夢の橋

夢人

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日清戦争11

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 久しぶりに総司を抱いた。幸せだ。
 伯爵に昨日のことを話した。それで李と総司を連れてここ毎日伯爵のいう人を訪ねて回る。すでに殺された人や投獄された人ばかりで先行きが不安だ。今日は総司は腹痛をして部屋で眠っている。
「日本のスパイのいる場所を知っているけど行く?」
「ああ、どこにでも。ここにいれば伯爵は殺される」
 その場所は漢城から離れた倉庫だ。
「ここはね、叔父の店に来る客がいるの」
「娼婦屋の?」
「私も叔父の店に出るところだった」
 李が平然と言う。1刻も歩くと小さな工場が並ぶ。李は倉庫の2階に上がると事務所を覗く。
「来たよ」
「ああ、その端で待ってくれ?」
 その男は朝鮮人で鋭い目をしている。隣のドアが開いて蜘蛛が出てくる。
「蜘蛛か?」
「鼠」
 と言うことで近くの飲み屋に李も連れて行く。
「どうしてきた?」
「伊藤殿の指示で来た。改革派の王族を亡命させる」
「戦争が始まるのか?」
「ああ、天皇の詔が出る。それまでに亡命させるように言われて指揮を取りに来た」
「ここには?」
「漢城には50名がいる」
「船はあるのか?」
「海軍が用意している」
「伯爵と総司も連れて帰ってくれるか?」
「総司にも手伝ってもらえればな?連絡はこの子だな?」











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