は悪くない。ただ、いささか目立ちたがりで、風の向くまま気の向くまま。おおかた、おぬしと気が合うじゃろうて。もっとも、合わなんだら追い払っても構わぬ。またどこかで酒でも酌み交わすこともあろう――さて、誰かは見てのお楽しみじゃ」
義太夫拝
「……誰かは見てのお楽しみ、とな。さては、また珍客のようだな」」
忠三郎は紙を傾け、男の姿をちらりと見やった。奇妙な格好、ひょうひょうとした物腰、どこかで見覚えがあるような……そう、あれはまだ若かりし頃。滝川一益の陣中で紹介された――。
「さて、お主。名を尋ねても名乗らぬというのは、いかなる料簡か?」
男は少し芝居がかった仕草で肩をすくめた。
「名乗って信用されるより、見られて値踏みされたい口でしてな」
「ふむ……それではわしが当ててしんぜよう。――前田又左衛門利家の甥にして、かの義太夫の……」
男の目がかすかに見開かれた。
「前田慶次。おぬしであろう?」
それを聞いて、男は破顔し、膝をついた。
「まこと、会津少将殿の御慧眼恐れ入りました」
「忘れたか。義兄・滝川左近の陣中で顔を突き合わせたことを。それにしても、奇なことよな」
湯をすすりながら、忠三郎は慶次をじっと見つめた。そのまなざしに、とくに敵意や猜疑心はなかった。むしろ、どこか楽しげですらある。
「そなた、滝川の縁者。ならばわしを――恨んではおらぬのか?」
問いに、慶次は一拍置いてから、ふっと口元をゆるめた。
「恨む筋合いもござりませぬよ。滝川の運命が傾いたとき、己もろとも沈むと腹を括ったものでござる。されど、しぶとく生き残るのが滝川家に続くものとお思いくだされ」
忠三郎は目を細め、湯呑を静かに卓に置いた。
「たしかに、義太夫に限っては華々しく散るなどということは思いもよらぬこと」
忠三郎は俄かにおかしくなり、笑うと同時に胸の奥がふっと温かくなるのを、感じた。
「それに、恨むも何も、わしとて滝川家を心の底から敬っておったわけではなく……何分、義太夫殿、わしのことを『酒さえあれば役に立つ』などと申されておりましたゆえ」
「ほほう、それは大層な評価だ」
「されど、その『酒さえあれば』の男が、今日こうして会津殿の御前に仕官を願い出ておる。これぞ義太夫殿の計らい」
忠三郎はひとつ息を吐き、天井を仰いだ。
――あの義太夫が、散々持て余した我が子を送ってきた。
懐かしさと共に、妙な嬉しさが込み上げてきた。義太夫とはもう長らく会っていない。だが、文の一筆にも、その男の気風は濃く滲んでいた。
――わしのそばに、またひとり、義太夫が置いていった影法師ができたということか。
「ならば、そなたに問おう。義太夫が『珍妙なもの』と申すこの忠三郎のもとに仕え、何をするつもりか」
慶次は、すっと姿勢を正した。
「戦の才も、政の器も、並の者どまり。されど、面白いと思ったもののそばにいたい――それがわたくしの道にござります。さすればこの会津は、わたくしにとって……じつに妙味に富んでおる」
「うむ」
忠三郎は、笑みを隠さずうなずいた。
「よかろう。共にこの地を歩こうではないか。どこまで続くかわからぬ道だが……面白きことには、違いあるまい」
「恐悦至極にござりまする」
慶次は芝居がかった仕草で礼をした。
忠三郎はその佇まいに、かつて義太夫が見せた若き熱を重ねていた。
――義太夫。やはり、おぬしには敵わぬ。
そう心の中で呟きながら、忠三郎は遠く、日野の山並みと、かの友の笑い声を思い浮かべた。
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