56 / 182
出会う18
しおりを挟む
朝総司と私に混じってたかも短銃の練習に来る。庭の奥に黒揚羽の墓が立っている。これは伯爵が言ったのだ。もちろん黒揚羽は消えてしまったから簪とサイが埋められている。その並びにいくつもの墓が並んでいる。これは伯爵が組んだ仲間達だったようだ。
「その短銃で狙ってくれ」
と総司がたかに言う。
「止めておけ。たかの腕じゃ撃ち殺される」
「任せて置いて撃ってあげる」
すでにたかは短銃を構えている。
「脳みそを撃つからね?」
「やめろ」
その声も虚しく弾丸が飛ぶ。なんと総司の体が余裕で玉を交わしている。まさか時間の隙間を抜けたようではなさそうだ。
「たかは腕がいいから安心。鼠のはどこに飛んでくるか分からないから心配」
「そう言うことか?」
たかは笑いながら短銃をしまう。
「ところで伯爵を見て分かったことがあるの。たかは昔伯爵と会ったことがあると思うの?」
「源内に聞いたよ。初恋の人だって」
「私もたかから聞いたことがある。直弼と昔恋に落ちた話を聞いていたけど、それで密偵のような仕事をするようになった。相当な人を密告したと言っていた。その中で伯爵を逃したことを話していた」
「なぜなの?」
総司が不思議そうに聞いた。
「総司は恋をしたことがないのね?たかは話の中で直弼が人が変わったと言っていた。伯爵は昔の直弼に似ていたと言っていた。私も何となく分かるような気がする」
「その短銃で狙ってくれ」
と総司がたかに言う。
「止めておけ。たかの腕じゃ撃ち殺される」
「任せて置いて撃ってあげる」
すでにたかは短銃を構えている。
「脳みそを撃つからね?」
「やめろ」
その声も虚しく弾丸が飛ぶ。なんと総司の体が余裕で玉を交わしている。まさか時間の隙間を抜けたようではなさそうだ。
「たかは腕がいいから安心。鼠のはどこに飛んでくるか分からないから心配」
「そう言うことか?」
たかは笑いながら短銃をしまう。
「ところで伯爵を見て分かったことがあるの。たかは昔伯爵と会ったことがあると思うの?」
「源内に聞いたよ。初恋の人だって」
「私もたかから聞いたことがある。直弼と昔恋に落ちた話を聞いていたけど、それで密偵のような仕事をするようになった。相当な人を密告したと言っていた。その中で伯爵を逃したことを話していた」
「なぜなの?」
総司が不思議そうに聞いた。
「総司は恋をしたことがないのね?たかは話の中で直弼が人が変わったと言っていた。伯爵は昔の直弼に似ていたと言っていた。私も何となく分かるような気がする」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる