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嘘
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ヴァイオレットの顔色がさらに悪くなった。
夫人「第二夫人となる うちの娘が目障りなのは分かりますが、侯爵家なら異例でもありませんし王命婚だとしても第二夫人や妾を迎えてはならないとは書いてないのではありませんか?それに寵愛を受けているこの子を娶るかどうかは侯爵令息が決めることではありませんか?」
ロ「そんな事実は無い!婚約した覚えもないし、寵愛などという関係ではない!」
ヴ「ローランド様っ」
伯「では うちの娘を弄んだと?」
ロ「いつも誘って来ていたのはヴァイオレットです。それが続いたので交際することにした、それだけです」
夫人「だって、婚前旅行に行ったではありませんか」
ロ「彼女が交際1年記念に旅に行きたいと場所も日程も決めたのです。俺は劇でも観に行こうと思っていました。ですが楽しみにしているようだったので、彼女の望む旅行を選んだだけです」
伯「ヴァイオレット、どういうことだ」
ヴ「待って、みんな誤解をしているのです。今日は一旦解散して、」
私「駄目です。全員が揃っていないと真実が分かりません。明らかにたった一人の人物の嘘によって今に至っているのは明白ですけどね。
さあ、一つずつはっきりさせましょう。
貴女がローランドを誘って交際に至ったのは本当なの?ヴァイオレット」
ヴ「……」
ロ「ヴァイオレット!」
ヴ「本当です」
私「婚約をしたのは本当?ヴァイオレット」
ヴ「……」
ロ「ヴァイオレット!」
ヴ「していません」
夫人「ヴァイオレット!」
伯「なんてことだ」
私「生理が終わってから今日までローランドと寝ていないのに 妊娠したと言いに来たのよね、ヴァイオレット」
ヴ「ううっ…」
私「嘘泣きして誤魔化そうとしない!」
ロ「産まれるまで牢屋に監禁してもいいんだぞ!!」
ヴ「妊娠していませんっ!」
ロ「ヴァイオレット!!」
私「まあ、1年以上交際していたのは事実なのだから娶ってあげたら?私は構わないけど。
ただし 子を産ませたいなら一応陛下に許可をもらってね。跡継ぎ問題に発展するかもしれないから、跡継ぎをどう決めるのか明確にしてよね。
ということで、子作りどころじゃないから今回は拒否するわ」
ロ「アンジェリーナ」
私「ヤンヌ邸に移るから報告の手紙を送って」
ロ「待ってくれ!」
私「貴方が今しなくてはならないことは何?
これ以上 私に何かさせるつもりなの?
だとしたらミュローノ侯爵に強く抗議するけど」
ロ「っ!!」
私「じゃあね。荷解きを待ってもらって良かったわ」
王都のヤンヌ邸に先触れを出し、降ろした荷物を馬車に積み直した。
直ぐに返事が届いて“来てください”と書いてあったのでお邪魔することにした。
ヤンヌ邸に到着するとレジーヌ様が出迎えてくれて、応接間でさっきの出来事を全て話した。
「何なの、その愛人は!」
「本当。嘘の妊娠なんてバレるのにね。
少しでもローランドに似た男を探して急いで妊娠して辻褄を合わせるつもりだったのかな」
「最っ低!」
「ごめんね。急に押しかけて」
「いいのいいの。リーナはヤンヌ家の恩人だもの」
すっかりヤンヌ子爵家の跡継ぎパトリックやその妻レジーヌと仲良くなっていた。
「明日にでも叔母様のところへ行くわ」
「そんなことを言わないで此処に居てよ。せっかくだから楽しみましょう」
「楽しむ?」
「パーティとか出て出会いを探すの。お友達作りでもいいしね」
「ドレス、ほとんど売っちゃったの」
「え?」
「今の私には興味無いものだったし、ほとんどのパーティにローランドは恋人を連れて行っていたみたいだし、売ったお金で今着ているような服を買ったの」
「ドレスは何着残したの?」
「3着」
「ミュローノ邸にあるの?」
「そう」
「マリーにうちの使用人とドレスや靴などを取りに行ってもらいましょう」
「本気?」
「本気よ。
今回子作りしなかったのだから1か月ほど避妊薬を使えるのよ?夫が楽しんでいるのだからリーナも楽しむ権利があるわ」
「そうね。王太子以外で物色してみる」
4日後、パトリックとレジーヌと一緒にレジーヌの実家で開かれたパーティに出席して、パーティで知り合った方から招待状をもらった。
男爵家から伯爵家までいくつかあったけど、興味があったのは商会のパーティだ。
話題に上がっただけだったけど、この世界を知る機会だと思った。でも招待されようがない。
ヤンヌ子爵邸に戻ると、またローランドからの手紙が届いていた。
「ローランドからの手紙じゃなくてマルトー商会の招待状が欲しかったな」
「マルトーですか?多分ミュローノ家に届いていたと思います」
「え!? 本当!?マリー」
「はい。偶然郵便を受け取りました。執事のウィリアムさんに渡しました」
「その後はどうなったの」
「さあ」
「明日ミュローノ邸に行くわよ」
翌日。
ミュローノ邸に到着するとローランドが走って出迎えてくれた。
「はぁっ はぁっ お帰り」
「運動不足よ」
「3階から馬車を見かけて」
「…危ないから止めた方がいいと思う」
「申し訳なかった。本当に。俺が馬鹿だった。
君がいなければ、あいつに騙されて大変なことになっていたはずだ」
「まあ、それだけ貴方を好きだという可能性もあるじゃない」
「とにかく中に入ろう」
夫人「第二夫人となる うちの娘が目障りなのは分かりますが、侯爵家なら異例でもありませんし王命婚だとしても第二夫人や妾を迎えてはならないとは書いてないのではありませんか?それに寵愛を受けているこの子を娶るかどうかは侯爵令息が決めることではありませんか?」
ロ「そんな事実は無い!婚約した覚えもないし、寵愛などという関係ではない!」
ヴ「ローランド様っ」
伯「では うちの娘を弄んだと?」
ロ「いつも誘って来ていたのはヴァイオレットです。それが続いたので交際することにした、それだけです」
夫人「だって、婚前旅行に行ったではありませんか」
ロ「彼女が交際1年記念に旅に行きたいと場所も日程も決めたのです。俺は劇でも観に行こうと思っていました。ですが楽しみにしているようだったので、彼女の望む旅行を選んだだけです」
伯「ヴァイオレット、どういうことだ」
ヴ「待って、みんな誤解をしているのです。今日は一旦解散して、」
私「駄目です。全員が揃っていないと真実が分かりません。明らかにたった一人の人物の嘘によって今に至っているのは明白ですけどね。
さあ、一つずつはっきりさせましょう。
貴女がローランドを誘って交際に至ったのは本当なの?ヴァイオレット」
ヴ「……」
ロ「ヴァイオレット!」
ヴ「本当です」
私「婚約をしたのは本当?ヴァイオレット」
ヴ「……」
ロ「ヴァイオレット!」
ヴ「していません」
夫人「ヴァイオレット!」
伯「なんてことだ」
私「生理が終わってから今日までローランドと寝ていないのに 妊娠したと言いに来たのよね、ヴァイオレット」
ヴ「ううっ…」
私「嘘泣きして誤魔化そうとしない!」
ロ「産まれるまで牢屋に監禁してもいいんだぞ!!」
ヴ「妊娠していませんっ!」
ロ「ヴァイオレット!!」
私「まあ、1年以上交際していたのは事実なのだから娶ってあげたら?私は構わないけど。
ただし 子を産ませたいなら一応陛下に許可をもらってね。跡継ぎ問題に発展するかもしれないから、跡継ぎをどう決めるのか明確にしてよね。
ということで、子作りどころじゃないから今回は拒否するわ」
ロ「アンジェリーナ」
私「ヤンヌ邸に移るから報告の手紙を送って」
ロ「待ってくれ!」
私「貴方が今しなくてはならないことは何?
これ以上 私に何かさせるつもりなの?
だとしたらミュローノ侯爵に強く抗議するけど」
ロ「っ!!」
私「じゃあね。荷解きを待ってもらって良かったわ」
王都のヤンヌ邸に先触れを出し、降ろした荷物を馬車に積み直した。
直ぐに返事が届いて“来てください”と書いてあったのでお邪魔することにした。
ヤンヌ邸に到着するとレジーヌ様が出迎えてくれて、応接間でさっきの出来事を全て話した。
「何なの、その愛人は!」
「本当。嘘の妊娠なんてバレるのにね。
少しでもローランドに似た男を探して急いで妊娠して辻褄を合わせるつもりだったのかな」
「最っ低!」
「ごめんね。急に押しかけて」
「いいのいいの。リーナはヤンヌ家の恩人だもの」
すっかりヤンヌ子爵家の跡継ぎパトリックやその妻レジーヌと仲良くなっていた。
「明日にでも叔母様のところへ行くわ」
「そんなことを言わないで此処に居てよ。せっかくだから楽しみましょう」
「楽しむ?」
「パーティとか出て出会いを探すの。お友達作りでもいいしね」
「ドレス、ほとんど売っちゃったの」
「え?」
「今の私には興味無いものだったし、ほとんどのパーティにローランドは恋人を連れて行っていたみたいだし、売ったお金で今着ているような服を買ったの」
「ドレスは何着残したの?」
「3着」
「ミュローノ邸にあるの?」
「そう」
「マリーにうちの使用人とドレスや靴などを取りに行ってもらいましょう」
「本気?」
「本気よ。
今回子作りしなかったのだから1か月ほど避妊薬を使えるのよ?夫が楽しんでいるのだからリーナも楽しむ権利があるわ」
「そうね。王太子以外で物色してみる」
4日後、パトリックとレジーヌと一緒にレジーヌの実家で開かれたパーティに出席して、パーティで知り合った方から招待状をもらった。
男爵家から伯爵家までいくつかあったけど、興味があったのは商会のパーティだ。
話題に上がっただけだったけど、この世界を知る機会だと思った。でも招待されようがない。
ヤンヌ子爵邸に戻ると、またローランドからの手紙が届いていた。
「ローランドからの手紙じゃなくてマルトー商会の招待状が欲しかったな」
「マルトーですか?多分ミュローノ家に届いていたと思います」
「え!? 本当!?マリー」
「はい。偶然郵便を受け取りました。執事のウィリアムさんに渡しました」
「その後はどうなったの」
「さあ」
「明日ミュローノ邸に行くわよ」
翌日。
ミュローノ邸に到着するとローランドが走って出迎えてくれた。
「はぁっ はぁっ お帰り」
「運動不足よ」
「3階から馬車を見かけて」
「…危ないから止めた方がいいと思う」
「申し訳なかった。本当に。俺が馬鹿だった。
君がいなければ、あいつに騙されて大変なことになっていたはずだ」
「まあ、それだけ貴方を好きだという可能性もあるじゃない」
「とにかく中に入ろう」
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