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55 アルファ喪女は愛する息子を競り落とす〜後編〜

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「次は、今宵のご主人様方に、商品の確認をしていただきたいと思います!」

 司会者の説明によると、商品1人につき1分間だけ味見ができるそうだ。ただし、使えるのは手だけ。乳首を掴んだり、口やアナルに指を入れたりすることは可能だ。実際は、アナルにはバイブが装着されているので指を入れて啼かせるよりも、バイブを動かしてよがり声を聞くことになるみたい。
 ωの男の子たちが繋がれた柱が舞台で均等に並べられた。壮観な光景だった。みな個性的な顔立ちでありながら、それぞれ小顔で美貌だった。
 全員ご主人様に厳しく調教され、花開いたωの男の子たちだけが持つ淫靡な雰囲気を醸し出していた。
 私は我先にと産機うぶきのもとへ駆け寄っていった。

産機うぶきッ⁉︎ 喪手奈井もてないさんに売られちゃったの⁉︎」
喪手奈井もてないさんは他の男の子ともエッチしたくなっちゃったらしくて、オレを売ったお金で他の子を買うって言ってたよ♡」
「まあ、なんて薄情なデブ女なのかしらッ! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!! あのクソデブはどこにいるのッ⁉︎」
喪手奈井もてないさんなら、ママの存在に気づいて逃げてったよwww」

 私は産機うぶきの中に入っているバイブのスイッチを入れた。

「あはん、ママ♡」

 くぐもった声を産機うぶきは漏らした。

「安心なさい、産機うぶき。ママが必ず競り落としてあ・げ・る♡」

 産機うぶきの股間はバイブの責めにより、すっかり濡れそぼっていた。バイブがうなりをあげると、愛液が細かい霧状になって周りに飛ばされる。

「ああッ、このままだと、ここでイッちゃうよぉ! 恥を掻いちゃう~♡」
「イクのは恥ずかしいことじゃないわよ。他の商品たちも何人もイッてるじゃない♡ 産機うぶきも遠慮しないでイキなさ~いwww」

 私はバイブを強にすると、固定していたバンドを切って、上下に動かし始めた。
 しばらくして産機うぶきは床柱を引き抜くかというほど激しく動き、顎を反らせて絶頂に達した。


ーーー


 ついにオークションが始まった。
 オークションはまず人気投票から始まる。もちろん、私は産機うぶきに投票した。
 結果は思った通り、1位が産機うぶきだった。

「それでは人気投票トップの産機うぶきくんからオークションを始めたいと思います」

 首輪を付けた産機うぶきは一糸まとわぬ全裸で奥舞台の前方に立たされ、スポットライトが浴びさせられる。
 司会者は持っている鞭を横に払い、産機うぶきの美しい尻を鳴らしてオークションの開始を告げる。
 誰かが「100万」と声を発した。すかさず、「130万」と誰かが言った。最初はさまざまな喪女たちがさまざまなことを言い、あっという間に「200万」まで跳ね上がった。
 司会者はオークションの興奮を煽るように鞭で産機うぶきの尻や床を叩きながらオークションを盛り上げていく。
 200万を過ぎた辺りで喪手奈井もてないさんが会場内に戻ってきていたらしく、「300万」と声をかけた。
 私はダッシュで喪手奈井もてないさんの方に突撃していくと、土手っ腹に向かって思いっきりドロップキックをお見舞いしてやった。

「よくも私の息子をオークションにかけてくれたわね。死ぬ覚悟はよろしくて♡」

 私は怒りのあまり一周回って笑顔で喪手奈井もてないさんに殺意のまなざしを向ける。

「……ご、ごめんなさい、悪気はなかったんです! ちょっと、お金と性欲に目が眩んじゃったと言いますか……はい、ホントすみませんでした! でも、やっぱり後悔しちゃって……産機うぶきくんを買い戻そうかなぁと思って戻ってきちゃいました」

 喪手奈井もてないさんの言い訳を一通り聞いた私は何とか平静を装いつつも厳しい視線を向け続けた。

「ならば、その覚悟を見せない。産機うぶきへの愛の証明として、必ず落札して見せるのよ」

 私は喪手奈井もてないさんにそう言うと、客席に戻っていく。
 今のやり取り中に産機うぶきの値段は一気に上がっていた。
 最終的には予算ギリギリのところで喪手奈井もてないさんが産機うぶきを何とか落札することに成功した。
 ちなみに私が出品した出目夫だめおくんは200万円で落札された。そして、出目夫だめおくんを落札したのは――。

「まさか戸史間としまさんもオークション会場に来てたなんて気づかなかったわ」

 そう言った私は出目夫だめおくんの拘束を解いて、首輪にリードを付けると戸史間としまさんのところまで連れていった。
 戸史間としまさんは出目夫だめおくんを自分の足元に座らせると、満足そうに微笑んで言った。

「ありがとう、貴腐寺院さん♡ 初めてエッチした時から出目夫だめおくんのことが欲しくてたまらなかったんです。出目夫だめおくんと素敵な家庭を築いて幸せになります!」

 私は戸史間としまさんから200万を受け取ると、産機うぶきの方を見つめる。
 産機うぶきは自分が一度売られたにもかかわらず、買い戻してくれた喪手奈井もてないさんに抱きしめられながら満面の笑みを浮かべていた。
 愛する息子の幸せそうな顔を見た私は安心して帰路に着くのだった。
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