獅子の末裔

卯花月影

文字の大きさ
197 / 214
34.大明征伐

34-2. 潮騒の城

しおりを挟む
 日ノ本の国が最後に、海を越えて兵を送ったのは――千年も昔、大和朝廷の時代にまで遡る。

 唐・新羅連合軍と、大和朝廷・百済連合軍が激突した「白村江の戦」。その結末は唐・新羅の勝利に終わり、滅びた百済の王族や民は、命からがら日ノ本へと渡ってきた。
 大和朝廷は彼らのために地を与えた。江南の蒲生野――その名残は、いまも忠三郎の領していた江南の地に、かすかに息づいている。

 思えば、今回の「唐入り」もまた、あの敗戦から千年を経た、いわば雪辱戦ともいえるのかもしれない。
 しかし、あの戦が滅びゆく同盟国・百済を助けるための戦いであったのに対し、今回は違う。
 大明を征服し、高麗を踏み越えて進軍しようという、秀吉の野望そのもの。
 そこに「正義」の旗印などはない。あるのは、ただ威信と征服の欲望だけ。
(されど…おかしな話もあるものだ)
 そう感じたのは、出立の前、義太夫と交わした会話がきっかけだった。

「なにせ、相手の言葉が通じぬ。話せぬ者とは、まずもって心根を探ることもできぬ。交渉? 和平? 荒唐無稽な話よ。お互い何を怒ってるかすら分からぬまま、刀で語り合うしかなかろう。そら、ただの殺し合いじゃ」
 さながら未来を見通しているかのような言葉だった。
 義太夫はただの茶人でも、風狂でもない。甲賀の素破――影を歩む者。
 直接、高麗の地に赴くことはなくとも、甲賀の者たちは、南蛮船に紛れて対馬を越え、明や高麗に潜んでいるとも聞く。
(義太夫は何かを知っている。いや、知っていて、なお黙していたのではないか)
 秀吉の命を受けて、九州の果て、名護屋にまで築かれた壮麗な陣屋。その背後には、数十万の兵が動員されている。
 しかし、そのすべては、薄氷の上に立つ策にすぎぬのではないか。

 宗義智が治める対馬には、高麗から毎年一万俵の年貢米が送られているという触れ込みであった。
――つまり、高麗はすでに宗氏の「属国」である。
 そうであれば、大明へと進軍するための通路は開かれているはずだった。

 だが現実は違った。秀吉が日ノ本統一の祝賀を求めた使者に、高麗はまともな返答をよこさぬばかりか、対馬との関係すら曖昧にしている。

(もしや…あれは、虚構ではなかったのか)
 宗氏の「属国」など、ただの幻想。作られた情報を信じ、秀吉の軍勢は空理空論の上に歩を進めているのではないか。
(義太夫の言葉には、裏がある)
 そして、その裏には、あの男――ロレンソがいるかもしれない。
 義太夫とは旧知の間柄であり、今や天草から肥前に渡り、宣教師たちを率いて名護屋に姿を現したロレンソ。
(明日には、右近殿とともにロレンソ殿と会うことになっている)
――義太夫があれほどはっきりと「荒唐無稽」と言い切った戦。
それが、ただの猜疑ではないならば。
 今、忠三郎の心に忍び寄るのは、果てしない不安と、過去と未来の裂け目に揺らぐような「声なき予兆」。
 千年前の亡霊が、大陸の風にまぎれて、再び呼び覚まされていくような――。


 忠三郎はふと、居間を離れ、厠へと立った。昼を過ぎたばかりの屋敷にはまだ静けさが漂っていたが、名護屋という戦陣の空気は、どこか落ち着かぬ気配を孕んでいる。
 用を足し、居間へ戻る途中のことだった。ふと目に入った中庭の向こう、詰所の障子越しに人影が揺れていた。何気なく立ち止まり、障子の隙間から中をのぞく。

 加賀山隼人と町野長門守――共に忠三郎の信頼する家臣である二人が、肩を寄せ合い、低く、深刻な顔で話をしている。眉間にしわを寄せたまま、何度も頷き合う姿には、いつになく険しい空気が漂っていた。
「ふたりとも、如何いたした?」
 声をかけると、ふたりははっとして顔を上げ、すぐには答えなかった。ちら、と視線を交わし、互いの顔をうかがうように目を細める。
 町野長門守が何か言いかけたが、その言葉を加賀山が目で制した。逆に今度は加賀山が口を開こうとするも、町野が小さく首を振る。話すべきか否かで揉めているようだった。

 忠三郎は苦笑した。
「どちらが喋るかで喧嘩でも始めるつもりか?」
「……いえ。お話いたしまする」

 沈黙を破ったのは加賀山隼人だった。普段は物静かな男が、決意を込めた声音で口火を切ると、町野長門守も背筋を正した。
「――話というのは、他でもございません。滝川家の皆々様にとって長年の悲願、葉月様の御身についてにございます」
 その名が口にされた瞬間、忠三郎の胸にわずかに鈍い痛みが走った。

 葉月。義兄・一益のたった一人の娘。柴田勝家の嫡男・権六のもとに嫁いだが、勝家が北ノ庄で切腹後、城を落ち延びて伊勢へ逃げようとしていた。それを忠三郎が伊勢での戦乱の最中、偶然見つけ、太閤・秀吉のもとへと送り届けたのだった。
 ――あの時、猿はたしかに申した。しかるべき折に、葉月殿を滝川家に返すと。
 それ以来、忠三郎は何度も、折に触れて返還を願い出てきた。旧臣たちも同じだった。だが返事は「そのうちに」「頃合いを見て」というばかり。幾度となく繰り返されたその約束は、やがて風のように流れ、時だけが過ぎていった。
「殿……葉月様がお戻りになることは、もはや叶いませぬ」
 加賀山の言葉は重く、乾いたように響いた。
 忠三郎は軽く笑ってみせた。
「何を唐突に。太閤は返すと申した。今しばらく待てば――」
「今しばらく、などという時は、とうに過ぎました」
 今度は町野長門守が言葉を継いだ。長門守の声には、怒りでも嘆きでもなく、諦めがにじんでいた。
「……それもそのはず。葉月様は――太閤の妾にされております」
 しん、と、空気が凍りついた。
 庭の松に止まっていた鶯が、一声だけ囀りをあげ、沈黙を破るように飛び去った。
「……何を……申す」
 忠三郎の声は、自分でも驚くほど乾いていた。
 瞼の裏に、かつて幼き葉月が、風に吹かれて花のように笑っていた日々が浮かびあがる。
 忠三郎が沈黙したまま拳を握りしめていると、加賀山はさらに声を低くして言った。
「……葉月様だけではありませぬ。太閤は、故右大臣様や城介様の側室をすべて己の妾とし、果ては徳川殿のご子息の側室や、織田中将様のご息女、前田又左様のご息女までも、己が手元に置いておられます」
 言葉を遮ろうとする間もなく、加賀山は続けた。
「殿は、これらすべて――噂としてではなく、実際に存じておいでのはず」
 ――その話は、たしかに聞いたことがあった。
 秀吉は、大名たちが人質として送った妻や娘を、ことごとく己の側室として手元に置いている。
(如何に卑賤の身とはいえ、そこまでするとは思えぬが――)
 あまりに突拍子もない話だった。
 だからこそ、忠三郎はそれをただの噂話としてしか受け取っていなかった。そればかりか、一度は笑い飛ばした記憶がある。
「猿も偉くなれば、天下に嫉まれるものよ」と。
 それは、まだ秀吉に人の情が残っていると信じていた頃のことだった。
 だが、いま目の前にいる家臣たちの顔には、もはや疑念も戸惑いもない。そこにあるのは、冷めきった現実と、口惜しさと、抗うことのできぬ諦めだった。
「……帰するところ、あれは最初から、返す気などなかったということか」
 自分の声が、どこか遠くから響いてくるようだ。
 忠三郎の中で、かつての軽口がよみがえる。
 ――猿も偉くなれば、嫉まれる。
 いや、違う。あれは、偉くなったのではない。
 ただ「偉く見せねばならぬ」だけの男だったのではないか。
 信長のような天賦の力も、家康のように忍ぶ胆もない男が、己の権威を飾るために、女を喰い、血を飾り、忠義をも弄ぶ。
 忠三郎の口元から、力なく笑いがこぼれた。
 ――ならば、葉月は……その「飾り」のひとつか。
 風が庭を渡り、枝の間で、乾いた音を立てる。空は晴れているのに、庭先に沈む影が濃く見えた。
 忠三郎は、静かに口を開いた。
「隼人。おぬしがそこまで言うには、その話の出どころは…」
「ロレンソ殿でござります」
「ロレンソ殿?では…もしや葉月殿は…」
 加賀山は頷いた。
 幼い頃からロレンソをはじめとするキリシタンたちとの交流が多かった葉月。嫁ぎ先の越前でも、かの地の信徒たちとの縁は絶えなかった。
 そして今、大坂城の奥深くで、葉月は密かに洗礼を受けていたという―
(大坂城内にも……いや、聚楽第にも……キリシタンが多くおるというのか)
 それを思えば、秀吉が突如として伴天連追放令を発した理由も、ただの気まぐれや気質のゆえではないのだろうか。むしろ、秀吉の目には、神を信ずる者たちが、己の治世を脅かす「異物」として映っているのではないか。
「殿……お気づきくだされ。太閤が次々と築かせる城。その度に、我が家がどれほどの負担を背負わされておるか……存じておられぬとは思えませぬ」
 加賀山隼人は、怒りと焦燥を抑えてそう言った。
 方広寺大仏殿、大坂城、聚楽第、名護屋城――
 今や太閤は、己が愛妾のためだけの居城すら築かせようとしている。
 しかも、それは蒲生家ばかりの負担ではない。
 忠三郎の盟友である細川与一郎は、もはや関白秀次に金を借りるほど困窮し、家中では米を売っても賄いきれぬと呻いているという。
 西国の諸大名に至っては、渡海命令まで下され、高麗へと兵を送るよう命じられながら、軍船の建造、兵糧の調達、すべて私財で賄わねばならない。

 このままでは、家が潰れる。
 ただの妾取りではない。
 ただの贅ではない。
 ――この国そのものが、飾りのために壊されつつある。
 忠三郎の背に、静かに冷たい汗がにじんだ。
 心のうちで、何かがきしりと音を立ててひび割れてゆく。
(これは……ただの情の問題ではない。信も、家も、国そのものも……どこかで綻び始めている)
 それを、見て見ぬふりで済ませてよいのか――
 その問いが胸に沈むと同時に、顔には一切の陰りを見せぬよう努めた。微笑すら浮かべていたかもしれない。
「殿!」
 加賀山隼人が、一歩、忠三郎へ詰め寄るように声を張った。真剣なまなざしが、忠三郎の瞳をまっすぐ射抜こうとする。
 しかし忠三郎は、それを穏やかに受け止め、何も語らぬまま視線を庭に戻した。
 湿りを帯びた風が、遠くで竹を鳴らしている。
(いや…)
 今、兵をあげるわけにはいかない それでは、ただの逆心。焦りの色を見せた瞬間に、全てが崩れる。
(機は、熟しておらぬ)
 徳川家康が沈黙しているうちは、太閤の眼は織田家の旧臣たちに注がれる。
 動いてはならない。思うことさえ、顔に出してはならない。
(……天下を覆すのであれば、その時を誤ってはならぬ)
 秀吉が死んだ時――その瞬間こそ、全てが揺らぐ。
 諸大名はそれぞれの腹を割る。
 そして、必ず徳川が兵を挙げる。

 その時こそ、真に天下の行方が決まる刻。
 その波が来るまで、自らは地を這うしかない。
(動くのであれば、その時をおいて他にはない)
 忠三郎は、膝に置いた手をほんのわずかに握った。
 指先に籠もるわずかな緊張。それだけが、内面の荒れ模様を示していた。

 視線を上げれば、加賀山隼人も町野長門守も、いまだ忠三郎の答えを待っていた。
 しかし、忠三郎はただ静かに笑って言った。
「……風が強い。雨になるかもしれぬ。今日はこのあたりで、よかろう」
 鶯の声は、もう聞こえなかった。

 侍女たちが下がり、加賀山隼人も辞したのち、広間には忠三郎と町野長門守の二人だけが残った。
 縁側の襖を少し開け放つと、潮の匂いがぐっと鼻を突いた。波の音が鼓膜の奥にまで響く。さながら、島国の端に取り残されたような錯覚を覚える。――名護屋。九州の果て、肥前国の沿岸に、忽然と現れた軍勢の都。
 長門守が静かに湯飲みを差し出す。忠三郎はそれを受け取り、かすかに笑った。
「長門、変わらぬな。わしが黙り込むと、必ず茶を差し出してくる」
「殿が言葉をお呑みになるときは、いつも胸に毒を溜めておられるときにございます。のどを潤せば、少しは毒もやわらぎましょう」
「なるほど。…されど、のどは潤っても、胸のつかえまでは流せぬようじゃ」
 茶を一口すすりながら、忠三郎は視線を手元にうつした。潮風にまじって、干物を炙る匂いがわずかに鼻先をかすめる。小さな庶民の営みが、この戦雲の地にも確かにあることが、かえって胸に重かった。
 町野長門守は、忠三郎の横顔をじっと見つめていたが、やがて言葉を選びながら口を開いた。
「………されど、殿。われらが今ここ名護屋にあること。その意味を、決して見失われませぬよう」
 忠三郎はゆっくりとうなずいた。
「忘れてはおらぬ。太閤が唐入りを望み、日ノ本の大名たちをここに集めた。大明征伐の前線基地――そのための築城が、この名護屋。百六十を超える陣屋が並び、聚楽第を模した城を取り囲んでおる」
「然様にございます。かつての都も裸足で逃げ出す、異様な景観でございますな」
 口調こそ丁寧だったが、長門守の言葉には皮肉が混じっていた。
「もはや一国を治めるより、この名護屋の維持にこそ、金も人も食われておる。それでいて、どれほどの成果が得られたことか……」
 忠三郎は黙って中庭に視線を移した。肥前の潮風は容赦なく肌を刺し、空には黒雲が低く垂れ込めていた。
「爺の言葉を、覚えておるか」
 忠三郎がぽつりと言う。
「父の、でございますか?」
 町野左近は会津の地で、猪苗代城の城代として忠三郎の留守を預かっている。
「爺が申しておった。『愚かな者ほど大きな城を好む。器に見合わぬ城を建てれば、いずれその重みに潰される』と」 
 長門守はかすかに笑った。
「父もまた、この名護屋を見れば、さぞかし呆れ果てましょうな。殿をお育て申した父のこと、今の世を見て何を思うやら……」
「いや、言うてみよ、長門」
 長門守は、ふと眼差しを和らげた。
「……殿に、目をそらしてほしくはなかったのではないかと。国の形が崩れていく、そのただ中で」
 忠三郎は返す言葉を見つけられなかった。

 家中では多くを語ってはいないが、名護屋に来て日が浅い中で、既に多くのことが見えすぎるほど見えていた。
(高麗が宗氏の属国などと、絵空事)
 名護屋城内の大名たちの詰所では、もっぱらそのことが噂されていた。そればかりか、高麗は明国との関係が深く、豊臣勢が明国まで行くために、高麗を通過することを拒否した。
 明への進軍路は閉ざされた。だが太閤は、それを「無礼」と断じ、ついに出兵の命を下した。
(これでは唐征ではなく、高麗との戦さになる)
 明国と高麗の連合を敵に、言葉も地理も通じぬ異国で戦を続ける……。その果てに何が残るのか。どれだけの命が費やされ、どれだけの歳月が奪われるのか。想像に難くない。
 秀吉の「唐入り」は、もはや夢ではなく、狂気の域に足を踏み入れつつある。名護屋に集った諸大名は、誰もがその愚を悟りながら、口を噤んでいた。いや、噤まされたと言うべきか。
(わしもまた、その一人にすぎぬのか)
 沈黙することで、わずかな平穏と家名を守る。それが、この国の常。

 だが――
 このまま、沈黙を貫いた先に、果たして守るべき家が残るのか。守るべき国が、未来に残りうるのか。
 忠三郎は、ふと中庭の一隅に咲いた椿の花に目をとめた。
 強風に煽られながらも、枝にしがみつくようにして咲いている一輪。
 その艶やかな赤が、なぜか胸に刺さった。
 散ると知りながら、それでもなお咲かねばならぬというかのように――。
 かつて、あの人も、そうだった。
 一益。
 戦乱のなか、数えきれぬほどの犠牲を抱え、それでもなお国を築こうとした男。
 その背に問いを投げかける暇さえなかった若き日々。
 今になってなお、その横顔が、自分の中に生きている。
(このまま終わりなき戦さとなれば、百年続いた戦国を終わらせるために犠牲になった数多の命が無駄になる)
 血で血を洗う日々は、もう十分ではないか。
 民が、女が、子が、ただ田を耕し、麦や稲を刈り、火を囲んで眠るだけの暮らしを望んでいるのなら、
 それこそが、真に守るべき「国」のかたちなのではないか――
(泰平の世を願うことは、弱さではない)
 心の底から、そう思えた。
 いや、思いたかった。
 脳裏にふと、ロレンソがかつて静かに語っていた一節がよぎる。
 キリシタンの修道士――ロレンソがかつて静かに語っていた一節。
『幸福なるかな、平和ならしむる者。その人は神の子と称えられん』
 争いの中に生きてきた者には、あまりにも優しく、儚い響き。
 だが、それでもなお、その言葉は美しく、強かった。

(わしは、この声に背を向けるのか?)
 耳を塞ぐこともできた。目を逸らすこともできた。
 だが、胸の奥底に降り積もっていく何かは、もう無視できなかった。
 ――そなたは、如何するのか。

 その声が、どこからともなく、胸の奥に響いた。
 潮の匂い、波の音、焼けた干物の香りが、すべてをかき消そうとしてもなお、問いは残った。
 それは、逃れようのない問いだった。
 名護屋の空は晴れていた。
 だが、忠三郎の胸の裡には、いまだ夜が明けきらぬままだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

if 大坂夏の陣 〜勝ってはならぬ闘い〜

かまぼこのもと
歴史・時代
1615年5月。 徳川家康の天下統一は最終局面に入っていた。 堅固な大坂城を無力化させ、内部崩壊を煽り、ほぼ勝利を手中に入れる…… 豊臣家に味方する者はいない。 西国無双と呼ばれた立花宗茂も徳川家康の配下となった。 しかし、ほんの少しの違いにより戦局は全く違うものとなっていくのであった。 全5話……と思ってましたが、終わりそうにないので10話ほどになりそうなので、マルチバース豊臣家と別に連載することにしました。

【アラウコの叫び 】第1巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎日07:20投稿】 1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。 マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、 スペイン勢力内部での覇権争い、 そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。 ※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、 フィクションも混在しています。 また動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。 HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。 公式HP:アラウコの叫び youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス insta:herohero_agency tiktok:herohero_agency

猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~

橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。 記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。 これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語 ※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります

織田信長 -尾州払暁-

藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。 守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。 織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。 そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。 毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。 スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2022.04.04) ※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。 ※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

処理中です...