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7.(番外編2)リバ・射精管理・フラット貞操帯・焦らし・寸止め・オナホ
しおりを挟む「じゃあ言ったとおり、明日からニ週間は射精もメスイキも禁止です」
和馬が初めて誠一を抱いた日の夜、ベッドの中でうとうととまどろんでいた時、痛む腰を押さえながら誠一がそう告げた。
「ほ、本気でやんのか・・・?」
「本気も本気、大真面目ですよ」
キッと睨む顔も可愛いな、なんて見惚れている場合ではなかった。二週間なんて、全く達成できる気がしない。
「無理無理、俺そんなに我慢したことないって!」
「大丈夫ですよ、お手伝いしてあげますから。ただし、最初の一週間は自力でがんばりましょうね」
「ヒィッ」
かくして和馬、人生初の二週間禁欲生活がスタートした。最初の5日はこれまでにも我慢したことがあったし、ムラムラはするものの家事や仕事に打ち込むことで誤魔化せた。6日目からは同棲している誠一が目に入るたびに腰に熱が籠ってくる。休みの日など大変だ。
「ふふ、和馬、ムラムラしてる」
「ぅ゙、当たり前だろ・・・」
「風俗の時は溜めて来てたでしょう?ずっと和馬が我慢してるところを見てみたいと思ってたんですよね。嬉しいなぁ」
「誠一、もう無理・・・タマ破裂しそう」
「まだだめですよ、我慢我慢」
「ゔーーー・・・」
寝る前に誠一と同じベッドに入るのは、一周回って最早拷問である。匂いだけでも痛いほど勃ち上がるのに、その温かさが手の届くところにあるのだ。射精しないためには簡単な触れ合いも我慢せざるを得ず、和馬は性欲以外にも満たされないものを抱えて悶々としていた。
そして一週間をなんとか乗り越え、本日は8日目。日曜日ということもあって、和馬は朝から隣で眠る誠一に擦り寄った。
「せーいち」
「ん、和馬、おはようございます・・・」
「おはよ。なぁ誠一、俺一週間も我慢したし、いいだろ・・・?」
「んぅ?朝から興奮してるんですか?」
「うん、誠一の顔見てるだけでもう出そう」
眠気に目をこする誠一に、布団を持ち上げて見事に張ったテントを見せる。誠一がくすくすと笑いながら、その頂点を人差し指で擦った。
「本当ですね。ここ、染みてる」
「ぁ・・・」
その戯れのような刺激でさえ和馬がびくりと体を震わせ、とろとろとあふれた蜜がさらに大きな染みを作っていく。大好きな誠一に抱きつき首元に鼻を寄せながら、もっともっとと誠一の手に腰を擦り付けた。
「だーめ、ほら腰止めて。ちゃんと触ってあげますから、シャワーを浴びてきてください。射精しないように気をつけて、ね?」
「ん、わか、った。すぐ行ってくる」
よかった。誠一も一週間が限界だったんだ。
やっと触れてもらえると喜び勇んで浴室に向かった。ついでに後ろの洗浄もしておく。本当はきちんとほぐしたいところだが、後ろでイくのも禁止されている今、触るのはまずい。ほぐすのは誠一にやってもらうとして、ひとまずシャワーを済ませよう。
この後への期待と溜まった性欲で破裂しそうな陰茎を、暴発しないように冷たい水で清めた。はやる気持ちを抑えながら寝室に戻ると、身支度を整えた誠一がベッドに腰掛けている。その姿を見ただけで我慢を重ねた陰茎が痛いほどに張り詰めた。
「誠一、準備できた」
「じゃあ仰向けに寝てください。膝は立てて、緩く開いて。私に触ってほしいところ、しっかり見せてください」
「・・・ん」
恥ずかしさよりも性欲を満たすことしか考えられない。言われたとおりにすると、誠一が意地の悪い笑みを浮かべた。
「ふふ、おちんちん触ってほしくてたまらないんですね。腰、ちょっと揺れてる」
「せ、いち、はやく・・・っ」
誠一がゆっくりと、和馬に見せつけるように手を伸ばしてくる。あと5センチ。あと3センチ。あと1センチ。じれったくて腰を突き出すのが止められない。
ツツー・・・。
「ふッ、あ゙あ゙っ」
人差し指一本で、根本から裏筋までをなぞりあげられる。もどかしい。もどかしいが、今はその刺激にすらしがみついてしまう。物足りなくて必死に腰を振ると、誠一が擽るように指を動かしてくれた。陰茎が激しく脈を打ち、先端から透明の蜜がどぷどぷとあふれる。
「ああッ、せ、いち、俺、もう・・・っ」
「ん、これだけで?和馬ならもっと耐えられますよね?」
「無理っ、あ゙あ゙ダメ、射精したいっ」
誠一の声が耳を犯す。それだけで陰嚢がぎゅっと持ち上がり、精液が駆け上ってきた。膝が震え、背筋が反り返る。射精寸前のもどかしくも心地いい痺れが全身を包む。
「ぁ゙、出、る・・・」
「だめ」
「ッあ゙あ゙!!」
指を離され、せり上がっていた陰嚢を押し下げられた。陰茎の根本を指でぎゅっと絞られ、そこまで来ていた精液が逆流したのがわかる。苦しくて切なくて、和馬は頭を振り乱した。
「嫌ああ!もう来てたッ!もう出る、もう出るから!」
「だーーめ。まだ射精禁止期間なんですから。今日はちょっと息抜きするだけ」
「嫌だッ、許して誠一、俺もう、射精したいっ、我慢できないッ!」
「だめ。ほら、射精しないなら触ってあげますから」
「あ、あ、あ、はあああッ」
可哀想なほどに血管を浮かせてびくついている陰茎をほんの軽い力で握られただけで、腰から蕩けるような快感に襲われる。どうせ射精できないのだから触られれば触られるほど辛いのに、快感に惚けた頭では目先のことしか考えられなかった。無意識に浮いてくる腰を押さえつけられながら、和馬は甘い嬌声を垂れ流す。
「はあああぅ、ッ、はあっ、あああ!」
「タマタマがぱんぱん。ずっしりしてて可愛いなあ」
「んん、せえいち、もう、またッ、あ゙あ゙あ゙!」
「はい深呼吸して、足の力抜いて。そう、和馬、いい子」
「フーー・・・フーー・・・」
ぐるぐると腹の奥で重い熱が渦巻いている。出したい。思い切り吐き出したい。快感と物足りなさで瞳が潤み、視界がぼやけた。ぽろりと目尻から雫が垂れる。
「ああ、出せないの辛い・・・出したい、せいいち・・・」
「和馬、射精したすぎて泣いちゃったの?可愛すぎる」
ちゅっと額にキスされ、耳元に口を寄せられる。
「ぜーーーったい射精させないけど、まだ触られたい?もう触られたくない?」
「はぁっ、はぁっ、ゔ~~~~~!!!」
ぎゅっと目を瞑り、和馬が消えそうな声で「あとちょっとだけ触って」と呟いた。くすりと笑った誠一が、敏感な裏筋に親指をあてがう。それだけでぞくぞくと背筋が反り上がった。
「は、は、は・・・っ」
「じゃあ、ちょっとだけ触りますね」
親指が裏筋を優しく摩っていく。筆で撫でるように、本当に優しい力で。それでも怖いほどの快感が駆け抜けた。
「はあああっ!あ゙あ゙、誠一、ゆっくり、ゆっくりして・・・ッ、あ゙あ゙だめ、イくぅ!」
「深呼吸ですよ。ふふ、腹筋ガチガチ。ちゃんと我慢できてえらいですね」
「フーー、ッ、はぁっ、フーー・・・」
勝手に体に力が入ってしまうのを、誠一の指示で必死に緩める。また出せなかった精液が陰嚢の中でぐるぐると煮立っていた。
「和馬、まだ触る?」
「もう、ちょっとぉ」
「もっと辛くなっちゃいますよ?」
「いいからぁ!おねが、いっ」
しょうがないなぁとため息を一つ吐いて、誠一が亀頭を手のひらで包んだ。和馬がヒュッと喉を鳴らし、手足が震え出す。
「そこ、は・・・ッ」
「ここなら射精しにくいですから。でも、そもそもイッちゃだめですよ」
「あ゙、そこ、無理ッ!離し、て、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
ゆっくりくるくると撫で回すように手のひらで亀頭全体を擦られる。視界が明滅し、腰がガクガクと痙攣した。立てていた膝が伸びて、つま先が攣りそうになる。
「あ゙ーーー!!だめーーー!!」
「イきそう?ちゃんと言ってください?」
「わかんなッ、ダメ、あ゙あ゙あ゙ッ!」
そこを優しく揉み込まれるたび、神経が焼き切れそうな、もう快感なのかもわからないほどの衝撃が走る。ジタバタと藻搔きながら狂ったようにイクイクと絶叫した。
「はい、終わり」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
壊れてしまう。一週間の禁欲からのお遊びのような手淫なんて、頭が変になってしまう。和馬はあまりの切なさにベッドの上を転げ回った。挙げ句の果てにはシーツに陰茎を擦り付けようとするのを誠一に止められる。
「無理いいい!出したい!出したいッ!」
「だから辛くなるって言ったでしょう。和馬が触ってほしいって言ったんですよ」
「ごめんなさいっ、許して、もう無理、精液出させてくださいっ、お願いします・・・!」
「絶対だめ。ほら、仰向けになって足開いて」
その指示に、絶対射精させないと言われたのも忘れて急いで足を開いた。陰茎がひょこひょこと上下して涎が撒き散らされる。
誠一が暴れるそれと陰嚢をまとめて掴んで、リングのようなものを通した。腫れきったそこの根本がぎゅっと絞られて苦しい。顔を顰める和馬に軽くキスを落とし、誠一が鈴口を広げて何かを尿道に差し込んだ。これまでとは違う鋭い快感。大好きなその刺激に和馬が歓喜の呻き声を上げ、腰を浮かせた。
「ん゙ッ、ぉ゙ーーー・・・」
しかし何かがおかしい。いつもなら深くまで突き刺さり、奥の前立腺をしこたま抉ってくれるはずなのに、挿入されたのは浅いところまでだった。違和感にそこを見てみると、見たことのない薄い円盤形の器具があてがわれている。
「あ、なに・・・」
「ちょっと押さえますよ、ゆっくり息吐いてー」
「えっ、うぐッ、うああ・・・!」
尿道に短いものを埋め込まれたまま、ぐっと陰茎を腹に押し込まれる。鈍い痛みに萎えたことで、先端に押し付けられていた器具が根本のリングに固定された。最後に聞こえたのはカチャンと鍵を閉める音。
和馬が恐る恐る目を開ける。
「ぁ・・・?俺のちんこは・・・?」
そこに自分の性器はなかった。
「な、な、なん、何、何これ」
「フラット貞操帯です。大丈夫、ちんちんはお腹に埋まってるんですよ。あ、鍵は私が持っておきますね」
誠一の笑顔に背筋が凍る。そこに本当に埋まっているのかと下腹部をさすっては信じられないというように誠一を見遣った。
「これ、尿道に入ってる筒からおしっこもできるんですよ。ほら、ここの真ん中の穴です。あ、お風呂の時は外してあげますから、今日から一緒に入りましょうね」
「え、え・・・」
「射精禁止のお手伝い、してあげるって言ったでしょう?ただ、明日からもメスイキや甘イキはだめですからね」
わかった?と念を押され、呆然としながら頷く。誠一は射精など許すつもりはなかったのだ。最初からコレをつけるつもりで和馬にシャワーを浴びてくるよう言ったに違いない。
「ふ、ぅ゙、ぅ゙・・・」
「和馬、泣かないで。ちゃんと気持ちよくしてあげますから」
まだあと一週間も射精できないと思うと涙が出てきた。情けないけれど、男にとってこんなに辛いことはない。しかも散々性感を煽られて、惨めにもこんな器具をつけられて。
「ほら、お尻してあげるから機嫌直して」
「嫌だッ!はなして、今は、無理・・・っ」
抱えられてうつ伏せにされる。貞操帯がシーツに擦れてかちゃかちゃと音を鳴らした。何の刺激も感じなくて、本当に自分の陰茎がなくなってしまったみたいだ。
ショックを受けている暇もなく、誠一に後孔を舐められる。ぬるぬると柔らかいものに犯されるその感覚には、いつまで経っても慣れない。
「ひ、ぁ、せ、いちッ!それ、はあんッ」
「これするとすぐとろとろになっちゃいますね、和馬は」
「ふ、ッん゙ん゙!はああっ」
玉裏から後孔までを舌が何往復もしていく。擽ったさの中に快感が混ざっていて、体が勝手にもじもじと動いた。
「気持ちよくてじっとしていられない?ふふ、可愛い」
「はぁッ、ん゙ん゙、ぁ゙」
快感で頭がぼうっとしてくる。舌から逃れるように動いていた腰は、いつしか奥までねだるようにくねっていた。
「は、は、はぁっ、んんぅ」
「お尻ひくひくしてきた。奥欲しい?はぁ、今入れたら気持ちいいだろうなぁ」
「~~~っ!あああっ、誠一、誠一っ」
「想像したの?はあっ、可愛い、和馬」
しつこく入り口ばかりを舐る音に混じって、くちくちと違う音が聞こえてくる。涙で滲む視界の中、誠一を振り返ると、彼は後孔にしゃぶりつきながら自身の陰茎を手で扱き上げていた。
「ぁ、せえいちだけ、ずるいっ、俺も、ぉ」
「は、は、私だって和馬のここに入れたいのを、我慢してるんですよ。ほら、見て、もう、出そう・・・ッ」
誠一の手の動きが、射精に向けたものに変わる。緩く腰を揺らし、射精直前の快感に喉を反らせた。
「はあっ、かず、ま・・・!」
「フーー・・・フーー・・・ッ!」
ゔ、と低く呻いて、誠一が後孔めがけて射精する。どぷ、どぷ、と何度もそこが濡らされ、吐き出されたものが太ももに垂れていった。
和馬は射精の快感を思い起こしながら必死に股間をシーツに擦り付ける。しかし何の刺激も得られず、中央の穴から透明の汁が出てくるばかりだった。ならばせめてもと、右手を後孔に伸ばす。入り口に溜まっている精液を掬い、そこに指を突き入れようとする、のを、誠一が止めた。
「嫌だッ、俺も、イキたいっ、イキたい!!」
「だーーめ。ほら、体を拭きますよ」
「誠一、お願いッ、まじで、何でもするからぁ!」
「じゃああと一週間いい子で我慢しましょうね」
「無理無理無理無理!!!」
必死にヘコヘコと腰を動かしながら誠一にねだるが、聞き入れてはもらえなかった。遂には赤子のように泣きじゃくり始めたのを、誠一が宥めてあやす。この日はもう何もする気が起きなくて、和馬は日がなベッドの上に丸まっていた。
こんな時でも平日はやってくる。普段以上に仕事に打ち込むことで身を包む疼きを誤魔化そうとはするが、さすがにここまで溜め込んでいるとそれも難しかった。
家に帰れば誠一と一緒に風呂に入ることになり、その裸を見るだけで卒倒しそうになるのに、勃起しないよう冷水で陰茎を洗われる。昨日なんてオナニーをする誠一を見ながら、自分のモノに見立てたディルドを股間に当てて擦らされた。
「ぅ゙、なんでこんなこと・・・」
「ちゃんと自分のちんちんだと思って、っ、扱いてください。ふふ、やっぱり先っぽが好きなんですね」
「やだ・・・ぁ、ぁ」
自分のじゃないただの玩具なのに、途中から変な気分になってきて。腹の奥に埋まったところがきゅんきゅんと疼いて、先端の穴から我慢汁が止まらなくなった。
「ゔ、ゔ、・・・っは」
「必死に扱いてる和馬、可愛い・・・どれだけやっても出せないのに、はあっ!和馬、出そうです・・・っ」
「は、は、誠一っ」
「ん゙ん゙、舌を出してください、ッ、あ゙あ゙、出、るッ!」
「ん゙っ、ん゙っ」
口の中に誠一の味が広がって、青臭いそれがたまらなく愛しくてくらくらする。夢中でディルドを扱きながら味わい、少しずつ飲み下した。
「~~~~~ッ!」
昨日のことを思い出して、押さえつけられた股間に激しい痛みが走る。ズボンにまで我慢汁が染みてきているのが見えた。
「腹でも痛いのか?」
同僚が心配してくれるのを引き攣った笑みで誤魔化す。こんなのがあと数日続くなんて信じられなかった。
そしてようやっと14日目、土曜日。今日さえ、今日さえ耐え切ればこの地獄から解放される。
しかし、目が覚めた時から和馬の体は完全に発情していた。布団が肌に擦れる感覚さえぞくぞくして、慌てて体を起こし、身支度を整える。トイレに行って用を足す際には、尿道を通る感覚でイキそうになり、恥ずかしすぎて少し泣いた。
「和馬、ここまでよくがんばりましたね。今日はキツくしないから、お尻だけ少し触らせて」
「いや、ッ、無理、だめだ・・・っ」
二人で昼食を済ませ、ソファでゆっくりしようとした午後、体が少し落ち着いたと思ったらこうである。少し腰を撫でられただけでハァハァと息を荒げる和馬を、誠一がソファの背にもたれさせ、尻を突き出させた。
「ほんと、無理!触られたら絶対イくって!」
「大丈夫、私が止めますから。はい、少しいきんで」
冷たいローションを垂らされ、びくりと肩が跳ねる。調教された体は素直で、誠一に言われるがまま腹に少し力を入れた。後孔が緩んだのを見計らって誠一の指がゆっくりと入ってくる。
「ううううう・・・っ」
「はい、もう力抜いていいですよ。すごい、柔らかいのにぎゅうぎゅう」
「無理無理無理無理、はあっ、だめ、誠一、イキそぉッ」
「興奮してるから入れただけでイキそうになっちゃいますね。だめだめ、ほら、足緩めて」
「ゔ~~~~~!」
巧みに前立腺に触れないよう指を入れられ、何でもないところを円を描くようにゆっくりと捏ねられる。
「ふ、ふ、んん・・・」
「ここなら大丈夫ですよね」
「いやだぁ・・・」
もどかしすぎて、指がいいところに当たるように和馬の腰が揺れる。その動きはどんどん激しくなり、まるで誰かを犯しているかのように空中に腰を打ちつけた。
「ふっ、ふっ、やだ、やだ、ッんん」
「ここはどう?さっきよりいいでしょう?」
「ん゙ん゙!あ゙あ゙、なんか、漏れそ、ッ!だめーーっ」
「ふふ、精嚢も良さそうですね。ゆっくり浅くこねこねしますよ」
「いやぁぁぁ・・・」
前立腺の少し奥、精嚢を軽く揺らされると、まるで腹から精液を押し出されるような感覚が和馬を襲った。どれだけ力を入れても、唇を噛み締めても、勝手にポンプを押されているような感じがする。
「ゔーーー、なんか、出そ、出ちゃうっ!やばい、誠一、だめッ!」
「うんうん、出ちゃいそうになるね。大丈夫、加減してますから。辛い?じゃあこっち、なんでもないところ触りましょうね」
「は、ぅ・・・」
気持ちいいところを触られても、何も感じないところを触られても、どっちも辛い。なんなら何も感じないところも、ずっと触られているうちに少しずつ気持ちいい気がしてきて辛い。
ゆうに二時間近く後孔を嬲られただろうか。誠一の指はすっかりふやけてしわしわになっていた。
「ふ、ふ、ふ、ぁ、ぁ・・・」
「和馬、ここ気持ちいい?」
「きもちぃ、きもちぃ、ふ、ぁーー・・・」
「性感帯いっぱい増えましたね。ふふ、とろとろになっちゃった」
ぬるま湯に浸かっているような心地よさが続いているせいで、和馬の思考には靄がかかり、脳は蕩けている。誠一が触れるところが全て気持ちいい。
「せえいち、ちゅーして・・・」
「ふふ、和馬、赤ちゃんみたい。ちゅーしても、イかない?」
「がまんする・・・ちゅー」
「わかりました」
「ん、ッ、ん゙ん゙ッ、ふ、ン゙」
おねだりされるがまま、誠一は後孔をまったりと捏ねながらキスを与えた。和馬はびくびくと体を跳ねさせながらも、健気に絶頂を我慢している。唇を離すと、くったりとソファーに体を預けた。
「和馬、少し休みましょうか。明日、たくさん気持ちよくなりましょうね」
その言葉に和馬がふるふると震え、まるで返事をするかのように我慢汁が貞操帯の穴からぴゅっと噴き出した。
念願の射精・絶頂解禁日。
目が覚めて誠一を視界に捉えた瞬間、和馬は陶然としながらカクカクと腰を揺らしていた。
「は、は、は・・・」
「かーずま?発情期のわんちゃんみたいになってますよ」
「は、は、は」
「聞こえてませんね」
誠一の声にうっとりと目を細め、鎖骨に顔を埋めて彼の匂いを胸いっぱいに嗅ぐ。はふ、と甘い吐息を漏らしては、下肢から滲み出る涎をスウェットに染み込ませた。
「和馬、まずはシャワーを浴びましょう」
誠一が和馬の手を引いてベッドを降りた。
朝のシャワーを済ませた和馬は、ベッドに四肢を固定されていた。貞操帯を外された陰茎は、大きく膨らんで解放の時を今か今かと待っている。
「なんで・・・」
「ん?ここまでがんばった和馬を、うーんと気持ちよくしてあげたいから」
「普通に出させて、お願い」
「そんな勿体無いことしませんよ」
腰もベルトで拘束されて動かせない。誠一は懇願する和馬を背にベッドから離れた。冷や汗を垂らしながら誠一を待っていると、彼が大きめのカバンを手に戻ってくる。
「ちゃんと、今までで一番気持ちいい射精、させてあげますからね」
和馬の喉がごくりと鳴った。
「ふ、ん゙ん゙ッ!」
「我慢ですよー、がんばって」
今もまだなぜ我慢をさせられているかというと。
「ほら、私の中で出したいんでしょう?溜めた精液、全部私に注いでくれるんですよね?」
「ぐ、ぅ!あ゙あ゙、入れさせて、早くッ!漏れる、ぅ!」
「だめ。限界まで我慢した方が気持ちいいですから、ね?」
ちゃんと我慢できたら、私の中で出していいですよーー。
そう言われて、今にも破裂しそうな陰茎を唇を噛み締めて堪えているのだ。限界なんてとうに来ているのに。
筒状になった誠一の手が、触れるか触れないかくらいの加減で和馬の陰茎を包み、緩く上下する。カリ首の段差に手がかかると拘束具がガチャガチャと激しく音を立てた。
「お゙、ぉ゙ぉ゙!そこ、無理・・・ッ」
「ここ、好きですね。先っぽも、ほら」
「あ゙ーーー!だめ、出る、出るッ!」
和馬がこめかみに青筋を立てながら喉を反らせる。髪を振り乱し、動かない腰を必死に振り立てようとした。
「はい、我慢。ずっと射精寸前なの、気持ちよくてたまらないでしょ」
「はーー・・・ッ!ぁ゙、ぁ゙・・・」
手を止められ、どろりと白濁の混じった我慢汁が垂れる。それを舌で舐め取られ、そのまま鈴口を抉られながら先端を吸われた。大きく痙攣する腰を誠一が優しく撫でる。
「ふッ、ゔゔ、ッ!あ゙!」
「このまま口で出してもいいんですよ?」
「ゔ、ぁ゙!だめ、誠一、入れたいッ!は、は、入れさせてッ!」
焦点の合わない目で、涎を垂らしながら体を揺する和馬に、誠一がしょうがないなぁと笑った。
「じゃあ解しますから、もう少し我慢ね?」
「ん、ん!俺がやる、やるからッ」
「だめ。見てて。目の前でしてあげます。あ、その前に」
誠一がカバンの中をごそごそと漁る。あったと言って手に持っていたのは、ピンク色の柔らかそうな筒。それを見て和馬の歯がガチガチと鳴った。
「解している間、和馬はこっちで我慢してください。まさか、私の中に出す前に、こんな玩具に出さないですよね?」
シリコンでできた貫通型のオナホールにローションをたっぷりと注ぎながら誠一が言う。見るからに安っぽい作りだ。それでも、今の和馬には恐ろしい凶器にしか見えない。
「ぁ゙、それは・・・無理・・・」
「和馬、これに出したいの?」
「嫌だ!でも、でも、そんな、絶対、我慢、できない・・・っ」
精液は陰茎の根本で、いつでも飛び出そうと息巻いている。指で軽くなぞってもらうだけでも、なんなら誠一を見ているだけでも出そうなのに、射精させるためだけに作られた道具なんて――。
「大丈夫、和馬なら我慢できます。ほら、ここに出してくれるんでしょう?」
「ゔっ!フーー、フーーッ!」
誠一が和馬の顔に跨って尻たぶを広げた。濃いめのピンク色に色づいた後孔が誘うようにヒクヒクしている。目の前に広がる絶景に、和馬の目が血走り鼻息が荒くなった。思わず舌を伸ばすがそこには届かず、かろうじて届く陰嚢をぺろぺろと舐める。
「ふふ、くすぐったいですよ」
「フーー!フーー!」
挿入を期待して腰が勝手に突き上がろうとする。発情しきった犬のように涎を垂らしながら後孔を見つめ、必死に腰を揺すった。
その揺れる陰茎の先が、冷たく濡れる感触。和馬がぎゅっと腹筋に力を入れると、そこが柔らかいものにゆっくりと包まれていく。
「ゔーーー!ッぐ、あ゙!!」
「ゆっくりしてあげるから、我慢ですよー・・・はい、入りました。よく我慢できましたね、偉い偉い」
「ん゙ん゙ーーッ!は、あ゙、あ゙、あ゙!」
ぐっと根元までオナホールに嵌められ、先端の穴から亀頭が飛び出した。締め付けは緩いが、中のひだが深くて弾力がある。中を掻き分けていく感覚がぞわぞわと下肢を痺れさせた。
「はっ、はっ、はっ」
「じゃあこっち解しますから、見ててくださいね」
「ッ!はあっ、はあっ、はあっ!」
誠一の指が後孔に沈んでいく。滑りを帯びた細い指が二本、肉壺の中で絡み合い、くちゅくちゅと濡れた音が響いた。和馬の腹の上で、誠一が悩ましげに「ん、ん」と鳴いている。
「前立腺、きもちい・・・和馬も大好きですよね、ここ・・・ああっ、はあっ」
「はあっ!はあっ!フーー!」
太ももをびくつかせながら、誠一が一点を捏ねているのを目を見開いて見つめた。和馬の体が本人の制御を失ったように、勝手にびくびくと跳ねる。拘束具を激しく鳴らしながら腰を揺らしていると、誠一がそっとオナホールを握った。
「ん゙ん゙ッ!!」
「待たせて、ごめんね、和馬。ちゃんと、動かしてあげますから・・・っ」
「あ゙あ゙あ゙ッ、だめだ、許してッ!漏れる・・・ッ」
軽い力で上下され、待ちに待った抽送に溜まった精液が暴れだす。どれだけゆっくりでも、射精寸前の和馬にとってひだに扱かれる刺激は蕩けるような快感だった。
「はぁーーッ、お゙、ぉ゙、ッぐう!」
「は、は、指、三本入ったぁ・・・」
陰茎に纏わりつくオナホールに、目の前で繰り広げられる誠一のアナニー。和馬はシーツをぎゅっと握りしめ、腹筋を波打たせながら射精感に耐えた。噛み締めた唇からは血が滲んでいる。
「ゔ・・・ッ、ゔーー!がぁッ」
「和馬、見て。ここ、入れたい?ここで、射精したい?」
「はーーーッ、はーーーッ、もう、入れるッ、出す、誠一に、全部、中出し、するッ!ゔゔ!」
狂ったように叫び、拘束具を引きちぎらんばかりに体を揺する和馬に、誠一はぞくぞくと背筋を駆け上る興奮に身悶えた。たまらずオナホールを小刻みに揺すると、全身を痙攣させながら仰け反って激しく呻いている。
「お゙ーーーッ!ぐ、あああッ」
「オナホに出しちゃいますか?オナホでイクイクする?このまま動かし続けたらイッちゃうね、ほら、イクイク、イッちゃう、射精しちゃう・・・」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
誠一の導きに鈴口が震え、尿道がぱくぱくと口を開けた。和馬が獣のような呻き声を上げる。ぴゅっと一筋、白濁混じりの我慢汁が細く噴き出した。
「ぐ、うーーー・・・っ」
「あーあ、漏れちゃった。でもこれだけなら許してあげます。和馬、よく我慢しましたね」
「ふ、ふ、ふ、ぅ゙ーー・・・」
和馬は漏らしてしまった悔しさと悲しさ、解放されない辛さ、そして褒められた嬉しさで感情がぐちゃぐちゃになって涙が止まらなくなった。その涙を誠一に優しく拭われるが、また新しい涙が次々とあふれてくる。
オナホールを引き抜かれ、拘束具が外されていく。自由になった手で陰茎を扱きたくてたまらない。手を噛んでその衝動を堪えながら、めちゃくちゃに腰を振り立てた。
「慌てないの。ちゃんと入れさせてあげますから」
「ゔーーー!ゔーーー!」
「ふふ、もう話せなくなっちゃいました?」
腰を振りたくる和馬を押さえ、誠一が跨る。逃さないというように、その太ももを和馬の手が強く押さえた。
「じっとして、和馬。待て、ですよ」
「は、は、は、は・・・」
まるで犬にするような命令。和馬は涎を垂らしながら、必死に動きそうになる腰を抑えた。
それに誠一が微笑み、ゆっくりと腰を下ろしていく。陰茎がぬかるみに触れ、亀頭が埋まった。きゅんと収縮したそこに絞られ、和馬の全身が戦慄く。
「和馬、よし」
「ーーーーーッ!ーーーーーッ!!」
誠一の許可が先だったのか、和馬の射精が先だったのかはわからない。ずっと望んでいたその瞬間に、声は出なかった。
全身が仰け反り、何度も体が跳ねる。両脚は藻搔くように激しくシーツを蹴った。渦巻いていた下肢の熱が、一点の出口に次々に向かっていく。どろどろとダマになった精液が激しくしぶき、脳まで痺れて息もできない。男に生まれてよかったと心から神に感謝するほどの快感。頭の中で何かがバチバチと爆ぜた。
「和馬、息してください。ん、ん」
激しい痙攣で跳ね飛ばされそうになりながらも、陰茎を全て埋める。絶頂に耐えようと歯を食いしばっている和馬に誠一がキスを落とした。
和馬が震える口を開け、息を吸う。達しているうちに次の絶頂が訪れるせいで射精が止まらない。ごぷごぷと音を立て、誠一の後孔から逆流した精液が大量にあふれた。
「あ゙あ゙ッ、せ、いちッ、射精、止まらな、ッあ゙あ゙!また!」
「ん゙、全部、出してください、もっと・・・」
「あ゙あ゙ッ、出る、出るッ、はああああッ!」
誠一の舌を絡めとりながら、細い腰を押さえる。欲望のままに突き上げ、精液でぬかるんだそこで陰茎を扱いた。最奥の壁も無理矢理こじ開けてカリ首の下まで一気に埋める。絶叫する誠一が逃げようとするのを押さえこみ、何度も何度もしつこく抉った。
「あ゙あ゙、和馬、そこ、は、あ゙ーーーッ!」
「は、は、は、出る、出る、ッゔゔゔ!」
絶頂に引き締まった蜜壺に、和馬の精液が注がれていく。誠一の陰茎からもぱたぱたと精液がこぼれ、和馬の腹に溜まった。
「和馬、和馬、ッは、は、はああっ」
「誠一、だめだ、また・・・ッ、お゙、ぉ゙」
「深、ぃっ!ああ、ッ、私も、止まらな、ッゔああ!」
本能に支配された和馬が、遠慮を忘れてガツガツと誠一の後孔を掘る。興奮でいつもより凶悪な大きさになった陰茎で前立腺を押し込まれ、擦り上げられ、結腸口を扱かれ、最奥を抉られ、誠一は息を吐く間も無く絶頂を重ねた。
「だめ、もうお終いッ!ああ、抜いて、一回抜いてください・・・っ」
「誠一、ごめ、腰、とまんな、い、はあっ、出、るぅ!あ゙あ゙あ゙あ゙!」
どれほど時間が経ったのか、体液に塗れどろどろになった二人が体を離す。和馬がぬかるみから陰茎を抜くと、空気の混じった精液が音を立てて吐き出された。しかし濡れ光る陰茎はまだ萎えていない。
「誠一、ごめん、やりすぎた。でも、まだ治んない・・・」
「ん・・・大丈夫。今度は、お尻、してあげます」
くったりと力を抜き、下肢を和馬の精液で濡らした誠一は妖艶に微笑んだ。こちらもまた陰茎は張りつめたままだ。
ごくり、と生唾を飲んで和馬がうつ伏せになる。腰を掲げ、緩く膝を開き、両手で尻たぶを開いて誠一にそこを晒した。
「和馬、欲しいですか?」
「う、ん、欲しい・・・」
精液が垂れたのだろう。そこはしとどに濡れ、ヒクヒクと動いて期待を隠さない。射精できる悦びで掻き消されていた後ろの快感を思い出し、和馬の腰がくねった。
誠一の指が入ってくる。ローションが入れられ、ぐちゅぐちゅと水音が響いた。元々何も感じなかったところまで開発され、もうどこを触られてもたまらない。さっきまで誠一に雄々しく腰を振っていた姿とは一変し、和馬は体を震わせながら甘く鳴いた。
「はああッ、ん゙ん゙、尻、やば、いッ」
「気持ちいいですか?この上のとこ、どうです?」
「そこッ、あ゙あ゙!うう、イ、きそ、になるッ」
「ここ、前まで何でもないところだったのに、性感帯になっちゃいましたね。いつでもイッていいですからね。はい、イクイクして、お尻気持ちいい、気持ちいい、和馬、イクイク」
「ああああッ!イくッ、イクイク、するッ、せ、いちッ!」
全身が痺れて勝手に力が入る。ぐん、と腰を反らせて何度か腰を振り、硬直した。足から痙攣し始め、それが全身に広がっていく。猛った陰茎からはびゅっと薄い精液が噴き出した。
「ふ、ッ、ん゙ん゙ッ!」
「ふふ、じゃあ次は精嚢です。和馬、ここもう大好きですよね」
「ふ、ああッ!そこ、ぉ゙、漏れる、漏れる、うあ!」
前立腺の奥を揺すられ、勝手に精液が押し出される感覚に和馬が悲鳴を上げる。まだ前の絶頂の余韻で両脚がガクガクしているのに、呻きながらまた射精した。
「あ゙あ゙ッ、キツいっ!今はダメ、あああ、誠一ッ!」
「和馬がお尻でイッちゃうの、本当に可愛いなぁ」
「あ゙ーーー!!あ゙ーーー!!イッ、イッて、る、イクイク、ん゙あああッ」
ぐん、と大きく腰を突き出してから和馬がベッドに倒れ込む。時折りぴくんぴくんと体を痙攣させていて、絶頂の快感が抜けていないのがわかった。
衣擦れの音の後、誠一が覆い被さってくる。尻の間に熱を感じた次の瞬間には、後孔に深く沈められた。
「お゙、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
「ふ、ふ、はぁッ、あつ・・・っ」
いわゆる寝バックの体勢で、和馬の最奥までが一気に犯される。ぐぽ、と音を立てて結腸口を割られた。深い挿入に誠一が気持ちよさそうに甘く息を漏らす。
「ぁ、深、い・・・ッ」
「はあっ、和馬の中、熱くて、絡みついて、とろとろなのにキツくて、すごく気持ちいいです」
「ゔ~~~」
じっとしていても陰茎の脈動が響いてじわじわと快感が増していく。さっきまで絶頂が続いて辛かったはずなのに、もう動いてほしくてたまらない。和馬の気持ちを示すように、蜜壺がきゅうっと誠一のものに吸い付いた。
「はあっ、じれったくなってきました?すごい、先っぽが、吸われる・・・っ」
「ん、ん、せ、いち・・・」
すっかり和馬の声は蕩けていた。ねだるように腰を少し揺らすと、その小さな動きも奥まで響く。もっと欲しくなって和馬は夢中で腰を揺らした。
「ああ、和馬、可愛い・・・ッ!してあげますね、ちゃんと」
「うああああッ!はあっ、奥、やば、やばいッ、お゙お゙ぉ゙!」
焦らされて蕩けた結腸を誠一の亀頭が抉る。脳までぶち抜かれるような快感に、和馬が本能的に逃げようと藻搔いた。ずり上がろうとする和馬の肩を押さえ、誠一が奥へ奥へと体重をかけてピストンする。
カリのくびれが蜜壺全体を抉り、和馬は自分が絶頂しているのか、していないのかすらわからなくなった。誠一が動くたびに下半身が爆発するような快感に襲われている。
「せぇいち、死ぬ、死ぬ、あ゙あ゙、無理ぃ・・・ッ」
「ああ、私も、気持ち良すぎて、死にそう、です!もう、出る、ッ!はあッ!」
誠一が全体重をかけ、結腸を深く犯した。そのまま硬直し、体を痙攣させる。和馬の耳元で苦しげな呻き声が何度かした後、腰を揺すりながら首筋を甘噛みされた。
「和馬、はあっ、もう一回、前から・・・」
「う、ん・・・」
和馬は蕩けた頭で頷く。向き合ってキスをしながら再び繋がると、えもいえぬ快感が二人を包んだ。
「あ、う、せぇいち、気持ちよすぎる・・・イ、くの、とまらない・・・っ、ううう」
「はあっ、私もです。溶けそう・・・」
そこからの二人は、互いの愛を確かめるように、優しくゆっくりと交わった。ネコもタチも関係なく、挿れられて、挿れて、思う存分快楽を味わう。そうして和馬の禁欲生活は無事に終了した。
「結局こうなるんじゃん」
「むしろ前より酷くなりましたね・・・立てそうにないです」
散々ヤリすぎたからと始まった禁欲生活だったが、結局タガが外れた時の反動が大きすぎて、二人してベッドに寝たきり状態である。
「これからはほどほどにやっていこう、な?」
「そんなこと言って、和馬、今回のセックスが癖になってるんじゃないですか?」
「そんなこと、ない、けど」
たしかに、我慢して我慢して焦らされて寸止めされてから射精するのは最高だった。射精するまでが地獄だったけれど。
「和馬、我慢してる時に焦らされたり責められたりするのも大好きでしょう?キツければキツいほど興奮してますもんね」
「いや、本当に辛いんだって」
「嘘つき。また勃ってますよ」
「・・・ぅ゙」
もう何も出ないはずなのに大きく反り返ったそれを握られる。あまりにも正直な自分のムスコに、和馬は呆れたように肩を落とした。
「たまに、は、今日みたいなのも、しよ・・・」
「ふふ。素直でよろしい」
誠一のほころんだ笑顔があまりにも綺麗で、じっと見惚れる。視線が交わり、自然と唇が重なった。軽いキスだけを繰り返しながら、体を包む幸福感に二人はそのまま眠りに落ちていった。
7、番外編終わり。
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