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クリスとリューズ
2:クリスとリューズ
しおりを挟む-----リューズ視点-----
無事………いいや、少し?のいざこざはあった。うん。少し…ではないかもしれないが、とりあえず誕生祭は終わった。
誕生祭では、やはり身分差。そして、俺と結婚するとわかるや否や、脅しや、クリスに求婚、俺の暗殺計画未遂…などなど。痺れを切らした奥様が
「平民になって店を開きたい娘と平民のリューズくん。別にいいじゃないですか。クリスは民の血税分の養育費は全額働いて返すと言っているのです。どこがダメなんです?貴族のままでいるか、平民になるかを決めるのは成人後は本人が決めることですわよね?」
「だ、だが、王族の血を…」
「王には、もうすでに10人以上の子がいるでしょう。流行病などない魔族に、10人以上の子が一気に亡くなる機会がおありに?怖いこと。」
「あ、いや…その。」
「クリスは今後貴族に戻ることはありません。クリスの子孫もです。たまに家に戻って来るくらいですわ。社交界に顔を出すこともありません。クリスに貴族は向いていないのです。あの子は明日から平民。まぁ、クリスの事業のバックに我が家がいるのはご愛嬌というやつですわ。皆さん、納得、して下さいましたわね?」
何故か奥様の圧にやられて旦那様以外…クリスでさえもコクコクと頷いていた。今思えばめちゃくちゃだ。
「ねぇリューズ、お父様とお母様に了承書をもらいに行きましょ?そして明日、リューズの両親の元へ!」
「…………旦那様か。」
「?大丈夫。奥の手あるから。」
嫌だ。反対する、睨む、拗ねる、奥様に泣きつくって感じで旦那様がめんどくさくなりそう。最終、クリスが口をきかないという結末で、旦那様がクリスに謝るっと…。やだなぁ…。
コンコンッ
「はぁ~い?」「誰だ。」
奥様は緩い。旦那様は…イチャイチャしてたのか?不機嫌だ。
「クリスだよ。」「リューズです。」
「入っていいわよ~。」「リューズはダメだ!」
「「失礼します。」」
「いらっしゃい。」「…………(睨み中)」
「お願いがあって来たの。」
「了承書、書いてください。」
「いいわよ。」「嫌だ。」
やっぱり。
「お父様は、私が嫌いなんだ!だからリューズとの結婚反対するんだ!」
クリス!?いきなり何言って!?
「なっ!違う!」
「違わないよ!どうせ反対するだろうとは思っていたからね。お母様!」
「奥の手早すぎるわよ~。そうねぇ…。行きますか。」
へ?
「ロー、リューズくんに了承書を渡したら会ってあげる。それまでローと口聞かないし目も合わせないわ。まず、あなたに会いませんから。リューズくん、もらったら届けに来てちょうだいね。クリスが食事の時にもらったか聞きに行くから。じゃ、クリス、行きましょ。」
「は、あ……えぇ?」
行ってしまった。
「……………おい。」
「ひぃ!」
「2人は何を考えているんだ。」
「聞いてないので知りません。」
「ルミィが会わないって…どれくらいだ!?」
「了承書を書くまでです。」
「無理だ!」
「一応言っておきますが、無理に会いに行くと、嫌いとか家出するとか言い出しそうな方々って事は忠告しておきます。」
「お前は何様だ!もらう立場で忠告するな!」
「いかにも無理矢理会いに行こうとしていたので、つい。」
さて、どうなるんだ?
-----クリス視点-----
「お母様、ごめんなさい。」
「いいわよ。あなた、昔っから結婚すると言っていたし賛成だもの。今回は素直に聞き入れなかったあの人が悪いわ。でも、ローは嫌いとか思ってないからね?」
「知ってる。愛されてるって自覚あるもの。でも、お父様よりリューズが好き。」
「それが普通よ。親より旦那よ。」
「私、平民としてやっていけるかな?」
「不安になったらいつでも帰って来ていいからね。リューズくんに沢山頼りなさい?」
「ん。」
「まぁ、3日して来なかったら最終手段ねぇ…。」
「お母様…?」
「ふふふ。あの人が1番嫌なのは私がローのいないところで他の男と話すことよ。3日後までに来るといいわね。あ、クリス。このこと内緒よ?」
「はいぃ!」
お母様怖い!他の男って誰!?お父様早く書いて!!
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