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30.陸奥(みちのく)へ
30-6. 苦い杯
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会津の山は、もう霜の気配を孕んでいた。
草の匂いも土の色も、夏とは違って鋭く、どこか澄みすぎている。そんな季節に、忠三郎のまわりには、静かに、だが確かに、燻るものがあった。
領内では、古くから住まう国人衆と、蒲生家の家臣団との間に、小さな諍いが絶えなかった。はじめは牛馬の往来や水利の争いといった些細なものであったが、それがやがて血を見るに至り、忠三郎は唇を噛んだ。
「なにかがおかしい」
城中にて、ふとつぶやいた。
松ヶ島に入封した折、荒ぶる地を治めることに心を砕き、民に信を置き、武に頼らぬ政をこころがけた。そのとき感じた手応えとは、明らかに異なる。
会津は広く、美しい――けれども、どこかその美しさの奥に、微かに冷たい目が光っている。そんな気がしてならなかった。
ある晩、城の長廊下にて、三雲新左衛門が忠三郎に声をかけた。
三雲新左衛門は甲賀五十三家のひとつ、三雲家の当主で、父の三雲定持はかつて忠三郎の祖父・快幹とともに六角家の宿老の一人だった。織田家に恭順後、伊勢での戦いを経て蒲生家に仕えるようになったが、普段は言葉少なで、表情も崩さぬ男である。
その新左衛門が、この夜は廊下に立ち止まり、障子に映る月の影をじっと見つめながら、ぽつりと言った。
「殿。……この一連の諍い、自然に起こったものとは思えませぬ」
「……何を言う」
「すべてが、手際が良すぎます。些事を起点に、不信と憎しみが育つよう仕組まれておりましょう。裏に、糸を引く者がいる。よほどの手練れでございます」
忠三郎は目を細めた。
手練れ――それは、新左衛門が「そう呼ぶほど」の者。つまり素破か、それに等しい手口を持つ者。
新左衛門は続けた。
「名は明かせませぬが……我がかつての『知己』が、この地に通じております。今は、その者からの知らせを待っております」
新左衛門の声は、月に隠した影をそっと撫でるような響きを持っていた。
(かつての『知己』…)
忠三郎は黙した。やがて、欄干の向こうに広がる会津の山々に目をやった。
稜線は澄み、夜気は肌を刺すほどに透明だった。美しさのあまり、胸が苦しくなるほどだ。
――やはり平穏に終わりそうにない。
誰が糸を引いているのか、まだ掴めない。だが、新左衛門の言葉が虚ろでないことは、忠三郎の肌が知っていた。背に忍び寄る気配、それは確かに、過去にも何度も感じたもの――。
見えぬ敵は、やがて姿を現すだろう。
そして三雲新左衛門の言う『知己』とは――。
(まさか、佐助か)
三雲佐助――母を失い、誰からも顧みてもらうことのなかった幼き日に姿を現した友。祖父に斬られたと聞いたが、今に至るまで、信じることができなかった。
いや、信じたくなかったのかもしれない。どこかでまだ、あの声が聞こえる気がしていたのだ。
これまで幾度となく、思いがけず命が助かった場面があった。そのたびに、胸の奥に微かな感触が残った。風のざわめき。影の動き。目に映らぬはずの何かが、常に自分を見守っているような――そんな感覚。
――鶴千代、と呼ばれていた頃。
薄暗い土間の匂い。縁側に差し込む柔らかな光。夕餉の前、誰にも見つからぬよう忍び足で抜け出しては、佐助は山から捕まえてきた小動物を得意げに見せにきた。リス、小鳥、ウサギ――。
目を輝かせる忠三郎に、佐助は兄のように生態を語って聞かせた。そうして、いつも最後に口にするのは、決まってこの言葉だった。
「それがしは若の傅役。若が行くところ、火の中、水の中、どこへなりともお傍にお仕えし、この命尽きるまで、若と共におるのがそれがしの役目。決して若を一人にすることはありませぬ。それゆえ、どうか、御案じめさるな』
あの言葉の奥には、子どもであった自分以上に、世の厳しさを知っていた佐助の、心憎いまでの配慮があった。
(佐助は…知っていた…)
忠三郎が、人の言葉を素直に信じることができないことを。誰かの好意を信じるには、あまりに多くの裏切りを見てきたことを。そして、
『鳳雛《ほうすう》から鳳凰となり、空高く飛び立ち、無骨な武士には作ることのできない泰平の世を築くものとなることを願う』
佐助はそう言い残し、姿を消した。
虫の音が止み、ただ風が枝葉を渡る音だけがした。
そのとき、新左衛門が低く言った。
「殿。伊達が、会津を狙っております」
「……左京大夫か」
「はい。奥州一統はもはや形ばかり。奴は旧領奪還を狙い、この地に不和の種をまいております。やつの狙いは、殿が『民のために』と唱え、ひとつにまとめんとする志そのもの」
忠三郎は、長く息を吐いた。
志――それが、もっとも狙いやすいものだと、かの若き竜は知っているのだ。民に寄り添う武将がもっとも脆く、もっとも追い込みやすいと。
月が雲間に隠れた。
とたんにあたりは闇に沈んだ。まるで、物語が、これより深い水底へと入っていくかのようだ。
廊下を離れ、忠三郎はひとり、庭に面した書院の縁側に腰を下ろした。
石灯籠に淡く揺れる火が、秋草の間に細く影を落としている。遠くからは、水の音。どこかで落ち葉を踏む音がしたが、すぐに風にかき消された。
見えぬ敵――伊達政宗。
その名を、声に出すことはない。だが、その気配はすでにこの会津に及んでいる。さざ波のように、気づかぬうちに人心を乱し、小さな疑念を育て、不信を実を結ばせる。
それが、独眼竜と呼ばれた奥州の雄のやり方なのだろう。
忠三郎は、夜の空を見上げた。月は再び雲間から顔をのぞかせていた。
この地は、まだ馴染まぬ。言葉も風も、肌に馴染まぬまま、日々を戦のように過ごしてきた。だが、見上げる空だけは、どこにあっても同じだった。都の南蛮寺の奥にあった礼拝堂の、あの天井画の空と変わらぬ。
そのとき、ふと、心に一つの声がよみがえった。
――「たとえ、我、死の陰の谷を歩むとも禍害を恐れじ。 汝、我とともに在せばなり。汝の笞、汝の杖、我を慰む」
南蛮寺で、右近がそっと唱えたあの詩篇。目を閉じると、あのときの空気が甦った。香のような異国の匂い。木の床に響く足音。そして、ロレンソの静かな声。
(……あれは、ダビデ王の詩だったか)
忠三郎は思った。
命を狙われ、野に追われ、洞窟に身を潜めたダビデ。だがダビデは王を呪わず、剣を抜かず、ただ神の約束を信じた。
選ばれた者には、担うべき杯がある。
忠三郎の心に、かつてロレンソが語った言葉が重なる。
――「苦難こそが、神の呼びかけ。困苦に遭いたりしは我によきことなり。此によりて我、汝の律法を学び得たり。御子イエスもまた、罪も咎もなき身なれど、十字架を担いしもの。その十字架上の死が、世界を照らす光となったのじゃ」
(……ならば、この戦乱の世にあって、我が身が成すべきことは…)
民を守るとは、ただ戦を避けることではない。
人の憎しみと不信の渦中に立ち、なお「和」を選び取る。その道がどれほど孤独であろうとも。
剣を取るものは剣によって滅ぶ。しかし平和をつくる者は幸いだ。その人たちは神の子どもと呼ばれるのだから。
忠三郎は、静かに立ち上がった。
夜の庭に背を向け、再び廊下を歩き出す。その足取りはゆるやかだが、確かな光を携えていた。
影が伸び、また消えていく。月は雲を抜け、わずかながら銀の光を注いでいた。
政宗が仕掛ける罠がどれほど狡猾であろうと、この志は曲げられない。
――天下を再び乱れさせるわけにはいかぬ。
その決意は、風の中にかすかに揺れながら、なお深く根を下ろしていく。
たとえ人の目に愚かに映ろうとも、いと高き方の隠れ場に住む者は、全能者の陰に宿る。
いつか、争いの世に終わりが来る日――その礎の一つとなることを、忠三郎は静かに望んだ。
(家を建てる者たちの捨てた石。それが礎の石となる)
背後で、どこからか風が戸を揺らした。
それはまるで、見えざる手がそっと背を押したかのようだった。
草の匂いも土の色も、夏とは違って鋭く、どこか澄みすぎている。そんな季節に、忠三郎のまわりには、静かに、だが確かに、燻るものがあった。
領内では、古くから住まう国人衆と、蒲生家の家臣団との間に、小さな諍いが絶えなかった。はじめは牛馬の往来や水利の争いといった些細なものであったが、それがやがて血を見るに至り、忠三郎は唇を噛んだ。
「なにかがおかしい」
城中にて、ふとつぶやいた。
松ヶ島に入封した折、荒ぶる地を治めることに心を砕き、民に信を置き、武に頼らぬ政をこころがけた。そのとき感じた手応えとは、明らかに異なる。
会津は広く、美しい――けれども、どこかその美しさの奥に、微かに冷たい目が光っている。そんな気がしてならなかった。
ある晩、城の長廊下にて、三雲新左衛門が忠三郎に声をかけた。
三雲新左衛門は甲賀五十三家のひとつ、三雲家の当主で、父の三雲定持はかつて忠三郎の祖父・快幹とともに六角家の宿老の一人だった。織田家に恭順後、伊勢での戦いを経て蒲生家に仕えるようになったが、普段は言葉少なで、表情も崩さぬ男である。
その新左衛門が、この夜は廊下に立ち止まり、障子に映る月の影をじっと見つめながら、ぽつりと言った。
「殿。……この一連の諍い、自然に起こったものとは思えませぬ」
「……何を言う」
「すべてが、手際が良すぎます。些事を起点に、不信と憎しみが育つよう仕組まれておりましょう。裏に、糸を引く者がいる。よほどの手練れでございます」
忠三郎は目を細めた。
手練れ――それは、新左衛門が「そう呼ぶほど」の者。つまり素破か、それに等しい手口を持つ者。
新左衛門は続けた。
「名は明かせませぬが……我がかつての『知己』が、この地に通じております。今は、その者からの知らせを待っております」
新左衛門の声は、月に隠した影をそっと撫でるような響きを持っていた。
(かつての『知己』…)
忠三郎は黙した。やがて、欄干の向こうに広がる会津の山々に目をやった。
稜線は澄み、夜気は肌を刺すほどに透明だった。美しさのあまり、胸が苦しくなるほどだ。
――やはり平穏に終わりそうにない。
誰が糸を引いているのか、まだ掴めない。だが、新左衛門の言葉が虚ろでないことは、忠三郎の肌が知っていた。背に忍び寄る気配、それは確かに、過去にも何度も感じたもの――。
見えぬ敵は、やがて姿を現すだろう。
そして三雲新左衛門の言う『知己』とは――。
(まさか、佐助か)
三雲佐助――母を失い、誰からも顧みてもらうことのなかった幼き日に姿を現した友。祖父に斬られたと聞いたが、今に至るまで、信じることができなかった。
いや、信じたくなかったのかもしれない。どこかでまだ、あの声が聞こえる気がしていたのだ。
これまで幾度となく、思いがけず命が助かった場面があった。そのたびに、胸の奥に微かな感触が残った。風のざわめき。影の動き。目に映らぬはずの何かが、常に自分を見守っているような――そんな感覚。
――鶴千代、と呼ばれていた頃。
薄暗い土間の匂い。縁側に差し込む柔らかな光。夕餉の前、誰にも見つからぬよう忍び足で抜け出しては、佐助は山から捕まえてきた小動物を得意げに見せにきた。リス、小鳥、ウサギ――。
目を輝かせる忠三郎に、佐助は兄のように生態を語って聞かせた。そうして、いつも最後に口にするのは、決まってこの言葉だった。
「それがしは若の傅役。若が行くところ、火の中、水の中、どこへなりともお傍にお仕えし、この命尽きるまで、若と共におるのがそれがしの役目。決して若を一人にすることはありませぬ。それゆえ、どうか、御案じめさるな』
あの言葉の奥には、子どもであった自分以上に、世の厳しさを知っていた佐助の、心憎いまでの配慮があった。
(佐助は…知っていた…)
忠三郎が、人の言葉を素直に信じることができないことを。誰かの好意を信じるには、あまりに多くの裏切りを見てきたことを。そして、
『鳳雛《ほうすう》から鳳凰となり、空高く飛び立ち、無骨な武士には作ることのできない泰平の世を築くものとなることを願う』
佐助はそう言い残し、姿を消した。
虫の音が止み、ただ風が枝葉を渡る音だけがした。
そのとき、新左衛門が低く言った。
「殿。伊達が、会津を狙っております」
「……左京大夫か」
「はい。奥州一統はもはや形ばかり。奴は旧領奪還を狙い、この地に不和の種をまいております。やつの狙いは、殿が『民のために』と唱え、ひとつにまとめんとする志そのもの」
忠三郎は、長く息を吐いた。
志――それが、もっとも狙いやすいものだと、かの若き竜は知っているのだ。民に寄り添う武将がもっとも脆く、もっとも追い込みやすいと。
月が雲間に隠れた。
とたんにあたりは闇に沈んだ。まるで、物語が、これより深い水底へと入っていくかのようだ。
廊下を離れ、忠三郎はひとり、庭に面した書院の縁側に腰を下ろした。
石灯籠に淡く揺れる火が、秋草の間に細く影を落としている。遠くからは、水の音。どこかで落ち葉を踏む音がしたが、すぐに風にかき消された。
見えぬ敵――伊達政宗。
その名を、声に出すことはない。だが、その気配はすでにこの会津に及んでいる。さざ波のように、気づかぬうちに人心を乱し、小さな疑念を育て、不信を実を結ばせる。
それが、独眼竜と呼ばれた奥州の雄のやり方なのだろう。
忠三郎は、夜の空を見上げた。月は再び雲間から顔をのぞかせていた。
この地は、まだ馴染まぬ。言葉も風も、肌に馴染まぬまま、日々を戦のように過ごしてきた。だが、見上げる空だけは、どこにあっても同じだった。都の南蛮寺の奥にあった礼拝堂の、あの天井画の空と変わらぬ。
そのとき、ふと、心に一つの声がよみがえった。
――「たとえ、我、死の陰の谷を歩むとも禍害を恐れじ。 汝、我とともに在せばなり。汝の笞、汝の杖、我を慰む」
南蛮寺で、右近がそっと唱えたあの詩篇。目を閉じると、あのときの空気が甦った。香のような異国の匂い。木の床に響く足音。そして、ロレンソの静かな声。
(……あれは、ダビデ王の詩だったか)
忠三郎は思った。
命を狙われ、野に追われ、洞窟に身を潜めたダビデ。だがダビデは王を呪わず、剣を抜かず、ただ神の約束を信じた。
選ばれた者には、担うべき杯がある。
忠三郎の心に、かつてロレンソが語った言葉が重なる。
――「苦難こそが、神の呼びかけ。困苦に遭いたりしは我によきことなり。此によりて我、汝の律法を学び得たり。御子イエスもまた、罪も咎もなき身なれど、十字架を担いしもの。その十字架上の死が、世界を照らす光となったのじゃ」
(……ならば、この戦乱の世にあって、我が身が成すべきことは…)
民を守るとは、ただ戦を避けることではない。
人の憎しみと不信の渦中に立ち、なお「和」を選び取る。その道がどれほど孤独であろうとも。
剣を取るものは剣によって滅ぶ。しかし平和をつくる者は幸いだ。その人たちは神の子どもと呼ばれるのだから。
忠三郎は、静かに立ち上がった。
夜の庭に背を向け、再び廊下を歩き出す。その足取りはゆるやかだが、確かな光を携えていた。
影が伸び、また消えていく。月は雲を抜け、わずかながら銀の光を注いでいた。
政宗が仕掛ける罠がどれほど狡猾であろうと、この志は曲げられない。
――天下を再び乱れさせるわけにはいかぬ。
その決意は、風の中にかすかに揺れながら、なお深く根を下ろしていく。
たとえ人の目に愚かに映ろうとも、いと高き方の隠れ場に住む者は、全能者の陰に宿る。
いつか、争いの世に終わりが来る日――その礎の一つとなることを、忠三郎は静かに望んだ。
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