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『上野裕樹』編 【完結】
【8月】過労の果てに
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夏も終盤になり暑さが増していく8月。
俺は究極の状態に陥っていた。
夕方まではカフェとマスバーガーの掛け持ち、夜はホストでアルバイト、空いた時間は琉生のお見舞い
というハードスケジュールをこなし、もうすぐで目標金額を達成するはずであった。
だが、俺の身体は悲鳴を上げていた。
とある日の昼頃、俺はバイト先のマスターにお使いを頼まれて、スーパーまで来ていた。
暑い外と比べてスーパーは天国だ。
「えーっと…卵とゴミ袋と、あった」
さっさと選んでカゴに入れ、会計を済ませる。行きより重くなった自転車を漕いで、バイト先に戻ろうとした。
その瞬間だった。
視界がぐらっとし、紫色の景色になる。
俺の足は止まり、自転車は動きを止め横に倒れる。
ガッシャーン!!
俺はそのまま意識を失い、道の真ん中で倒れた。辺りは、卵が割れて大惨事になってしまった。
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
暗い暗闇の奥から微かに声が聞こえる。
「…!!…ぅ…!!」
(この声……)
「祐…!!」
「……琉生…?」
琉生の声で目を覚ました俺は何故か無意識に琉生の頭をそっと撫でた。
「あれ…俺、なんで…ここに?」
「熱中症だとさ。馬鹿だなお前は。こんな暑いのに3つもかけ…「ああー!!!言うな!!!」
琉生と同じ病室に入院している月人がばらしそうになって、俺はヒヤヒヤした。
幸いにも俺が倒れた場所は車もあまり通ってなく、事故までには至らなかったらしい。
卵が悲惨なことに全部割れてしまったが…
「熱中症って…祐、そんなに何を頑張っているの??」
「…色々な…課題も沢山あるし?でもお前は何一つ心配しなくていいんだよ」
俺はひとまず、琉生にそういって、再び頭を撫でた。
琉生は嬉しそうに満足そうに笑って子猫みたいにくっついてきた。
「こんな暑いのによくくっついてられるな?お二人さん。」
月人はそんなことを言っていたがそんなのお構い無しだ。
琉生が幸せならそれでいい。俺の目標は目の前まで見えている。身体が戻ったらまた頑張ろう。そう決心した。
その日の晩。まだ少し蒸し暑いがすずしい風と月の光が窓から入る。
すると、隣から何かを轢きながらこちらに向かってくる足音が聞こえた。すると、音が止まったかと思えばモゾモゾと誰かが潜ってきた。
「る、琉生!?」
隣で寝ていたはずの琉生だった。
「…今日だけでいいから…一緒に寝よ…??」
琉生に抱きしめられながら上目遣いで言われた。
めっちゃ可愛い…
恥ずかしかったが、俺は琉生の腰にそっと腕を回して、そっと抱きしめ返し一緒に寝ることにした。
暑い夜はまだまだ続くが、幸せすぎてそんなのどうでもよかった。
琉生が寝静まったあと、俺は気付かれないようにそっとキスを落とす。
「琉生、好きだぞ。」
まだ面と向かって言える言葉じゃないが、このことを必ず伝えたいと思う。
俺は究極の状態に陥っていた。
夕方まではカフェとマスバーガーの掛け持ち、夜はホストでアルバイト、空いた時間は琉生のお見舞い
というハードスケジュールをこなし、もうすぐで目標金額を達成するはずであった。
だが、俺の身体は悲鳴を上げていた。
とある日の昼頃、俺はバイト先のマスターにお使いを頼まれて、スーパーまで来ていた。
暑い外と比べてスーパーは天国だ。
「えーっと…卵とゴミ袋と、あった」
さっさと選んでカゴに入れ、会計を済ませる。行きより重くなった自転車を漕いで、バイト先に戻ろうとした。
その瞬間だった。
視界がぐらっとし、紫色の景色になる。
俺の足は止まり、自転車は動きを止め横に倒れる。
ガッシャーン!!
俺はそのまま意識を失い、道の真ん中で倒れた。辺りは、卵が割れて大惨事になってしまった。
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暗い暗闇の奥から微かに声が聞こえる。
「…!!…ぅ…!!」
(この声……)
「祐…!!」
「……琉生…?」
琉生の声で目を覚ました俺は何故か無意識に琉生の頭をそっと撫でた。
「あれ…俺、なんで…ここに?」
「熱中症だとさ。馬鹿だなお前は。こんな暑いのに3つもかけ…「ああー!!!言うな!!!」
琉生と同じ病室に入院している月人がばらしそうになって、俺はヒヤヒヤした。
幸いにも俺が倒れた場所は車もあまり通ってなく、事故までには至らなかったらしい。
卵が悲惨なことに全部割れてしまったが…
「熱中症って…祐、そんなに何を頑張っているの??」
「…色々な…課題も沢山あるし?でもお前は何一つ心配しなくていいんだよ」
俺はひとまず、琉生にそういって、再び頭を撫でた。
琉生は嬉しそうに満足そうに笑って子猫みたいにくっついてきた。
「こんな暑いのによくくっついてられるな?お二人さん。」
月人はそんなことを言っていたがそんなのお構い無しだ。
琉生が幸せならそれでいい。俺の目標は目の前まで見えている。身体が戻ったらまた頑張ろう。そう決心した。
その日の晩。まだ少し蒸し暑いがすずしい風と月の光が窓から入る。
すると、隣から何かを轢きながらこちらに向かってくる足音が聞こえた。すると、音が止まったかと思えばモゾモゾと誰かが潜ってきた。
「る、琉生!?」
隣で寝ていたはずの琉生だった。
「…今日だけでいいから…一緒に寝よ…??」
琉生に抱きしめられながら上目遣いで言われた。
めっちゃ可愛い…
恥ずかしかったが、俺は琉生の腰にそっと腕を回して、そっと抱きしめ返し一緒に寝ることにした。
暑い夜はまだまだ続くが、幸せすぎてそんなのどうでもよかった。
琉生が寝静まったあと、俺は気付かれないようにそっとキスを落とす。
「琉生、好きだぞ。」
まだ面と向かって言える言葉じゃないが、このことを必ず伝えたいと思う。
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