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幕末の終わり11
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村山たかが原田左之助を岩倉のラインを使って調べてくれた。新選組では10番組長だった。総司は1番隊長だった。最後には彰義隊に入って負傷して本所の神保山城守邸で死亡したというのが記録に残っている。
「だが川路が岩倉に提出した調査書では原田左之助の死亡には新潟で発見されたと言う報告がある」
「死んでないのですね?」
「総司や鼠のようなトラベラーではないようね?」
「斎藤一は本人だと言っていた」
総司が答えた。
「10番殿隊長だけど原田は狂いだすと異様な強さがあって、試合では総司には勝てないが実戦では一番強いかもしれないと言っていた。一は一度真剣を合わせたことがあり辛うじて逃げ出したと」
一が言うならそうだろう。
今日は別宅で蜘蛛以外は酒を飲んで話し込んでいる。伯爵はこの屋敷では決してたかを抱かないようだ。だからたかがこの部屋にいることが多い。そう言うたかを総司は警戒している。たかは寝ているとき必ず総司を抱こうとする。もろに下に手を入れてきて唇を吸ってくる。
私が外に出ると総司も付いてくる。私の方が安心できるようだ。庭は広いが荒れ果てている。総司が柄に手をやった。
「抜くなよ」
草むらから蜘蛛が現れた。
「ここを見ろ。これは伊賀で使う見えない糸だ。この糸を壊れた土塀の箇所に張っておいたのだ。執事にも確認したがここを使うことはないと言っていた。2度も破られている。足跡から見ても2人以上だ」
「暗殺団?」
「分からん。ここはたかが使えないから私が天助裏に潜ろう」
「だが川路が岩倉に提出した調査書では原田左之助の死亡には新潟で発見されたと言う報告がある」
「死んでないのですね?」
「総司や鼠のようなトラベラーではないようね?」
「斎藤一は本人だと言っていた」
総司が答えた。
「10番殿隊長だけど原田は狂いだすと異様な強さがあって、試合では総司には勝てないが実戦では一番強いかもしれないと言っていた。一は一度真剣を合わせたことがあり辛うじて逃げ出したと」
一が言うならそうだろう。
今日は別宅で蜘蛛以外は酒を飲んで話し込んでいる。伯爵はこの屋敷では決してたかを抱かないようだ。だからたかがこの部屋にいることが多い。そう言うたかを総司は警戒している。たかは寝ているとき必ず総司を抱こうとする。もろに下に手を入れてきて唇を吸ってくる。
私が外に出ると総司も付いてくる。私の方が安心できるようだ。庭は広いが荒れ果てている。総司が柄に手をやった。
「抜くなよ」
草むらから蜘蛛が現れた。
「ここを見ろ。これは伊賀で使う見えない糸だ。この糸を壊れた土塀の箇所に張っておいたのだ。執事にも確認したがここを使うことはないと言っていた。2度も破られている。足跡から見ても2人以上だ」
「暗殺団?」
「分からん。ここはたかが使えないから私が天助裏に潜ろう」
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