夢の橋

夢人

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夢の橋1

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 あまりにも暗くて静かだ。これが死の世界なのだろうか。どれほど時間が経ったのか分からない。あの世界は夢の世界だったのか。それとも源内が言っていたようにやはり私達はトラベラーだったのか。
「目覚めましたか?」
 白い看護婦の服が眩しい。白い指がブラインダーを開けている。
「3日寝ていましたよ。体が燃えるように熱く熱病かと」
「総司、いえ彼女は?」
「一緒に救急車で運ばれてきましたが、翌日には一般病室に移りました。毎日その妹さんが見えています」
「症状は?」
「お兄さんより軽かったようです。朝食が済んだ頃なので声を掛けましょう」
と出て行く。
 しばらくしてパジャマ姿の総司が走ってきた。
「目が覚めたのね?よかった」
「どこまで覚えている?」
「たかの左腕を切り飛ばしたら後ろの馬車が爆発した」
「よく覚えていたな?」
「空に舞っているうちに風景が歪んできた。一緒に行くと叫んでいた」
 起き上がろうとすると体中が痛い。
「やけどをしているのかな?」
「やけどはしていないけど体が燃えるように熱かった」
「あれから戻った?」
「それが戻れないの?」
 ゆっくりカーテンからおばさんが顔を出す。
「目が覚めた?よかった」
と言って花瓶に新しい花を挿す。






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