【完結】彼女が18になった

チャフ

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俺の口吸い彼女の甘噛み

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 俺の頭に「ハロウィン」だとか「仮装」だとかいう用語が再度浮上したのは31日の19時前。
 いつものように夏実が俺の為に夕食を作って待っていてくれているんだろうと思いながら帰宅して扉を開けた……その直後だった。

「おっかえりー! みなとっち待ってたよ~♪」
「!!!!」

 家の中から出てきた人物が予想外過ぎて俺の頭がパニックになる。

(えっ?! なんで?? なんでここに静華が居るんだ??!!)

 まさか部屋番号を間違えたのかと思って一瞬表札を確認したのだが番号はちゃんと合っているし、そもそも扉を開ける前に自分で解錠したじゃないかと冷静に思い返す。

「もー! 外寒くなってきたんだから早く入んなよー!」

 驚く俺に対し、昔からの笑い顔で手招きしてくる静華。

「早く入れって、そもそもなんでお前が俺の家の中に居るんだよ?意味がわからねーんだけど!?」

 取り敢えず扉を閉めてから静華にそれを問い質してみる。

(っていうか夏実はちゃんと中に居るのか? いや……中に居たとしてもだ。元カノがこんなところで俺を出迎えるシチュエーション自体おかしいだろ!! 絶対!!)

「なんでみなとっちの家の中に居るかとか訊かれてもなぁ……なんか、今更っていうかぁ」

 それなのに静華は間延びした声で俺を見下すような目付きをした。

「今更ってなんなんだよ!? まるで俺の家に来たのが初めてじゃないみたいな言い方……」

 その上俺の言葉に静華がニヤリと笑い

「だってその通りなんだもん♪」

 と俺に爆弾発言をする。

「初めてじゃないってお前!! まさか夏実に言い寄って無理に押しかけたんじゃ??!」
「んなわけないでしょ。バカなの? みなとっち」

 静華は完全に俺を馬鹿にした表情になり、俺の手から鞄を奪い取る。

「あっ!」
「食事の支度は私となつこちゃんで用意したし、なつこちゃんは向こうの部屋で待機してるから。だからみなとっちは早く汗流してきてね」

 靴を脱いだ俺をリビングに向かわせる事なく、バスルームまでグイグイと背中を押して強制的に俺を移動させる静華の行動がなんとも謎で

「だからなんでお前に指図されなきゃいけないんだよ!」

 と俺も口では抵抗してみたのだが

「なつこちゃんの可愛い仮装姿、みなとっちは堪能したくないの? 彼氏として」

 脱衣所に押し込められた瞬間、静華から耳元でそう囁かれて俺の肩がピクッと反応した。

「仮装……姿?」
「だって今日はハロウィンでしょ? なつこちゃんがみなとっちに仮装姿を見せたいからって、私にヘアメイクの手伝いを依頼してきたのよ! なつこちゃんが!! 
 直々にオファーされて来てんの私はっ!!」
「ヘアメイクの依頼ぃ? わざわざ?」

 夏実なら自分でもヘアアレンジしたりメイクするくらい難なく出来そうだと思うのだが、何故わざわざ他人に手伝わせるのだろうと疑問に思った。
 
「みなとっちは相変わらず女の子の気持ちを理解してないよね」

 だが静華はまた俺を見下すような目をし、呆れたような溜め息までいている。

「とにかく! なつこちゃんが可愛い格好して待ってるんだから早くシャワー浴びて汗流してきてよね!」

 静華は最終的にそう言って脱衣所の引き戸を閉めてしまった。

「なんなんだあいつ……」

 確かに今日がハロウィン当日だという事も数日前村川くんと交わした会話の内容も、たった今まで忘れていた。
 あの時の村川くんの口ぶりからして夏実が俺に仮装した姿を見せたい気持ちがあるというのもなんとなく分かっている。
 だからといって、夏実を部屋に隠してまで静華に見下されるような態度や言動を取ったというのだろうか? ……と、全裸になりシャワーを浴びながら俺は思った。


「そういや、風呂上がりの姿を元カノに見られるって倫理的にどうなんだ?」

 下着を着けて髪を乾かしながら、今更のように俺はその事に気付きいつも着替えを置いておく洗濯機の上を確認した。
 自分で風呂に入る時は毎回部屋着を入浴前に置いて置くのだが今回は状況的にそれをしていない。

「? ……ある、か」

 夏実と静華のどちらが準備したのかは分からないが、洗濯機の上には黒の私服らしきものが置かれており、脱いだスーツの上下はきちんと片付けられていた。
 一瞬、パンイチのまま部屋着を取りに行く羽目になるんじゃないかと危惧したがそこは準備されていたようでホッとする。

「服を用意してくれたのは夏実か? いくらなんでも静華の前で部屋着は有り得ないもんな」

 しかも黒のボトムスを持ち上げるとまたそこに黒のシャツが現れる。夏実好みの配色ではない黒一色の組み合わせではあったがそこは気にする点でもないだろう。去年まで俺はそんなファッションカラーで過ごしていたのだから。

 そう思いながらシャツも手にして持ち上げてみると……

「なんっっだこれえぇ??!」

 黒いシャツ以外にも見た事のないパーツが足元にバラバラ落ちてきて思わず変な声を出してしまった。
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