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決意
志飛の考察
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「それは・・・当主様が僕、志飛と間違えて卓椰を殺してしまったから。」
「「え?」」
優介と薫の声が被る。
「卓椰が殺される前に荼泉は卓椰に会っていた。」
「俺は卓椰に綺麗な花はどれか聞かれて教えて何本か摘んで多分南恵のところに戻ろうとした瞬間卓椰は殺された。俺の父に。」
「・・・」
言葉も出ないのか黙る。
「荼泉、本当に当主なのか?当主が指図した使いかもしれない」
「いや、それはない。あの姿。あの後ろ姿は父だった。」
確信があるように頷きながら言う。
「・・・」
「僕と間違えてか。優介は卓椰を殺したい当主に何をして欲しい?」
「・・・謝って欲しい。それから妻の南恵の医療費を払ってもらいたい。」
「医療費?」
「言っただろう。南恵は卓椰がいるように会話をすると、だから俺は南恵を精神科に通わせてる。」
「・・・」
「分かった。僕がなんとかする。でもあと五年は待ってもらいたい」
「そんなにか」
「五年後には出来るから。お願い。その間までは死なずに南恵を守れ。」
「五年後・・・分かった。約束だよ。志飛君」
「!・・・信じてくれるのか?」
「五年経ったらね。」
「それで良い。」
「志飛。五年ってことは」
「僕達は高校生だ。」
「そうなら卓椰も高校生だな。」
「・・・優介。卓椰を・・・
「分かってる。もう死亡届けはだしてある。お葬式を開いて天国に送るよ。」
「うん、それが一番良い。」
志飛は頷いて小さく微笑んだ。
「俺だけ置いてがれてる?」
「薫様。信じてあげませんか?」
「桜川まで」
「分かってる。志綾もありのままでいたいって、でももし当主様に志飛だとバレたら殺されてしまう。それが俺達は怖いんだ。」
「薫様・・・」
「志綾・・・志飛。俺はお前を信じよう。でもその代わりに茅鶴には言ってはダメだからね」
「それは分かってる。」
薫は改めて志飛を見る。姿は志綾のままでも態度も言葉口調も全然違う。声も少しだけ低い。
「・・・ありがとう。お父様。」
「俺からも優介のことよろしくな」
「分かりました。」
「志綾。」
荼泉がそう言い薫は「戻ったのか?」と質問した。
「ええ、お父様。」
「薫、皆んな。今日はありがとう。もう少しで南恵も帰ってくる」
「じゃここでおいとまするよ」
「南恵に会っていかないのか?」
「あぁ、また、今度。さぁ帰ろう。茅鶴もそろそろ帰ってくる頃」
そう言いながら玄関に向かう。薫がドアノブを掴んで開けようとした瞬間ドアが息良いよく薫の顔面に当たりそうになったところを間一髪で避けた。
「え、びっくりした。薫!それが志綾ちゃん?」
「こっちの方こそびっくりしたわ」
薫が大きい声を出す。
「こんにちは。」
「こんにちは。久しぶりね。」
「体調が良くなかったらしいのでもう大丈夫ですか?」
「うん、もう大丈夫。だって志飛君が五年後に解決してくれるんでしょう?」
そう南恵が呟いた。
「「え?」」
優介と薫の声が被る。
「卓椰が殺される前に荼泉は卓椰に会っていた。」
「俺は卓椰に綺麗な花はどれか聞かれて教えて何本か摘んで多分南恵のところに戻ろうとした瞬間卓椰は殺された。俺の父に。」
「・・・」
言葉も出ないのか黙る。
「荼泉、本当に当主なのか?当主が指図した使いかもしれない」
「いや、それはない。あの姿。あの後ろ姿は父だった。」
確信があるように頷きながら言う。
「・・・」
「僕と間違えてか。優介は卓椰を殺したい当主に何をして欲しい?」
「・・・謝って欲しい。それから妻の南恵の医療費を払ってもらいたい。」
「医療費?」
「言っただろう。南恵は卓椰がいるように会話をすると、だから俺は南恵を精神科に通わせてる。」
「・・・」
「分かった。僕がなんとかする。でもあと五年は待ってもらいたい」
「そんなにか」
「五年後には出来るから。お願い。その間までは死なずに南恵を守れ。」
「五年後・・・分かった。約束だよ。志飛君」
「!・・・信じてくれるのか?」
「五年経ったらね。」
「それで良い。」
「志飛。五年ってことは」
「僕達は高校生だ。」
「そうなら卓椰も高校生だな。」
「・・・優介。卓椰を・・・
「分かってる。もう死亡届けはだしてある。お葬式を開いて天国に送るよ。」
「うん、それが一番良い。」
志飛は頷いて小さく微笑んだ。
「俺だけ置いてがれてる?」
「薫様。信じてあげませんか?」
「桜川まで」
「分かってる。志綾もありのままでいたいって、でももし当主様に志飛だとバレたら殺されてしまう。それが俺達は怖いんだ。」
「薫様・・・」
「志綾・・・志飛。俺はお前を信じよう。でもその代わりに茅鶴には言ってはダメだからね」
「それは分かってる。」
薫は改めて志飛を見る。姿は志綾のままでも態度も言葉口調も全然違う。声も少しだけ低い。
「・・・ありがとう。お父様。」
「俺からも優介のことよろしくな」
「分かりました。」
「志綾。」
荼泉がそう言い薫は「戻ったのか?」と質問した。
「ええ、お父様。」
「薫、皆んな。今日はありがとう。もう少しで南恵も帰ってくる」
「じゃここでおいとまするよ」
「南恵に会っていかないのか?」
「あぁ、また、今度。さぁ帰ろう。茅鶴もそろそろ帰ってくる頃」
そう言いながら玄関に向かう。薫がドアノブを掴んで開けようとした瞬間ドアが息良いよく薫の顔面に当たりそうになったところを間一髪で避けた。
「え、びっくりした。薫!それが志綾ちゃん?」
「こっちの方こそびっくりしたわ」
薫が大きい声を出す。
「こんにちは。」
「こんにちは。久しぶりね。」
「体調が良くなかったらしいのでもう大丈夫ですか?」
「うん、もう大丈夫。だって志飛君が五年後に解決してくれるんでしょう?」
そう南恵が呟いた。
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