壁乳

リリーブルー

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9回目。欲と恋の境界が、もう壊れる

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9回目。
もう、乳首とお腹だけじゃ足りない。
もっと。もっと奥まで触りたい。
日に日につのる欲望。

唇と舌で乳首を舐め転がしながら、同時に、
お腹の、もっと下の方まで撫でようと試みる――

そうしながら、期待と興奮で、自分の動きに合わせて、声が漏れてしまった。

「……っ、あ、ぁ……ん……っ」

穴の奥からも、明らかに涼真の声が聞こえる。

「ん、んっ……ぁ、せんぱ……っ、そこはっ……触っちゃ……だめぇ……っ」

確かに、まだ下半身を触ることは、禁じられている。

だが、その声は、こらえているようで、ほんとはもっと触ってほしそうで、指先が、触れそうで……。

「触ってほしいんだろ?」

「だめっ、だめだからっ!」

なんだ、この焦らしはっ! 壁! 

「あっ……ぁ……っ……もっと、触ってほしいっ……もっと、んんんっ……もっと、下まで……ダメだけどっ……あっ、あぁんっ……」

矛盾することを口走り、相手も、壁の向こうの相手も……涼真も……欲している……!

指を絡め、腹をなぞり、
そして、自分を強く擦り上げる。

腰が跳ね、乳首にしゃぶりつき、
ぐちゃぐちゃに混ざる呼吸と快感。

――二人、ほぼ同時に達した。



◆待合室にて

扉を開けたとき、
涼真と目が合った。

今日は、目をそらさなかった。そして告げた。

「……今日は、俺も、抜いたよ」

そう言ったら、涼真は一瞬、目を見開いたあと――

ぱあっと頬を赤らめて、笑った。

「……そっか。よかったぁ」

幸せそうに微笑みながら、うっとりと天を仰いで涼真は言う。

「僕も……めちゃくちゃおっきい声で喘いじゃいました……。だって、もうお腹だけなんて……我慢できなくないですかっ!? ねえねえ、先輩、次、10回目から、下半身解禁って、知ってました!?」

「そうなのか……」
俺は、ごくりとつばを飲み込んだ。下半身……って、どこまで? それ、するのか? 俺。そこまでしたら、もう戻れない領域にまで……踏み込んでしまうのか?

涼真も、
「うわぁっ、恥ずかしいっ!」
と、頬に手を当ててうつむくけど、その顔、すごく嬉しそうで。

(なんだよそれ……可愛すぎるだろ)

俺は――
涼真を、抱きたいって、思った。

壁ごしじゃなくて。
ちゃんと、この腕で。



次回:10回目。もう、壁はいらない

下半身プレイ解禁。
ついに“すべて”に触れ合える時が来る。
でも、欲しいのは身体じゃない。

「涼真」そのものだ。

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