長い詰めより短い必死

 安木龍馬にとって、同じ将棋部員の楠元歩美と将棋を打つ時間はかけがえのないものだった。

 真面目に将棋部の活動に参加しているのはこの2人だけ。それは中学一年からずっと変わらない、2人だけの営みだった。

 かつては地味な印象だった、歩美は高校に入る頃には、元々の素養が開花して知的な美人として周りから注目され始める。
 龍馬の知る限りでも何人かの生徒に告白されたが、歩美はそれを断っている。
 その理由に挙げられたのが『好きな人がいるから』というものだった。

 龍馬は、もしや歩美が好きなのは自分かも知れないと考えたが、将棋と一緒で『詰み筋』が確信できないため動けない。

 そんな2人の関係を、イケメン主将の太原将輝と、マセた新入生、美野原香織がかき乱し始める。

 そして、一行は4人で一泊2日の合宿に向かった。
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