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26.隊長会議
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会議はまず調査隊の報告から始まった。
ワイバーンはあくまで献上用として然るべき手段で輸送していたとあちらは主張している。
ジャカネスタ国を出る時はワイバーン専用の檻に確かに入れていたらしい。
そして船の中で大人しくさせるのに合法麻薬を使った。
麻薬とは違い法的には取り締まれない類いの麻薬で、依存性は一般的なものより低い。
ワイバーンには睡眠薬より合法麻薬が効くからだと主張している。
しかしここで第1王子と友人達があり得ない行動に出たのだ。
ワイバーン用の麻薬を盗み、第2王子の食事に混入させた。
第2王子が甲板であんな事になったのは麻薬のせいだが、悪戯目的だった為量は少量だった。
毒味係がいたが子供の第2王子と大柄な大人の毒味係とで効きが違い、混入に気付かなかったらしい。
第1王子達はいつも活発な第2王子が大人しくなり、事の重大さに気付いて戦々恐々としていたところにワイバーンが脱走した。
どうやって専用の檻から脱走したかはまだ調査中だが、それを聞いた彼らはパニックに陥る。
特に王位継承権第1位の第1王子は半狂乱となった。
第1王子と友人達は同行した自国の使臣にそう話し、現在は心労からか用意した客室から出ようとしないらしい。
他国の王族であり貴賓でもある為、取り調べを強行できずに様子を見ているとのことだ。
次は第1騎士隊からの報告だ。
ジャカネスタ国から謝罪の表明と騎士団への慰謝料が即日届き、明日には王弟が合流する事になった。
第1王子と友人達は王弟の乗って来た船で速やかに自国へ連れ帰り身分剥奪、友人達は死罪、第1王子は神殿で生涯幽閉される。
第2王子は被害者であり、薬も少量ですぐ回復した為このまま王弟共々建国祭へ出席となったとの事だ。
····何かが引っかかる。
今回1番特をしたのは第2王子だ。
麻薬とはいえ依存性の少ない合成麻薬をごく少量。
今はすっかり完治した。
15才の第1王子だけがメルだった為、母親が側室でも継承権が1位だった。
あの国はフィルメよりメルである方が王位継承には有利だ。
それでも第2王子は12才と幼くフィルメとはいえ母親が正室で第1王子と同じく帝王学は学んでいたし、現状では王太子はまだきまっていない。
それに第1王子のあのタイミングでの赤い礼服はたまたまだったのか。
第1王子は文武両道で賢帝の素質があるとされるほどジャカネスタ国内で有望視されていた。
その彼がそんな下らない悪戯などした末にワイバーンの脱走で半狂乱になどなるだろうか。
そもそもワイバーンが献上用だったとは思えない。
確かに昔はジャカネスタにのみ生息し、軍事使用目的で生殖機能を失わせてから輸出していた。
しかし乱獲されるようになり数が激減した為、保護の対象となったのだ。
そんなワイバーンをたかが建国祭で5頭も献上するのはおかしい。
どうせするなら非公式ながら認めている我が国王が譲位する来年だろう。
それになぜあらゆる国と国交を断絶し鎖国しているワルシャマリ国にワイバーンは向かったのか。
ジャカネスタ国とワルシャマリ国にも交易はないが、実は領海の確認に年に2度会談がある。
それは我が国とジャカネスタ国も行うのだが、ワルシャマリ国と海を挟んだ向かいの我が国の領土はちょうど魔の森に接していて開港もしていない為、数年に1度書面でのやりとり程度だ。
恐らくあちらでは魔の森の主である黒竜やかつての主だった白竜は神格化されている為にそもそも魔の森は不可侵領域と認識されているのも大きい。
それにレンの話からワイバーンと魔の森に侵入した竜人は魔獣が補食しないという共通点がある。
もちろん今は竜人の話はふせているが、レンから渡された血肉は第3騎士隊で現在解析中だ。
討伐したワイバーンの側でたまたま持っていた魔獣避けの魔石を発動して一夜を明かし、遺体がおかしい事に気付いたと説明した。
先日討伐したワイバーンの遺体も回収して調べる事になったので、報告は後日となるだろう。
ちなみに第3騎士隊は調査や鑑定に特化した魔術を得意とする者が多い。
魔獣避けは俺がレンから貰った青い魔石を事前に団長に貸そうとしたら、レンが赤と緑の魔石を団長と副団長にそれぞれ渡した。
お爺ちゃんがいっぱい持ってたから~とのほほんと笑うレンが可愛かったが、質があまりに良く、それだけで貴族の家が買える。
物の価値がわかっていないレンが心配だ。
早くレンに会いたい。
抱き締めてあの華奢な首筋の匂いをこっそり嗅ぎたい。
ワイバーンはあくまで献上用として然るべき手段で輸送していたとあちらは主張している。
ジャカネスタ国を出る時はワイバーン専用の檻に確かに入れていたらしい。
そして船の中で大人しくさせるのに合法麻薬を使った。
麻薬とは違い法的には取り締まれない類いの麻薬で、依存性は一般的なものより低い。
ワイバーンには睡眠薬より合法麻薬が効くからだと主張している。
しかしここで第1王子と友人達があり得ない行動に出たのだ。
ワイバーン用の麻薬を盗み、第2王子の食事に混入させた。
第2王子が甲板であんな事になったのは麻薬のせいだが、悪戯目的だった為量は少量だった。
毒味係がいたが子供の第2王子と大柄な大人の毒味係とで効きが違い、混入に気付かなかったらしい。
第1王子達はいつも活発な第2王子が大人しくなり、事の重大さに気付いて戦々恐々としていたところにワイバーンが脱走した。
どうやって専用の檻から脱走したかはまだ調査中だが、それを聞いた彼らはパニックに陥る。
特に王位継承権第1位の第1王子は半狂乱となった。
第1王子と友人達は同行した自国の使臣にそう話し、現在は心労からか用意した客室から出ようとしないらしい。
他国の王族であり貴賓でもある為、取り調べを強行できずに様子を見ているとのことだ。
次は第1騎士隊からの報告だ。
ジャカネスタ国から謝罪の表明と騎士団への慰謝料が即日届き、明日には王弟が合流する事になった。
第1王子と友人達は王弟の乗って来た船で速やかに自国へ連れ帰り身分剥奪、友人達は死罪、第1王子は神殿で生涯幽閉される。
第2王子は被害者であり、薬も少量ですぐ回復した為このまま王弟共々建国祭へ出席となったとの事だ。
····何かが引っかかる。
今回1番特をしたのは第2王子だ。
麻薬とはいえ依存性の少ない合成麻薬をごく少量。
今はすっかり完治した。
15才の第1王子だけがメルだった為、母親が側室でも継承権が1位だった。
あの国はフィルメよりメルである方が王位継承には有利だ。
それでも第2王子は12才と幼くフィルメとはいえ母親が正室で第1王子と同じく帝王学は学んでいたし、現状では王太子はまだきまっていない。
それに第1王子のあのタイミングでの赤い礼服はたまたまだったのか。
第1王子は文武両道で賢帝の素質があるとされるほどジャカネスタ国内で有望視されていた。
その彼がそんな下らない悪戯などした末にワイバーンの脱走で半狂乱になどなるだろうか。
そもそもワイバーンが献上用だったとは思えない。
確かに昔はジャカネスタにのみ生息し、軍事使用目的で生殖機能を失わせてから輸出していた。
しかし乱獲されるようになり数が激減した為、保護の対象となったのだ。
そんなワイバーンをたかが建国祭で5頭も献上するのはおかしい。
どうせするなら非公式ながら認めている我が国王が譲位する来年だろう。
それになぜあらゆる国と国交を断絶し鎖国しているワルシャマリ国にワイバーンは向かったのか。
ジャカネスタ国とワルシャマリ国にも交易はないが、実は領海の確認に年に2度会談がある。
それは我が国とジャカネスタ国も行うのだが、ワルシャマリ国と海を挟んだ向かいの我が国の領土はちょうど魔の森に接していて開港もしていない為、数年に1度書面でのやりとり程度だ。
恐らくあちらでは魔の森の主である黒竜やかつての主だった白竜は神格化されている為にそもそも魔の森は不可侵領域と認識されているのも大きい。
それにレンの話からワイバーンと魔の森に侵入した竜人は魔獣が補食しないという共通点がある。
もちろん今は竜人の話はふせているが、レンから渡された血肉は第3騎士隊で現在解析中だ。
討伐したワイバーンの側でたまたま持っていた魔獣避けの魔石を発動して一夜を明かし、遺体がおかしい事に気付いたと説明した。
先日討伐したワイバーンの遺体も回収して調べる事になったので、報告は後日となるだろう。
ちなみに第3騎士隊は調査や鑑定に特化した魔術を得意とする者が多い。
魔獣避けは俺がレンから貰った青い魔石を事前に団長に貸そうとしたら、レンが赤と緑の魔石を団長と副団長にそれぞれ渡した。
お爺ちゃんがいっぱい持ってたから~とのほほんと笑うレンが可愛かったが、質があまりに良く、それだけで貴族の家が買える。
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