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僕は今日も祈りを捧げる

8最終話

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僕はあれから学園を辞めることになった。流石にこのまま通い続けることは出来ない。凄く残念だけど、2年も学園生活を楽しめたのだから十分だ。

 枢機卿はブラント君のしでかしたことで責任を取ると言い、枢機卿の座から退くことを伝えて来た。だけど僕はそれを断っている。これからも僕を支えてくれないと困るから、と。実際枢機卿のお陰で僕は精神的に助かってる部分も多く、他の人に代わってそのままお勤めを果たせるとは思えなかった。

 ブラント君のしたことの責任を取るならば、僕とダラスの結婚を認めて貰えるよう計らって欲しいとお願いした。

 僕が神子であることで王族との結婚話が持ち上がっていた。だから僕とダラスの結婚は決められずにいたのだ。僕はずっとダラスとしか結婚しないと言っていたけど、教会側も王家も首を縦に振ってくれることはなかったのだ。神様からは僕の好きにすればいいと言ってくれたのに。

 僕は別に神子になりたかったわけじゃない。だけど神子になってしまったお陰で僕に自由は許されなかった。だけど僕は教会と王家の言いなりになるつもりはなかったし、政の駒として使われることも嫌だった。
 
 だけど今回枢機卿が僕の味方になってくれたことで、いい方向へと向かいそうだ。これに関してはブラント君に感謝しないとね。

 そのブラント君は深く反省しているのと同時に僕に合わせる顔がないとして、1人諸外国へ旅へと向かった。というのは建前で、枢機卿が自ら国外追放を言い渡した。ブラント君もそれに異を唱えることはせず、粛々と受け取ったそうだ。

 僕もダラスも無事だったし、いつかは国外追放を取り消そうと思っている。きっとその時は大きく成長したブラント君に出会えるだろう。


「ねえダラス。僕と死ぬまで一緒にいてね」

「当たり前だ。誰にも邪魔をさせるつもりはない」

 もしどうにもならなかった時は2人で逃げようか。神子だって1人の人間だ。僕にだって譲れないものがある。

 だけど今は何とかなりそうな兆しが見えてきた。

 それが叶うよう、僕は今日も神様に祈りを捧げている。
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