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4章
竜王国へ 〜アン編〜
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武器屋まで、さほどかからず到着した。
店に入ると、所狭しと色々な武器が置いてある。
キョロキョロとしていると、アルが
「どんなものが欲しいのです!?」
「セレンに、持たせるのだけど、何がいいのかしら」
と、セレンがトコトコと歩いていく先に私達もついていく。
すると、1つの剣の前に立ち指差す。
ん!?剣なの!?
格闘系とかじゃなかったのかしら、と疑問に思っていると
「嬢ちゃん、そいつが気になるのかい!?」
と、低い声がする。
ウンウン。と首を縦に振るセレン。
剣から目を離さない。
「その剣持ってみな」
と低い声の主。
静かに持ち上げ鞘から剣を引き抜く。
すんごく、キレイな刀身。
黒光りしている。
珍しい形をしているが凄く綺麗。
「コレがいい」
とセレンは私をマジマジと見て訴えてくる。
「そう。ではコレください」
と言うと、
「おう。タダでいいぞ。やっと出てってくれるんだ。さっさと持ってってくれ」
と、低い声の主は言う。
「え、タダはいけません。こんなにキレイな剣なのに」
「いや、誰も鞘から剣を抜けないんだよ。
嘘だと思うなら試してみな」
一度鞘に納めてもらい、セレンから剣を預かる。
……確かに抜けない。アルに渡して試してもらったがやっぱり抜けない。
セレンにしか扱えないみたい。
「ソイツは、主を選ぶんだ」
と、言われて素直に応じる。
私の杖もちゃんと売ってきた。忘れないうちにね。
大層喜ばれた。付与魔法かかってるものね。
不思議な体験だった。
この旅は、面白いことだらけだわ。
そして、次の目的地。
防具屋さん。
店に入ると、
「いらっしゃいませ~。好きにみて~」
と、気の抜ける声がする。
私とセレンで選んだのは帯刀ベルトと、柔らかい皮製の鎧。
それと、フード付きのローブ。
セレンは、自分の顔を隠したいみたい。
今までのローブは、防具ではなくてコートだったみたい。
うん。いい買い物ができたわ。
「ありがとう。アル。私達の用事はコレで終わり、宿に帰るわ」
と告げると、寂しそうに、「はい」
と言い、先頭を歩く。
ふと目に入ったお店。本がいっぱい並んでるわね。
と思っていると、セレンが立ち止まる。
「どうしたの!?」
「本、欲しい」
読み書きができるのかしら!?
「寄ってみる!?」
「うん」
と、本屋による。
本はとても貴重であまり買うことはない。
でも、興味を持つことはいいことだわ。
と、夢中になって本をコレでもないあれでもないと選んでいると
「アン、コレ」
と、セレンが持ってきたのは初級の魔導書。
魔法を学びたかったのね。
その本を受け取り、
「コレください」
と言うと目の前に、金貨一枚という文字と箱が現れた。
その箱に金貨を一枚入れると、
「ありがとうございます」と、どこからか聞こえる。
少し、怖いわ。
セレンと2人ビックリ顔のまま店を出る。
「セレン、魔法を学びたいの!?」
「はい。マナの使い方、難しい」
と返事をした。
「すごいなぁ~、俺らなんて文字すらわかんないのに、魔法なんて夢のまた夢だ」
とアルが羨ましそうに言う。
そうか、世の中、ましてエルフ国は内戦中だもの。
勉強自体できるような環境にはないのね。
でも、やりようはあるわよね。
「アルは、きちんと働いてるじゃない。
その給金で冒険者ギルドとかの講習受けたらいいんじゃないの!?」
「毎日食べるだけで精一杯だよ」
「少しずつ節約すればいいわ。冒険者になれとは言わないけれど、魔法が使えた方が生活は安定するわよ」
「そうだよねぇ~、頑張ってみるよ」
と笑顔が返ってきた。
ま、それぞれ抱えてるものもあるだろうけど努力することはいいことだわ。
店に入ると、所狭しと色々な武器が置いてある。
キョロキョロとしていると、アルが
「どんなものが欲しいのです!?」
「セレンに、持たせるのだけど、何がいいのかしら」
と、セレンがトコトコと歩いていく先に私達もついていく。
すると、1つの剣の前に立ち指差す。
ん!?剣なの!?
格闘系とかじゃなかったのかしら、と疑問に思っていると
「嬢ちゃん、そいつが気になるのかい!?」
と、低い声がする。
ウンウン。と首を縦に振るセレン。
剣から目を離さない。
「その剣持ってみな」
と低い声の主。
静かに持ち上げ鞘から剣を引き抜く。
すんごく、キレイな刀身。
黒光りしている。
珍しい形をしているが凄く綺麗。
「コレがいい」
とセレンは私をマジマジと見て訴えてくる。
「そう。ではコレください」
と言うと、
「おう。タダでいいぞ。やっと出てってくれるんだ。さっさと持ってってくれ」
と、低い声の主は言う。
「え、タダはいけません。こんなにキレイな剣なのに」
「いや、誰も鞘から剣を抜けないんだよ。
嘘だと思うなら試してみな」
一度鞘に納めてもらい、セレンから剣を預かる。
……確かに抜けない。アルに渡して試してもらったがやっぱり抜けない。
セレンにしか扱えないみたい。
「ソイツは、主を選ぶんだ」
と、言われて素直に応じる。
私の杖もちゃんと売ってきた。忘れないうちにね。
大層喜ばれた。付与魔法かかってるものね。
不思議な体験だった。
この旅は、面白いことだらけだわ。
そして、次の目的地。
防具屋さん。
店に入ると、
「いらっしゃいませ~。好きにみて~」
と、気の抜ける声がする。
私とセレンで選んだのは帯刀ベルトと、柔らかい皮製の鎧。
それと、フード付きのローブ。
セレンは、自分の顔を隠したいみたい。
今までのローブは、防具ではなくてコートだったみたい。
うん。いい買い物ができたわ。
「ありがとう。アル。私達の用事はコレで終わり、宿に帰るわ」
と告げると、寂しそうに、「はい」
と言い、先頭を歩く。
ふと目に入ったお店。本がいっぱい並んでるわね。
と思っていると、セレンが立ち止まる。
「どうしたの!?」
「本、欲しい」
読み書きができるのかしら!?
「寄ってみる!?」
「うん」
と、本屋による。
本はとても貴重であまり買うことはない。
でも、興味を持つことはいいことだわ。
と、夢中になって本をコレでもないあれでもないと選んでいると
「アン、コレ」
と、セレンが持ってきたのは初級の魔導書。
魔法を学びたかったのね。
その本を受け取り、
「コレください」
と言うと目の前に、金貨一枚という文字と箱が現れた。
その箱に金貨を一枚入れると、
「ありがとうございます」と、どこからか聞こえる。
少し、怖いわ。
セレンと2人ビックリ顔のまま店を出る。
「セレン、魔法を学びたいの!?」
「はい。マナの使い方、難しい」
と返事をした。
「すごいなぁ~、俺らなんて文字すらわかんないのに、魔法なんて夢のまた夢だ」
とアルが羨ましそうに言う。
そうか、世の中、ましてエルフ国は内戦中だもの。
勉強自体できるような環境にはないのね。
でも、やりようはあるわよね。
「アルは、きちんと働いてるじゃない。
その給金で冒険者ギルドとかの講習受けたらいいんじゃないの!?」
「毎日食べるだけで精一杯だよ」
「少しずつ節約すればいいわ。冒険者になれとは言わないけれど、魔法が使えた方が生活は安定するわよ」
「そうだよねぇ~、頑張ってみるよ」
と笑顔が返ってきた。
ま、それぞれ抱えてるものもあるだろうけど努力することはいいことだわ。
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