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淫乱女でしたの?
しおりを挟む「マリエッタ!貴様は私の婚約者に相応しくない!」
...えっと?どういうことでしょうか?
あ、初めまして。私はマリエッタと申します。ハリーナ侯爵家の一人娘ですわ。
私につい最近、婚約者が出来ましたの。名前はケイト・アーバン。先程、訳の分からないことを言い出した方ですわ。それから、一応この国の王子です。
今日はケイト様との顔合わせの為、王城に呼び出されました。それなのに訳の分からない茶番が始まったのです。
「あの、私が婚約者に相応しくない、と仰いましたが理由をお聞きしても?」
まぁ、理由は大体想像できますわ。先程からケイト様の腕にぶら下がっている令嬢を虐めてた、とかそこら辺でしょう?
と思いながら聞いてみると
「それは自分が一番よくわかっているんじゃないか?」
と吐き捨てるように言われました。
はて?全く思い当たることがないんですが...
目の前にいる人達を改めて見てみる。
ケイトは金髪のサラサラの髪の毛に薄めの緑色の目をしていて、大体の人がイケメン、と言うであろう見た目をしている。
隣の令嬢はピンク色のふわふわとした髪の毛に赤い目で、なんというか...男なら守ってあげたくなるような容姿をしている。
それにしても、ピンク色の髪の毛にピンクのフリフリドレスって...目が痛くならないんでしょうか?私的には見ていられないんですが......。
などと考えていると、ケイトは痺れを切らしたのか、もういい!、と言うと後ろから従者達が出てきた。
「こいつらに見覚えがあるんじゃないか?」
とケイトはニヤニヤしながら言うが、私はここにいる全員と初めましての状況だ。
誰でしょう?と首を傾げると従者達は口々に
「俺とあんなに熱い夜を共にしたじゃないか!」
「酷いな!やることだけやって捨てるのか!?」
「君がそんなに淫乱女だとは思わなかった!」
などと全く身に覚えのないことを次々と言うのです。
「はぁ、淫乱女、熱い夜、やることやって...などと言いますが、全員どちら様でしょうか?」
と言うと、わざとらしい演技で全員膝から崩れ落ちた。
「あんなに愛してると言ってたではないか!」
1人が人一倍、喚いてるので
「だから、どちら様ですか?初めて会ったのにそんな妄言を吐けるなんて、想像力が豊かなんですね」
と私が言うと、少しバツ悪そうな顔をして視線を落とした。
「マリエッタ、これはなんの騒ぎだ?」
と急にテノールトーンの声が聞こえてきた。
視線を移すと、そこには陛下と宰相が立っていた。
顔から察するに兵士か誰かが状況を話したんでしょう。陛下の顔色が物凄く悪くなっていて、宰相は怒りによって顔を真っ赤にさせていた。
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