20 / 32
9回目。欲と恋の境界が、もう壊れる
しおりを挟む
9回目。
もう、乳首とお腹だけじゃ足りない。
もっと。もっと奥まで触りたい。
日に日につのる欲望。
唇と舌で乳首を舐め転がしながら、同時に、
お腹の、もっと下の方まで撫でようと試みる――
そうしながら、期待と興奮で、自分の動きに合わせて、声が漏れてしまった。
「……っ、あ、ぁ……ん……っ」
穴の奥からも、明らかに涼真の声が聞こえる。
「ん、んっ……ぁ、せんぱ……っ、そこはっ……触っちゃ……だめぇ……っ」
確かに、まだ下半身を触ることは、禁じられている。
だが、その声は、こらえているようで、ほんとはもっと触ってほしそうで、指先が、触れそうで……。
「触ってほしいんだろ?」
「だめっ、だめだからっ!」
なんだ、この焦らしはっ! 壁!
「あっ……ぁ……っ……もっと、触ってほしいっ……もっと、んんんっ……もっと、下まで……ダメだけどっ……あっ、あぁんっ……」
矛盾することを口走り、相手も、壁の向こうの相手も……涼真も……欲している……!
指を絡め、腹をなぞり、
そして、自分を強く擦り上げる。
腰が跳ね、乳首にしゃぶりつき、
ぐちゃぐちゃに混ざる呼吸と快感。
――二人、ほぼ同時に達した。
◆待合室にて
扉を開けたとき、
涼真と目が合った。
今日は、目をそらさなかった。そして告げた。
「……今日は、俺も、抜いたよ」
そう言ったら、涼真は一瞬、目を見開いたあと――
ぱあっと頬を赤らめて、笑った。
「……そっか。よかったぁ」
幸せそうに微笑みながら、うっとりと天を仰いで涼真は言う。
「僕も……めちゃくちゃおっきい声で喘いじゃいました……。だって、もうお腹だけなんて……我慢できなくないですかっ!? ねえねえ、先輩、次、10回目から、下半身解禁って、知ってました!?」
「そうなのか……」
俺は、ごくりとつばを飲み込んだ。下半身……って、どこまで? それ、するのか? 俺。そこまでしたら、もう戻れない領域にまで……踏み込んでしまうのか?
涼真も、
「うわぁっ、恥ずかしいっ!」
と、頬に手を当ててうつむくけど、その顔、すごく嬉しそうで。
(なんだよそれ……可愛すぎるだろ)
俺は――
涼真を、抱きたいって、思った。
壁ごしじゃなくて。
ちゃんと、この腕で。
次回:10回目。もう、壁はいらない
下半身プレイ解禁。
ついに“すべて”に触れ合える時が来る。
でも、欲しいのは身体じゃない。
「涼真」そのものだ。
もう、乳首とお腹だけじゃ足りない。
もっと。もっと奥まで触りたい。
日に日につのる欲望。
唇と舌で乳首を舐め転がしながら、同時に、
お腹の、もっと下の方まで撫でようと試みる――
そうしながら、期待と興奮で、自分の動きに合わせて、声が漏れてしまった。
「……っ、あ、ぁ……ん……っ」
穴の奥からも、明らかに涼真の声が聞こえる。
「ん、んっ……ぁ、せんぱ……っ、そこはっ……触っちゃ……だめぇ……っ」
確かに、まだ下半身を触ることは、禁じられている。
だが、その声は、こらえているようで、ほんとはもっと触ってほしそうで、指先が、触れそうで……。
「触ってほしいんだろ?」
「だめっ、だめだからっ!」
なんだ、この焦らしはっ! 壁!
「あっ……ぁ……っ……もっと、触ってほしいっ……もっと、んんんっ……もっと、下まで……ダメだけどっ……あっ、あぁんっ……」
矛盾することを口走り、相手も、壁の向こうの相手も……涼真も……欲している……!
指を絡め、腹をなぞり、
そして、自分を強く擦り上げる。
腰が跳ね、乳首にしゃぶりつき、
ぐちゃぐちゃに混ざる呼吸と快感。
――二人、ほぼ同時に達した。
◆待合室にて
扉を開けたとき、
涼真と目が合った。
今日は、目をそらさなかった。そして告げた。
「……今日は、俺も、抜いたよ」
そう言ったら、涼真は一瞬、目を見開いたあと――
ぱあっと頬を赤らめて、笑った。
「……そっか。よかったぁ」
幸せそうに微笑みながら、うっとりと天を仰いで涼真は言う。
「僕も……めちゃくちゃおっきい声で喘いじゃいました……。だって、もうお腹だけなんて……我慢できなくないですかっ!? ねえねえ、先輩、次、10回目から、下半身解禁って、知ってました!?」
「そうなのか……」
俺は、ごくりとつばを飲み込んだ。下半身……って、どこまで? それ、するのか? 俺。そこまでしたら、もう戻れない領域にまで……踏み込んでしまうのか?
涼真も、
「うわぁっ、恥ずかしいっ!」
と、頬に手を当ててうつむくけど、その顔、すごく嬉しそうで。
(なんだよそれ……可愛すぎるだろ)
俺は――
涼真を、抱きたいって、思った。
壁ごしじゃなくて。
ちゃんと、この腕で。
次回:10回目。もう、壁はいらない
下半身プレイ解禁。
ついに“すべて”に触れ合える時が来る。
でも、欲しいのは身体じゃない。
「涼真」そのものだ。
14
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる