【完結】彼女が18になった

チャフ

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【追加エピソード①】俺が「なっちゃん」と呼ばない理由

★3

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「んはぁぁぁっ……」

 夏休み最後の日曜日。
 夏実を薗田家へ送り届ける前に……と、彼女と昼から夜までじっくりと肌を重ね合わせた。

「はあ……はあ……はあ……」

 エアコンをガンガンに効かせていても寝室の6畳間は熱気がこもり、互いの肌はどこもかしこもビショビショに濡れていた。

「ティッシュ……」

 年甲斐もなく「3連発くらいならいけるんじゃないか」だとか馬鹿な考えが数時間前に浮かんだ所為で、ティッシュペーパーに手を伸ばす指先もフルフル震えていてとても情けない。

「はあ……はあ……」

 夏実はというと、仰向けにバッタリと倒れ込み、両手を肩より上に投げ出していて、上半身だけ見ると赤ん坊の寝姿みたいで可愛らしかった。

「夏実のココも拭いておくから。眠かったらしばらくそのままでいて」

 俺は己の股間周りの処理を素早く終えると、またティッシュケースから数枚ペーパーを引き出して、今度は夏実の陰部にふんわりと当ててやった。

「んぅ……」

 陰部を濡らしている体液をやわらかな紙に吸わせ、数回そこを往復させるように軽い力で拭っていたら一昨日の午前中に記憶を掘り起こした「なっちゃん」の記憶が眼前に映像として浮かんできて一気に照れ臭くなる。

「っ……」
「んぅ? どうしたの? 湊人ぉ」

 夏実は今にも睡魔に負けそうな表情をしている癖に、俺の表情変化にすぐ気付いてしまう。

「いや、なんでもない」
「ほんとにぃ?」
「うん、ほんとほんと」

 俺は眠たそうな彼女に「俺が照れ臭く恥ずかしくなったと感じたのは気のせいだ」という素振りを見せ、心の中で催眠術みたいなものを唱え始める。

「んん…………すぅぅ」

 18歳の少女はそれで素直に目を閉じ規則的な呼吸を開始してくれたので、俺は安堵の吐息を長く吐いた。

「良かった…………」

 流石に母親から「湊人くんはなっちゃんのおむつ替えをしてくれた」というエピソードを聞いているとは思うのだが、まさか俺が夏実の陰部を注視しながら「なっちゃん」と呼び掛けていた事までは知らない筈だし知られたくはない。

(それにしても、15年振りに夏実のココを俺がまた拭くようになるとはな……中3の俺は予想もつかなかっただろうな)

 夏実が3歳を目前にして完全なるおむつ卒業を果たした日、同じく15歳手前の俺は夏実の成長を嬉しく感じ……それから少し寂しくもあった。

「もう金輪際、夏実の大事な部分に触れずに済むのだから」と、何度も言い聞かせては心の奥底をモヤつかせていたのだ。



 ただの幼馴染であった俺と夏実が恋愛という意味で惹かれ合い、こうして身体を重ねる仲にまで進展するだなんて今でも信じられないし、どこが俺らの人生のターニングポイントとなったのだろう?と不思議に感じる。

 18年前、晴美さんが俺に育児の手解てほどきを教えたから……?

 10年前、夏実が俺を「肩車の王子様」と認識し以後想い続けたから……?

 それとも、俺が……夏実に………。

 



「…………なっちゃん、久しぶり」

 俺は罪な言葉を呟いて、丸まったティッシュの塊を夏実の陰部から離した。

「これからまた、俺がなっちゃんを大事に綺麗に扱うからね」






 
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