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俺と彼女の可愛い主張
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「すま」
「すまない」と俺が謝ろうと口を開くよりも早く静華は畳み掛けるように
「っていっても無理な話だよね! みなとっちにとって煙草の煙や臭いは毒みたいなもんだったんだから! 私が1本も吸わなけりゃ意味なかったよね! ごめんね!」
と早口で喋って俺にその隙を与えなかった。
「静華」
「22時ピッタリ! 滉くん達迎えに行こうっ!」
そして俺の肩に両手を置き、明るい声で店の中へと押し込めようとする。
「あ……あぁ」
腕時計に目をやるとちょうど予定してた時間を針がさしていて、急いであの2人を見つけなければと辺りを見回した。
静華は、子どもの電車ごっこのようにまだ俺の肩に両手を置き続けたまますぐ後ろをついていて
「滉くん達どこかなー? みなとっちはあの子達が好きなゲームとか知ってるんじゃないの?」
と、普通のトーンで話し掛けてくる。
「夏実は特定のゲームしかしないんだけど、滉がチョロチョロするんだよなぁ」
「男子高校生だからそんなもんだよねぇ」
「まぁな……って、いたいた」
数あるメダルゲーム機の中から2人の人影らしきものを発見して足を止めたところで、静華は俺の肩から離れた。
肩に置かれた感触がようやく消え去り内心ホッとした俺に
「やっぱちょっとだけいじめちゃう♪」
と、静華はそっと囁いてきて俺はすぐに後ろを振り向いた。
「えっ?」
「 。」
けたたましい音が聞こえる周囲の店内でも、至近距離の静華の唇の動きははっきりと読み取れて……。
「それは……」
様々な意味で男の気持ちを掴み、締め付けた。
それなのに静華は再び笑い顔に表情を戻して
「過去の話だから!」
と言い
「おーい! 滉くんなつこちゃん! こっちこっち!!」
次いでヘラヘラ笑いながら滉と夏実の名を呼んでこちらへと手招きしている。
「静華、俺お前に酷いこと……」
当然だが、聞いた俺はヘラヘラなどしていられない。
「謝んないで。そんなつもりで言ったんじゃないから」
静華に謝ろうとしても背中をトントン叩かれて、やはりその隙を与えてくれなかった。
「すまない」と俺が謝ろうと口を開くよりも早く静華は畳み掛けるように
「っていっても無理な話だよね! みなとっちにとって煙草の煙や臭いは毒みたいなもんだったんだから! 私が1本も吸わなけりゃ意味なかったよね! ごめんね!」
と早口で喋って俺にその隙を与えなかった。
「静華」
「22時ピッタリ! 滉くん達迎えに行こうっ!」
そして俺の肩に両手を置き、明るい声で店の中へと押し込めようとする。
「あ……あぁ」
腕時計に目をやるとちょうど予定してた時間を針がさしていて、急いであの2人を見つけなければと辺りを見回した。
静華は、子どもの電車ごっこのようにまだ俺の肩に両手を置き続けたまますぐ後ろをついていて
「滉くん達どこかなー? みなとっちはあの子達が好きなゲームとか知ってるんじゃないの?」
と、普通のトーンで話し掛けてくる。
「夏実は特定のゲームしかしないんだけど、滉がチョロチョロするんだよなぁ」
「男子高校生だからそんなもんだよねぇ」
「まぁな……って、いたいた」
数あるメダルゲーム機の中から2人の人影らしきものを発見して足を止めたところで、静華は俺の肩から離れた。
肩に置かれた感触がようやく消え去り内心ホッとした俺に
「やっぱちょっとだけいじめちゃう♪」
と、静華はそっと囁いてきて俺はすぐに後ろを振り向いた。
「えっ?」
「 。」
けたたましい音が聞こえる周囲の店内でも、至近距離の静華の唇の動きははっきりと読み取れて……。
「それは……」
様々な意味で男の気持ちを掴み、締め付けた。
それなのに静華は再び笑い顔に表情を戻して
「過去の話だから!」
と言い
「おーい! 滉くんなつこちゃん! こっちこっち!!」
次いでヘラヘラ笑いながら滉と夏実の名を呼んでこちらへと手招きしている。
「静華、俺お前に酷いこと……」
当然だが、聞いた俺はヘラヘラなどしていられない。
「謝んないで。そんなつもりで言ったんじゃないから」
静華に謝ろうとしても背中をトントン叩かれて、やはりその隙を与えてくれなかった。
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