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日清戦争16
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総司が馬車の後ろ窓に板を取り付ける。もう目の前に草原が見える。御者が何か話しかける。李が通訳をする。
「あの岩山のところに来たら速度を上げると言っています」
「やはり襲ってくるか?」
後ろの距離が詰まってきているのだ。伯爵も総司も馬車に積んである鉄砲を掴んでいる。私も短銃を構える。15頭いる。恐らく半分を1台目に、残りを2台目にホークは振り分けたのだ。3台目はこれで無事だろう。やはり囮に使われたのだ。
背の高いすすきの中を馬車は転がるように走る。御者がを4頭の馬に鞭を入れた。それでも後ろを追う馬は距離を縮めてきている。最初の銃声が轟いた。馬車の車体に当たった撥ねるような音がする。続けて雨のように降り続く。伯爵と総司と私が応戦する。次に迫ってきた2頭の馬から人が転げ落ちた。岩から銃声がした。追ってくる馬が急に立ち止まった。景色から彼らが消えていく。
「今の内に引き離すと言っている」
3刻走り続けた。もう馬も限界だ。陽が落ちて谷間に街が広がっている。
「ここは商人の屋敷を用意していると言っている」
街に入ると街道から細い道に外れて門構えのある商家の庭に馬車を入れる。中から人が出てきて門を閉めて馬車を納屋に入れる。御者が何か話していて私達は一室に通される。すでに食事が並んでいてマッコリも置かれている。李が廊下で御者と話している。
「未明に出発します。漢城は袁世凱の軍に制圧されたようです。1台目の馬車は2刻走って襲撃されたようです。早馬でここに知らせがあったようです。王族を乗せた馬車は無事に山道を走っているようです」
伯爵がすでにマッコリを飲んでいる。私が総司にマッコリを注ぐ。
「李、ここで別れるか?」
「いえ、まだ私は必要です」
しばらくして廊下に早馬の男が顔を出して李と話している。
「彼らもこの街の旅館に入ったようです」
食事を済ませるとそれぞれがもう眠っている。私は李が総司の手を握って寝ているのを見て微笑んだ。
「あの岩山のところに来たら速度を上げると言っています」
「やはり襲ってくるか?」
後ろの距離が詰まってきているのだ。伯爵も総司も馬車に積んである鉄砲を掴んでいる。私も短銃を構える。15頭いる。恐らく半分を1台目に、残りを2台目にホークは振り分けたのだ。3台目はこれで無事だろう。やはり囮に使われたのだ。
背の高いすすきの中を馬車は転がるように走る。御者がを4頭の馬に鞭を入れた。それでも後ろを追う馬は距離を縮めてきている。最初の銃声が轟いた。馬車の車体に当たった撥ねるような音がする。続けて雨のように降り続く。伯爵と総司と私が応戦する。次に迫ってきた2頭の馬から人が転げ落ちた。岩から銃声がした。追ってくる馬が急に立ち止まった。景色から彼らが消えていく。
「今の内に引き離すと言っている」
3刻走り続けた。もう馬も限界だ。陽が落ちて谷間に街が広がっている。
「ここは商人の屋敷を用意していると言っている」
街に入ると街道から細い道に外れて門構えのある商家の庭に馬車を入れる。中から人が出てきて門を閉めて馬車を納屋に入れる。御者が何か話していて私達は一室に通される。すでに食事が並んでいてマッコリも置かれている。李が廊下で御者と話している。
「未明に出発します。漢城は袁世凱の軍に制圧されたようです。1台目の馬車は2刻走って襲撃されたようです。早馬でここに知らせがあったようです。王族を乗せた馬車は無事に山道を走っているようです」
伯爵がすでにマッコリを飲んでいる。私が総司にマッコリを注ぐ。
「李、ここで別れるか?」
「いえ、まだ私は必要です」
しばらくして廊下に早馬の男が顔を出して李と話している。
「彼らもこの街の旅館に入ったようです」
食事を済ませるとそれぞれがもう眠っている。私は李が総司の手を握って寝ているのを見て微笑んだ。
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