84 / 182
夜明け前6
しおりを挟む
相変わらず総司は口をきいてくれない。逆に源内の娘は書斎に来ては私に話しかける。蜘蛛と執事の孫六は相変わらず犬猿の仲だ。孫六は総司を可愛がっている、
今日は伯爵が新しくできたビアホールに出かける。人力車の前に総司が付き私は後ろから離れて歩く。伯爵は相変わらず政府の要注意人物で私服が2人付いている。戻ってから斎藤一の姿を見ない。川路から罷免されたんだろうか。
ホールに入ると人ごみの中を2階の席に通される。立派な髭を生やした男が伯爵に握手を求める。この人が板垣退助だ。
「退官したそうだな?」
「ああ、やってられん。京都で桐野にあったらしいな?」
「また耳が早いな?」
「岩倉に睨まれているぞ」
私と総司は隣のテーブルで壮士達に囲まれてビールを飲んでいる。
「西郷達はどうだ?」
「やはり最後は負ける」
現在のところ善戦しているような記事が出ている。
「私は政党を作って戦う。もう内乱の時代ではない。力を貸してくれ」
「ああ、私もそう思っている。それで長姉にも援助を依頼してきた」
「今でも長姉殿は天皇家の裏金の金庫番をしているんか?」
「それは遠い昔のことだ」
私は先ほどから壮士に一人が総司に抱き付いているのを睨んでいる。私は懐の短刀を握った。と同時に総司が大男を投げ飛ばした。大男はいきなり刀を抜いたが総司の剣が首元に当てられている。
「止めなさい。彼は原田左之助を切った男ですよ」
と退助が笑っている。どうやら斎藤一は総司が切ったと噂を流したようだ、
どうやらこれからは板垣退助と仕事をするようだ。
今日は伯爵が新しくできたビアホールに出かける。人力車の前に総司が付き私は後ろから離れて歩く。伯爵は相変わらず政府の要注意人物で私服が2人付いている。戻ってから斎藤一の姿を見ない。川路から罷免されたんだろうか。
ホールに入ると人ごみの中を2階の席に通される。立派な髭を生やした男が伯爵に握手を求める。この人が板垣退助だ。
「退官したそうだな?」
「ああ、やってられん。京都で桐野にあったらしいな?」
「また耳が早いな?」
「岩倉に睨まれているぞ」
私と総司は隣のテーブルで壮士達に囲まれてビールを飲んでいる。
「西郷達はどうだ?」
「やはり最後は負ける」
現在のところ善戦しているような記事が出ている。
「私は政党を作って戦う。もう内乱の時代ではない。力を貸してくれ」
「ああ、私もそう思っている。それで長姉にも援助を依頼してきた」
「今でも長姉殿は天皇家の裏金の金庫番をしているんか?」
「それは遠い昔のことだ」
私は先ほどから壮士に一人が総司に抱き付いているのを睨んでいる。私は懐の短刀を握った。と同時に総司が大男を投げ飛ばした。大男はいきなり刀を抜いたが総司の剣が首元に当てられている。
「止めなさい。彼は原田左之助を切った男ですよ」
と退助が笑っている。どうやら斎藤一は総司が切ったと噂を流したようだ、
どうやらこれからは板垣退助と仕事をするようだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる